設定
イングラム:連邦軍に在籍している少佐
クォヴレー:士官学校に通っている学生
2人は同棲してます。
よろしいですね?
〜愛妻弁当〜
「・・・イングラム・・・これ」
「ああ・・・有り難う。」
「うん・・・」
クォヴレーは毎日イングラムに弁当を作っている。
自分はまだ学生で、事実上彼に生活の面倒をみて貰っているので、
家事全般はクォヴレーの仕事である。
弁当作りもその一つ。
イングラムはいつもクォヴレーより早く家をでる。
彼はクォヴレーが可愛くて仕方がないので、
いつもいってらっしゃいのキスやお帰りなさいのキスを
半ば強引にしている。
クォヴレーは毎回嫌なのだが(恥ずかしいらしい)、
この日は珍しく彼からいってらっしゃいのキスをした。
「いってらっしゃい・・・イングラム」
「ああ」
身長差のせいで背伸びをして頬にキスをした。
少し驚きながらも、イングラムも頬にキスを返し、家を出た。
ドアを閉める時、ちらっと見えたクォヴレーの表情は少し曇っていた。
「(?何かあったのか?表情が冴えなかったな・・・)」
その答えは、直ぐに知ることとなる。
その日の昼休み、イングラムはいつものごとく、可愛い恋人の手作り弁当を
食べようと、弁当の包みを広げる。
弁当の包みを広げ、弁当箱を開けた時、イングラムは一瞬フリーズした。
クォヴレーは家事を毎日やっているせいもあってか料理は上手である。
毎日の弁当も、それはもう手の込んだものばかりで・・・・
正直毎回楽しみにしているというのがイングラムの本音・・・・。
しかし、今日は・・・
「・・・・・・」
イングラムはしばらく弁当と睨めっこをしていた。
「(・・・・・言葉もないとは・・・このことだな・・・まさに)」
いつもは手の込んだお弁当・・・・
しかし今日のお弁当はシンプルだった。
白いご飯の上に桜デンブで
『すまん』と書かれており、ハートマークまでついていた。
「(クォヴレーが・・・ハートマーク・・・)」
よく見れば手紙も入っていた。
『寝坊した・・・本当にすまない・・・明日は頑張るから
許して欲しい・・・・ごめんなさい』
どうやらクォヴレーは寝坊をして手の込んだお弁当が作れなかったらしい。
「(寝坊か・・・だから今朝さえない顔をしていたうえ、珍しくクォヴレーからキスをしてきたのか・・・・
しかしこの桜デンブでこんな文字を書く時間があったのなら、玉子焼きくらい
焼けたのではないのか?クォヴレー・・・)」
仕方がないのでその弁当を食べたイングラム。
もちろん彼は怒ってなどいない。
クォヴレーの作ってくれたものなら何でも美味しいに決まっている。
そして彼の頭の中はもはや違うことが頭を占めていた。
「(さて・・・この弁当のおかげで今日は楽しい夜になりそうだ・・・
どうやって・・・苛めてやろうかな・・・・)」
そんなことを考えながら、1人ほくそえんでいた。
さてさて、クォヴレーの運命やいかに!?
続く・・・・
有り難うございました。
実はこのお話は裏部屋へと続きます。
ただ今製作中ですが・・・・GW中にはUPできる予定です。
気長にお待ちいただけますと嬉しいです。
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