*割と長いです*
拿捕されそうになってから1週間が過ぎた。
あれから栄養失調がたたったのか、
少し体調を崩し寝込んでいたが流石に回復は早く、
今では食事も取れるようになった。
だが起きようとすると、ゼオラやヴィレッタに怒られたので
仕方なく2日ほどベッドで大人しくしていた。
〜True Dream2〜
クォヴレーはベッドの上でアラドが持ってきてくれた「食事」と格闘していた。
「(・・・毎度の事ながら何故アラドは『自分の胃袋の量』で持ってくるんだ?)」
アラドと一緒に食事を持ってきてくれた少女ゼオラは、
ニコニコしながら食事を終えるのを待っている。
「それにしても大分顔色良くなってきたわよね!少しふっくらしてきたし」
「ホントホント!お前今まで何食ってたんだよ??」
「・・・別に・・カロリー○イトとか、栄養ドリンクとか・・・」
スープの器をスプーンでコンコンたたきながら唇だけで呟く。
だがその『告白』にゼオラとアラドがベッドの上に乗り出して怒り始めた。
「なんだよ!!その食事は!?」
「いつもいつも食事の時間に見かけないと思ったらそんなモノ食べてたのね!?」
あまりの迫力と2人の顔が近すぎて一瞬言葉を失ってしまった。
「・・・オレは・・誰かと話をしながら食事をするのが苦手だ・・」
「・・・・・へ?」
「食事というものを誰かと一緒する時は、
面白おかしいことを言わなければならないんだろう?
・・・オレには無理だ・・・」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
「それに『過去の自分』もあまりいい食事をしていた感じはしない・・」
ベッドサイドに置いていた椅子に腰掛けると2人は顔を見合わせた。
「・・・『過去の自分の食事情』はともかくとして・・ねぇ?クォヴレー・・」
「?」
「ご飯の時は別に面白い話なんかしなくていいのよ?」
「!!そうなのか!?」
「・・・どこでそんな間違った知識を身につけてきたか知らないけどさ、
飯食うたびに面白おかしいこと言ってたら食事になんないだろ?」
「・・・何故だ?」
「口の中に食べ物が入っているのに、面白いこと言われたら噴出しちゃうじゃない!」
「飯食う時は無言でもいいんだぜ?むしろ無言の時が多いと思う、オレは・・」
「・・・そうか」
驚きに目を見開きながらもクォヴレーは小さく頷いた。
そして少しだけ頬を赤らめながら2人に聞いてみたい事を質問してみる。
「なら・・・これからは・・2人と・・・その・・・」
だが上手く言葉にすることが出来ない。
視線を落とし、顔が陰っていく・・・。
だが2人はその続きをひたすら待つことにした。
こういうことは本人の口から言い出さないとよくないだろう。
クォヴレーはどこか他人と距離を置いている。
その彼が自分から距離を縮めようとしているのだから待つのが一番だ。
「・・・2人と・・食堂に行っても・・迷惑じゃないだろうか?」
完全に視線を落とし、聞こえるか聞こえないくらいの声で呟いた。
トレーの横で握り締められた男の子にしては白い手が小さく震えている。
「・・クォヴレー、ダメよ」
「・・・・っ」
やはり自分とは食事をしたくないのだろうか・・
更に力強く拳を握り締める・・・だがゼオラは続けて言った。
「『迷惑じゃないだろうか?』じゃないでしょ!?」
「え?」
予想していなかった言葉に顔を上げた。
アラドもゼオラも少し怒った顔をしていて、クォヴレーを真っ直ぐに見つめている。
「クォヴレー、その場合『2人と食事をとりたいんだが、一緒に食べないか?』
が適切なんじゃねーの??」
「え?」
「クォヴレーは遠慮しすぎなのよ!ひょっとして私達が嫌がるとでも思っているの?」
コクンと小さく頷くと、2人の顔が再び近づいてきた。
「なんだよ!それ!!心外だ!!」
「そうよ!心外だわ!!」
「・・・すまない」
「すまないですんだら警察はいらねーンだ!
罰としてこれからはずっと一緒に食事を取ってもらうの刑だ!」
「いい考えだわ!クォヴレーが嫌がっても引っ張って食堂に連れて行くわよ、アラド!」
「おう!引っ張っていく役目は任せとけ!
オレは食い気と馬鹿力だけはクォヴレーに勝つ自信がある!」
「・・・だから、ね?クォヴレー・・これからはもっと私達を信用して頂戴?」
「ゼオラ・・・」
「オレもさ、お前からみたらたよりないかもしんないけど・・
お前はもっと他人にたよってもいいんじゃね?そうしないと疲れるぜ??」
「・・・オレなんかに頼られては迷・・・」
「クォヴレー!!」
それ以上言ったらかかと落しよ?というオーラを放ちながらゼオラに睨まれる。
アラドはゴクン、と生唾を飲みクォヴレーにジャスチャーを送った。
ハヤクアヤマレ・・・と。
「・・・これからは・・頼りまくることにする」
冷や汗をかきながらクォヴレーは自分の言葉を訂正した。
よしよし、と頷くとゼオラはいつもの調子に戻る。
「そういえば・・・」
「んふ?」
やはりアラドの胃袋の量の食事は食べきれないので、残りを彼におやつとして下げ渡した。
幸せそうに「おやつ」を食べながら間の抜けた返事をするアラドに
クスっと笑いながら、
「まだこのコロニーから出発しないのか?」
「ええ、なんか補給作業が遅れているみたいよ?」
「そうなのか・・?」
「でもふぁ・・その・・」
「・・・アラド、一度飲み込んでから喋りなさいよ!」
「んぐっ」
口に入ったものを一気に飲み込み、更に水を一気飲みする。
その様子に引きつった顔のクォヴレー・・・。
ゼオラは、はぁ・・・とため息をついた。
「でもさ、そのおかげでクォヴレー休めたしいいんじゃん?」
「そーねぇ・・」
「そうだな・・・で、予定としてはいつ出発なんだ?」
「・・・確か・・3日後よ」
「3日後・・・ならまだ外出許可は下りるのか?」
「あぁ・・2日後までは自由だけど・・お前まさか・・」
コクンと頷きながらクォヴレーはベッドから起き上がった。
「ずっとベッドに縛り付けられて体が鈍ってしまった・・・・
リハビリもかねて少し散歩に行きたい」
「ダメよ!」
「大丈夫だ・・・どうやらオレは人より丈夫に出来ているらしいし、
1週間まともな食事を取ったら元気になった」
「でもさ・・・」
「大丈夫だ、今度は護身用の銃も持っていく」
「そういう問題じゃないわよ・・・まだ近くにいるかもしれないのに・・」
クローゼットから例の私服を取り出すと、クォヴレーは微笑みながら言った。
「最初の我侭だ・・・外出させて欲しい」
滅多に笑わない人間に微笑まれながら『お願い』をされては
それ以上は何も言うことが出来ない。
「・・・クォヴレーって確信犯よね」
「あぁ・・・確信犯だ」
「フフフ・・有り難う」
「・・・褒めてねーよ」
アラドとゼオラから『お餞別』として少しだけお金を貰ったクォヴレー。
1人街を歩きながら、ある店の前で立ち止まる。
そこはお茶もできる洋菓子店であった。
「(我侭を言ったんだ・・2人にお土産を買っていこう)」
『買い物』というものを始めて体験するクォヴレーは
少しだけ胸をドキドキさせながらその店のドアを開いた。
ドアを開くと洋菓子の甘い香りが鼻を掠める。
「いらっしゃいませー♪」
フリルのエプロンをつけた可愛らしいウェイトレスが出迎えてくれる。
「本日はお召し上がりでしょうか?」
「・・・え・・いえ・・」
「お持ち帰りですね?」
「・・あ、はい・・・あ・・でも・・・」
ガラスケースのケーキがとても美味しそうに見えクォヴレーは躊躇する。
「・・・召し上がっていきます」
「・・・え?」
あがっているのか、変てこな返答をするクォヴレーに
ウェトレスはクスクス笑うと席へ案内してくれた。
「ただいまの時間ですとケーキセットがお得ですよ?」
「・・・じゃあそれで・・・あと・・・お土産に・・クッキーの・・」
「かしこまりました。セットのお飲み物はコーヒーか紅茶をご用意しておりますが?」
「・・・紅茶で」
「ミルク・レモンとご用意できます」
「ミルク??レモン???(そういえば大尉がレモンで・・・とか言っていたな)
・・・ミルク・・・で」
「かしこまりました、少々お待ちくださいませ」
運ばれてきた「イチゴのミルフィーユ」を幸せそうに頬張っていると、
先ほどのウェイトレスがシーと唇に人差し指をあてて戻ってきた。
「サービスです、どうぞ」
「・・・あ、有り難う・・」
それは試食用なのか・・・小さな器に盛られたデザート用のチーズだった。
「(少し勇気をもって外に踏み出せばいい人は沢山いる・・のかもしれない)」
チーズを口に運びながら、窓の外を見ているとその気配は近づいてきた。
ドクンッ・・・と鼓動が早くなっていく。
「・・・合席しても?」
鼓膜に響くほどの低い声で合席の許可を得ようとするその男・・・。
「(・・・やはりまだいたのか)」
ゆっくりと男に振り返ると、今回は仮面はしていなくサングラスをしていた。
青い肩までかかる髪・・・
ラフな格好をした男は了承を得る前にクォヴレーの目の前に座るとコーヒーを注文した。
男はコーヒーを飲みながら何も語ろうとはしない。
ケーキを食べる手の止まっているクォヴレーを見ると、
「遠慮せずに食べるがいい・・・こんな場所でお前を拿捕しようとはしない」
「・・・・・っ」
「・・・野良猫のように睨みつけられても、俺は痛くも痒くもない・・」
「・・・まだ・・このコロニーに居たのか?」
コーヒーカップを皿の上に置くと、哀れむようにクォヴレーを見つめた。
「・・・・ターゲットのいる場所がこんなにはっきりしているのに帰る輩はいないだろう?」
「ターゲット?」
「お前だ・・いや、お前だけじゃない、お前が仲間と信じている連中もすべてターゲットだ」
「・・・殺す気か?」
「・・・・それを知ってどうする?」
「・・・・・・」
「仮に俺が殺す気、と言っても今のお前では何も出来ない・・・
それにお前の仲間が殺されてもお前は殺されない」
「・・・・・?」
「この前言っただろう?俺はお前の捕獲命令を受けているのであって、
処分命令は受けていない、と」
「・・・・・・」
「出来るだけ穏便にお前を連れて帰りたい・・・
お前が再び1人になったから俺は接触を試みた・・・
今回は何故か監視が居ないようだしな・・・?」
ヴィレッタ・ゼオラ・アラドの訴えが功をそしたのか、
1週間前からクォヴレーを監視する人はいなくなった。
キャリコは腕を組みながら言葉を続ける。
「・・・どうする?素直に従うなら手荒な真似はしない」
「・・・従わなければ?」
「・・・この店を出た瞬間に拿捕する」
「されるわけないだろ!」
机を叩きながら立ち上がると、がちゃんと食器がなり紅茶がこぼれる。
楽しげな雰囲気のお店が一気に静まり返った。
キャリコは口元をゆがめながらゆっくりとコーヒーを口に運んだ。
「・・・とりあえず座ったらどうだ?注目されているぞ?」
「・・・っ」
唇を噛み締めながらクォヴレーはストンッと椅子に座りなおす。
「まぁ、このままではお前があまりにも不利だから・・そうだな」
「・・・・・・」
「お前が店を出てから5分後、お前を狩ることにする」
「・・・狩る?」
「手に入れた偽りの自分を手放したくないのならせいぜい必死に逃げることだ」
母艦まではどう頑張っても30分はかかる。
護身用の銃は持ってはいても人が大勢いる場所で撃つわけにはいかない。
・・・力で適わないのはこの前いやというほど思い知らされている。
クォヴレーは唇を噛み締めながら目の前の男を睨みつけていた。
洋菓子店をでてから5分などとっくに過ぎている。
「互いに呼び合う存在」ならばそろそろ姿が見えてもいい頃だ。
母艦まで戻っていては途中で捕まる。
だからといって街中で銃を撃つわけにもいかない。
クォヴレーはなるべく人気の少ない人工的に作られた海辺へとまたきていた。
相変わらず人一人居ない海辺・・・
「(・・・おかしい・・この前といい今といい・・何故人影一つない?)」
警戒するようにあたりを見渡していると、その気配を強く感じ始めた。
サングラスを外した男がゆっくりと自分に近づいてくる。
「・・・キャリコ・マクレディ?」
「・・・そうだ」
「・・・オレと・・似ている?」
「あぁ・・・そうだろうな」
頭一つ分以上違う長身の男を見上げる。
初めて見たはずの男の顔は何故かひどく懐かしく感じられた。
だが男の顔を見つめていくうちに胸が苦しくなっていく・・・。
『・・・・キャリコ・・・モ・・・カレラトオナジダッタンダ・・・』
頭の中に響く声・・・
それは紛れもなく自分自身の声だ。
再び頭痛に襲われ始める。
苦しげな表情をしながらクォヴレーはゆっくりと後退していった。
「(背を向けては捕まってしまう!このまま・・・)」
チラッ・・・と海へ視線を移すとモーターボートがいくつも並んでいるのが見える。
「(・・・あれに乗れば!)」
ノロノロと海へと後退していく。
キャリコはゆっくりと近づきながら、
「それはいい考えだ・・確かにボートの速さには流石の俺も泳いででは追いつけない」
「!!?」
自分の考えが見透かされていることに脂汗をかいていく。
しかしこの距離なら捕まるはずはない、と一気にボートへ走り出した。
だが・・・・・
後ろ髪を引っ張られボートにつく前に捕まってしまう。
あの距離を僅かな時間で縮めたとでもいうのだろうか?
冷笑しながら髪の毛を掴む男に、
背中になにか恐ろしいものを感じながらクォヴレーは頭に置かれた手を外そうとする。
「放せ!!」
「アイン・・・艦に戻る前に船旅でもしていくか?」
「!!?な、に・・???」
軽々とクォヴレーを持ち上げると、目の前のボートに放り込んだ。
「地球の技術は本当に恐れ入る・・・これはもうボートというより小型な客船だな」
「・・・・うっ」
投げ込まれた時に頭を打ち、脳震盪を起こしているクォヴレー。
それでも必死にボートから逃げようと外に這い出そうとする。
そんなクォヴレーの腰を抱きかかえるように操舵室へ向うと、
エンジンをつけ「自動運転モード」へ切り替えた。
「さて、操舵室で暴れられても迷惑だがお前程度の力ではどうにもならないか・・?」
「くっ・・馬鹿にするな!」
「馬鹿になどしていない・・・それにこれは以前お前が俺に言っていたことだ。
『この身体では大人に圧し掛かられると逃げられない』とな」
「!!?」
「残りの燃料の量からすると楽しい船旅は1時間強・・・
囚われのお姫様に自分の立場をわからせるには十分すぎる時間だ」
「・・・囚われの姫?」
キャリコは腕の中の存在に向って冷たく微笑むと、
「お前のことだ、アイン・バルシェム・・・」
「な!?オレは・・男だ!!」
「わかっている・・だが男も女も関係ない。」
「!!?」
「アイン・・昔から男に捕まったらその男の腕に抱かれるのが
『姫君』の運命というのを知っているか?」
「!!」
「お前はこれから男の腕に抱かれるんだ・・そう、俺の・・」
男の腕に抱かれる・・・
この前のこともあり、クォヴレーは全身に鳥肌がたった。
死にものぐるいで暴れてみたら男は何故か腕の力を緩めた。
何故緩められたのか・・・?
そんな事を考える余裕もなくクォヴレーは出口へ走り出す。
ドアを開けた瞬間再び魔の手は伸びてきた。
「あぁぅ!!」
ドアとキャリコの間に挟まれ、苦しげな悲鳴をあげてしまう。
ドアは引くタイプなのか、キャリコに押し付けられてもビクともしない。
そして容赦なくドアへクォヴレーを押し付けていく・・・・。
「ぐっ・・」
息が出来ない。
「く・・苦し・・・息・・」
息が出来なくて自然に涙が流れた。
キャリコは満足そうに笑いながら顎を捉え、そっと息を吹き込んでいく。
「・・・ぁ・・・ふ」
押し付けていた力を緩め、クォヴレーの細い身体に腕をまわす。
「・・・ぁ?」
呼吸が楽になってきた頃、クォヴレーは男の胸板を押し戻した。
唇を拭いながら必死にその腕の中から逃れようと暴れまくる。
「・・・またドアと俺にサンドされたいのか?」
ビクンッと身体を大きく揺らし体から力を抜いた。
「そう・・大人しくしていれば痛みは少なくすむ」
「・・・・っ」
「後ろを向いてドアに手をつけ・・足は広げておけよ?」
「・・・・っ」
言われた通りドアに手をつき足を開いた。
キャリコの指がフロントホックに伸びてきてジッパーをゆっくりと下ろしていく。
『・・・メヲ・・・ツブッテイレバ・・・スグオワル・・・』
また自分の声が頭に聞こえてきた。
その声が消える頃、下着までもが足元に下ろされてしまっていた。
「ん〜・・・んっ・・・んぅ」
ドアに手をつきながら力が入らなくなった足で必死に立っていた。
背中に男の体温を感じる。
分身は男に握られ、扱かれ、爪を立てられ、着々と成長をしていく。
男の右手は分身を成長させていくが、左手は根元を握り締め決して開放を許さなかった。
性器を扱かれながら時折耳を舐められる。
すると更に身体は大きく震えだし、足に力が入らなくなっていく。
「・・・前はこんなものか?」
「・・・ぁ?」
キャリコは床に膝を立てると、クォヴレーの根元を戒めながら更に足を開くように命令した。
「・・・ぅっ」
ゆっくりと足を左右に広げる。
すると右手がある場所を探り始めた。
人差し指でその場所を何度もなぞる。
「・・・なんだ・・・銜えまくっていると思っていたが・・・こんなに閉じてしまって・・」
「・・・・?」
「・・・フフフ・・そういうことなら沢山解してやろうか」
「・・・・な・・に?・・・んぁ!!」
後のしぼまりに舌を這わせ入り口を解していく。
ある程度濡らし終わると再び立ち上がって耳元で囁くように呟いた。
「まずは・・1本」
「あぁぁ!!」
ズブッ・・と指を挿入され異物感に身体を硬直させていく。
すると耳に息をかけられ体がゾクゾクしていき、力が抜けていく。
孔の締め付けが弱まるのを感じると、ゆっくりとピストンしはじめる。
「あっ・・・んん・・」
異物感はだんだん消えていき甘ったるい声が出始めた。
根本を握っている手に先走りの体液が零れ落ちてくる。
「・・・2本目」
「んぅっ」
再び苦しげな悲鳴をあげたが、直ぐに甘い声に変わっていった。
クォヴレーの汗が床に落ちてはシミを作っていく。
ドアに伸ばされた腕も、大きく開いた足も力が入らなくなり小刻みに震えていた。
「・・・・・っ・・・ふ」
3本の指が好き勝手に孔をせめていくが、それはもう快感でしかなかった。
「こんなにいやらしく綻ばさせて・・・」
「うっ・・・・あっ!」
指が抜かれ、腰をモジモジと振り出す。
耳元でキャリコの嘲笑が聞こえてきたが、そんな事にはかまっていられない。
もっと強い刺激を貪欲な身体は求めているのか、
無意識に腰は揺れ動いていく・・・。
最期のプライドなのか、クォヴレーは頭だけキャリコへ向け睨みつけた。
「・・・反抗的だな・・・アイン。
その反抗的態度は改めさせるためなければ・・・
二度と俺から逃げようだなどと思わなくなるように、な」
そして遠くからベルトを外す音と、ジッパーのおりる音が聞こえてきた。
ドアに伸ばした手のひらの上に男の大きな手が覆いかぶさって握り締めている。
男の猛った欲望が二つの膨らみを擦り、
張り詰めた性器を擦り、太股を擦り、後の蕾を擦っていく。
「あっ・・あっ・・・」
足を閉じるように命令され、閉じた瞬間に欲望が太股を擦っていった。
キャリコの先走りと、自分の先走りで太股は体液で汚れていた。
「・・・うっ・・・く・・・やっ」
「・・もっと・・脚に力を入れろ!」
「うぅっ・・・んっ」
キャリコの体とドアの間に挟まれる。
欲望にギラついた男の息づかいが鼓膜に直接響くいてくる・・・。
「アイン・・・孔がヒクついているぞ?
俺のペニスがお前の孔に擦れるたび、いやらしく開閉をしている。」
「・・・・っ」
「・・・入れて欲しいか?」
ブンブンと頭を左右に振る。
しかしあざ笑う声が耳から脳へと直接響き渡る。
「入れて欲しいのだろう?・・・・ほら?」
キャリコのペニスの先が孔にあてがわれた。
するとパクつくようにそれを飲み込もうと孔は開口した。
キャリコがペニスを離すと、灼熱を求めて孔はパクパクとヒクつく。
キャリコは再び先端を孔にあてがった。
孔は飲み込もうと口を開きだす。
「・・・・ふ・・・ぅ」
熱が欲しかった・・・
クォヴレーは無意識に腰を後にいるキャリコへと移動させていく。
孔に男の欲望が侵入してくる。
僅か5ミリほど入っただけでクォヴレーは歓喜の声をあげてしまった。
「あっあっあっ・・あぁ!!」
「フッ・・・くくく・・・」
キャリコの笑い声が聞こえる・・・
だがそんな事にはかまっていられなかった。
更に熱を求めてクォヴレーが腰を進めようとした時、
キャリコは耳元のイヤホンから声が聞こえてきた。
『キャリコ!アインの捕獲には成功したの?』
「・・・スペクトラか・・あぁ、成功した。
お前があらかじめ海辺の人を追い払っておいてくれたおかげだ」
『良かったわ・・・今、海の上ね?』
「そうだ」
『あと10分ほどで迎えにいけるわ!・・・性交も程ほどにね』
「・・・何故そういうことをしているとわかった?」
『貴方、心なしか息が荒いわよ?アインの声も聞こえるしね・・』
「なるほど・・・」
キャリコはクォヴレーの腰を掴みそれ以上後に進めないようにしていた。
クォヴレーは腰をモジモジさせ、熱を奥へ迎えようとしている。
『とにかくあと10分よ?』
「・・・了解した」
クォヴレーを強引に引き離すと、ドアに押し付けた。
「あぁ!」
「・・・ということだ、アイン。もうすぐお迎えが来る」
「・・・ぅ・・・ゃ・・・だ」
「何がイヤなんだ?迎えが来ることか?それとも・・・」
再び孔に灼熱をあてがった。
「・・・あっ」
孔は灼熱を求めてヒクヒクする。
「この熱がもらえないことがイヤなのか?」
「・・・・あっ・・・ぅっ」
「残念ながらタイムリミットなんでな・・・
ゴラー・ゴレム艦についたらゆっくりと与えてやる・・・とりあえず」
クォヴレーを自分と対面するように振り向かせると、強引に床に座らせた。
「お前お得意の『銜える』でこの熱を冷ましてもらおうか?
上手に出来たらお前のペニスの熱もとってやる・・・
タイムリミットは10分・・・気合を入れてやることだ」
クォヴレーの口の中に指を入れ舌を玩ぶ。
「やだ!イヤだ!!そんな・・気持ち悪い・・・こと!」
頬をなぞり、冷たく笑いながらゆっくりと口へ欲望を押し付けていった。
「イヤじゃないだろ・・・?大好きなくせに・・男のコレを銜えるのが」
「やっ・・・んぅ・・・ん〜!!」
口の中に苦い味が広がっていた。
「ふぁ・・・っ」
クォヴレーの性器はキャリコの口の中で限界を訴えている。
口でキャリコをイかせた後、約束どおりクォヴレーの熱を冷ますため口に銜えた。
「・・・っ・・・あぁ!・・・あぁぁぁ!!・・・う・・・」
数回身体を上下させ、欲望を放った。
口を拭いながら、持っていた時計を見る。
「タイムリミット丁度だな」
ボートの外から機体近づいてくる音が聞こえてくる。
「お迎えだ、アイン」
「い・・・や・・だ・・・」
「・・・諦めるんだな」
クォヴレーのズボンを拾い上げると、ポケットからクッキーの包みが落ちてきた。
それに気づくとクォヴレーは手を伸ばす。
「・・・お土産・・アラド・・と、ゼオラ・・・に・・土産・・」
あと少しでクッキーに手が届くというところで、クッキーは無残に踏み潰された。
「あ!?」
「・・・『仲間』への土産ならもう必要のないものだ・・・
お前は二度と『仲間』の元へ戻れないのだからな」
怒りを抑えるかのように静かに語りながら、
ポケットからハンカチを取り出すと薬品をしみこませていく。
「まだまだ弱っているようだから効くだろう?」
踏み潰したクッキーから足を放し、クォヴレーの口元から鼻まで覆っていく。
「ん〜!!」
「・・・眠れ、アイン・・・今度こそな・・・」
「んっ!」
「次に目が覚めた時、本当の仲間がお前を待っている」
「・・・・・・」
「・・・もう聞こえないか・・・」
ダランと手足を投げ出したクォヴレーに満足げにみつめ、窓の外に目を移す。
スペクトラの愛機がボートと並ぶように飛んでいた。
クォヴレーに服を着せ、抱き上げる。
「ん?」
つま先にクッキーの袋が当たった。
無表情に再びそれを踏み潰すと、外のスペクトラと連絡を取る。
「スペクトラ、今からそちらへ行く」
『了解よ・・・成功おめでとう』
「・・・ありがとう」
有り難うございました。
続きます。
「NIGHTMARE」から続いているこの話・・・
裏のテーマは「ひたすら結ばれない!SEXできない」・・だったりします。
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