〜肉が嫌いになった理由〜



場所はゴラー・ゴレム艦のバルシェム専用の食堂。
ひと足先にアイン・バルシェムは食事を終えていた。

こそへバルシェム隊の隊長と副隊長が食堂へやってきた。
どうやらいままでハザル指令に嫌味・・・
もとい今度の作戦で使った『使いすぎの経費』について
ネチネチと嫌味を言われていたらしい。
スペクトラいわく、
『指令のあの性格はオクラと納豆をあわせたよりも粘ついた嫌味な性格だわ』
らしい・・・

普段あまり悪口を言わないスペクトラがボソッと呟いた一言。
アインは心底彼女が気の毒で頭をいい子いい子した。
その時、スペクトラが優しく微笑んでくれ抱きしめてくれたので
アインはますます彼女が好きになったのだが・・・・


「まったく、あのファザコン!今回もネチネチと五月蝿いときたら・・」
「キャリコ!オクラ納豆に聞こえたら処分されるわよ!」
「・・・お前も『オクラ納豆』などと言っているのがばれたら処分だぞ?
 それに、あのファザコンを『オクラ納豆』などと呼んだらオクラと納豆に失礼だ」
「・・・お互い様ってことね・・・ふぅ・・・あら?」

うんざりだという顔でため息をつきながらスペクトラはある1点に視線を向ける。

「どうした?スペクトラ」

キャリコが呼びかけるのを無視し、スペクトラはその場所へと歩き出した。

「?」
「アイン!」

いきなり大声で呼ばれ、アインは小さな身体を竦みあがらせる。
そして『あること』がばれたくなくて早々に食器を戻そうとした、が

「待ちなさい!」
「・・・ぁ・・・何かようか?」
「えぇ・・そのお皿、私にしっかりと見せてくれるかしら?」
「!!・・ぅ」

ニッコリと微笑んではいるがけれども顔は決して笑っていない。
このまま怒らせたら後が怖いかもしれない・・・
アインは諦めて皿をスペクトラに見せた。


差し出された食器を見た瞬間、スペクトラはため息をつく。

「・・・アイン、またこんなに残して」
「・・・・・」
「嫌いなの?」
「・・・嫌いじゃない・・お腹がいっぱいなだけだ」
「私たちは身体が資本よ?お腹がいっぱいでも無理して詰め込まなければ・・・
 肉なんか一口も食べてないじゃない!?せめて半分は食べなさい!」
「・・・了解だ・・・今度から・・」
「今日からよ」
「ぅぅ・・っ」
「・・・スペクトラ」


アインを叱っていたら頭上からその声は聞こえてきた。

「・・・なに?キャリコ」
「言葉で言っても食べないものはこの先も食べないだろう
 ・・・それより効果的な方法があるのだが・・?」
「言葉より効果的な方法??食事抜き、とか?」
「ちがう・・・?が、試してみる価値はあると思うぞ?」

そういいながらその男は幼いアインに視線を向け、黒く微笑んだ。
何故だかわからないが、キャリコの視線に恐ろしく悪寒が駆け巡るアイン。





アイン・バルシェムはスペクトラは好きだがキャリコは苦手であった。
なぜなら、いつも自分を舐めまわすようにネットリとした視線を送ってくるからである。

「いい!」
「・・・なにが、いい、の?アイン」
「その、効果的な方法とやらは試さなくていい!食べればいいんだろう!?」
「・・・ほぉ?アインよ・・では今から食べてみせろ」
「え?」
「食べる、と今言っただろう?俺とスペクトラが見ている前でその肉料理を完食しろ」
「・・・・・・・」
「・・・アイン?やっぱり今のセリフは嘘なのね?」
「嘘じゃない!・・・・明日から」



言葉を濁すアインにキャリコは再度スペクトラに提案を持ちかけた。


「どうする?スペクトラ、試してみるか?効果的な方法を・・」
「・・・どうやらそれがいいみたいね」
「スペクトラ!?」
「了解した・・・さて、決まったところで俺の部屋に行こうか?アイン」
「??わざわざあんたの部屋でやるの?」
「・・・企業秘密、だからな。かまわないだろ?」
「ええ、ちゃんと好き嫌いを直してくれさえすれば私は口を挟まないわ」
「そうか・・・では行こうか?アイン」
「行かないぞ!?」
「・・・アイン、お前に拒否権はない。何故だかわかるか?」
「知るか!」
「俺達が隊長と副隊長で、お前はただの隊員だからだ・・」
「!!・・・わかった」

そう言われてしまえば反論が出来ないのがバルシェムの悲しい運命(さだめ)・・。
うな垂れながら返事をするので、スペクトラはアインの頭を撫でてやった。

「大丈夫よ、何も取って喰われるわけじゃないんだから」
「・・・わかった」


そんな2人のセリフにキャリコは心の中でほくそえむ。

「(・・取って食うんだがな)行くぞ、アイン」
「了解だ」





アインはキャリコの後について食堂を後にする。
が、この日を境にアインはスペクトラが嫌いになった。

いや、スペクトラだけではない。
他の隊員全てが嫌いになったのである。
そう、今日という日を境にアインの地獄の日々が幕を開けたからである。








・・・・・キャリコの自室にて。


「アイン、この布で目隠しをするんだ」
「???何故だ?」
「モノが見えていてはお前は食べるのを躊躇するだろう?
 だから最初はこの布でモノを見えなくするんだ」
「ふーん?」

その布を手に取るとアインは自分の目を覆った。

「フフ、いい子だ。さて、俺が食べさせてやるから跪け」
「???何故だ?」
「立っていると挿れにくいんだ」
「・・・入れにくい??ふーん・・」

キャリコの言っていることがイマイチ理解できないでいるアインだが、
とりあえずその場に跪いてみた。
そして跪くと、ほぼ同時にその音が聞こえてきた。
ジー・・・と。

「(???何の音だろう)・・・・!!?うっ」

音の正体もわからぬまま、ソレは勢いよく口内に侵入してくる。
ソレがなんなのか?
アインはわからなかったが、ソレは口の中をハイスピードで出たり入ったりを繰り返していた。


「??ふっ・・・ぅ・・・う・・ぐぅ!!」

ソレは動けば動くほど口の中での存在感が増していき、呼吸が苦しくなる。
コレは一体なんなのか?
確かめようにもアインの目は布に覆われていて確認することが出来ない。

「(あ!そうか・・とればいいんだ)」

ソレの正体を確かめたくてアインは目隠しを取り外す。
その瞬間とんでもない光景が目に入ってきた。


「!!!むっ・・むっ・・・んむぅ〜!!??」
「いけない子だな・・アイン。目隠しを取ってしまうとは・・・」

口の中に入っているソレの正体に気づき口から出そうとするが、
キャリコに後頭部をしっかりと抑えられていて出すことが出来ない。
アインはおもいっきり頭(かぶり)を振った。

「んん〜!?んっ・・・んむぅ!!」
「・・・フッ・・美味いか?アイン」
「んん〜!!」

美味くなどない!
と頭を横に振るアイン。
しかしキャリコは面白そうな顔で見下ろしながら、

「美味いだろう?この『フランククルト』は・・・
 アイン、肉嫌いのお前の為に俺が用意した特別な『肉』だ」
「!!??んん〜!!んっ・・・む!・・・むむぅ〜!!」

アインは頭を懸命に横に振る、が

「そうか、そんなに気に入ったか?アイン、この『フランクフルト』は少し変わっていてな」
「んむぅ?」
「擦れば擦るほど、マスタードが口の中に増えていくんだ」
「んんん????」

そういえばさっきから口の中に粘ついた苦い液体が広がってきている・・・
アインはこれがキャリコの言うマスタードだろうか?と一瞬考え込んでしまった。
するとそれがいけなかったのか、キャリコは後頭を更にきつく押さえ込むと激しく
『フランクフルト』を口の中に打ち込んできた。

「んんっ・・・ふっ・・・ぐっ」

しかし、いくらアインが幼いといっても
口の中に入っているソレがなんなのか十分にわかっていた。
なぜならば自分にも、大きさが違うとはいえソレがついているのだから。
そしてソレを使った『行為』も実際に経験はないが聞いているので知っていた。

「(こんな・・・許さない!)・・ふっ・・んぐっ・・・んんっ!!」
「!!!ちっ」

次の瞬間、急に口内の圧迫感が消えた。
そう、キャリコが口内からソレを抜いたのである。

「・・・はぁ・・・はぁ・・・けほっ・・」

苦しげに咳き込むアイン。
だが頭上からは何故か愉快気な声のキャリコ・・・
再びジー、という音が耳を掠めた。

「いけない子だな?アイン。まだ食事が済んでいないのにオイタをするとは・・」
「!!げほっ・・な、何がオイタだ!そんなモノを人の口に入れて!」
「肉嫌いのお前に肉の味を教えていただけだろう?・・マスタード付きのな」
「何がマスタード付だ!オレはケチャップ味のが好みだ!」

涙目で反論するアイン。
しかし愉快気にその反論を受け流すキャリコ。

「ほぉ・・?ケッチャプ味か・・成る程、だから噛んでケチャップを出そうとしたわけか」
「そんなわけあるか!?」
「だが、オイタはいけないなぁ・・・?アイン?」

アインの言い分を完全に無視し、
キャリコがニヤニヤ笑いながら近づいてくる。
アインは尻餅をつきながらズリズリ後ずさって行く・・・。
が、結局壁際まで追い込まれて逃げ場を失った。
青い顔をしながら追い詰めてきた相手キャリコを見上げると
顎に手をかけられ、上を向かせられる。

「イケナイ子だアイン。・・・まぁ、いいだろう。
 今度はタンを食べさせてやろう・・・フランクフルトはまた後で、な」
「・・・タン??」

キャリコがニヤッと笑ったかと思うと、
その直後には唇を塞がれてしまっていた。




続きます。 ・・・変態駄文ですね? ここまできたら最後まで変態プレイでいくかも・・・? 次は・・・合体させようかなぁ・・・
戻る