愛妻弁当
 

〜バカップルな日常2〜


クォヴレーはリビングで数学の宿題をしていた。
自分の部屋で宿題を片付けることもあるが、
彼がいる時はリビングでやることは半ば半強制的となっていた。
なぜなら・・・・



「♪〜」
「・・・・・・・」

数学の問題は残りあと4問ほどであった。
だがクォヴレーの眉間には深いシワができていた。

「・・・ん?クォヴレー」
「・・・なんだ?」
「その方程式、間違っているぞ?」
「え!?」

間違いを指摘され、クォヴレーは問題集に目を落す。

「・・・あ!本当だ」

消しゴムで間違った箇所を消すため、
少しだけ身体を身じろぎさせた。
そうしなければ少しだけ遠くにある消しゴムに届かないからだ。
無事消しゴムを取り、
浮かしていた腰を下ろすとなにやら硬いモノがあたった。

「・・・・????」

クォヴレーは今、イングラムの膝の上に座っている。
これはいつもの『日課』で
イングラムが早番で夕食を一緒にとったあと、
クォヴレーはリビングで宿題を片付ける。
その時の椅子はイングラムの『人間座椅子』である。
最初はイヤだ、と抵抗したが
ベッドの中で『人間座椅子』をしてもいいと、
無理やり承諾させられ現在に至っているのである。

「(??なんだ??この硬いモノは・・・!!ま、まさか・・)」

クォヴレーは当たっているそれがなんなのか直ぐに理解できた。
なぜならいつもいつもコレで泣かされているのだから・・・。
嫌な予感がしながらもクォヴレーは着々と問題を片付けていく。

「・・・あと2問か」

ボソッ・・・と耳元で呟かれクォヴレーは身体を小さく竦ませる。
そして心なしか当たっているソレが
大きくなったような気がするのは気のせいだろうか・・?
クォヴレーの問題を解くスピードが遅くなっていく。

「どうした?・・残りの問題はそんなに難しそうには思えないぞ?」
「・・あ、・・そうか?」
「あぁ・・・早く解いてしまえ」
「・・う、うん」

ドギマギしながら問題を解き始める。
するとイングラムの指がクォヴレーのベルトにかかった。

「!!?」
「・・気にせず続けろ」
「・・で、でも・・」
「まだ何もしない・・まだ、な」
「(まだ、ではなくコレが終わっても何もしないでほしいんだが)」
「・・早く問題を終わらせろ・・俺にも限界があるぞ?」
「・・げ、限界って?」

恐る恐る振り返ると、イングラムは素敵な微笑を向けてくれた。
クォヴレーはただただ引きつった笑顔を返すことしか出来ない。
そして震える手で、問題を解き始める。

「・・・・待たされた分は焦らさないとな」

ボソッ・・・とイングラムが呟く。
恐ろしい言葉にクォヴレーは身体を大きく竦ませ、嫌な汗が流れてくる。



首筋に彼の唇が触れた。




・・・残る問題はあと1つ。
シャツのボタンはもうすでにはだけられていた。

そしてとうとう最後の方程式も解き終わる。
それとほぼ同時にクォヴレーは床に押し倒された。

「イ、イン・・・!?」
「・・・最後の2問・・わざと遅く回答していたな?」
「・・・ご、誤解だ!!」
「・・・焦らせプレイか・・・随分テクを磨いたものだ・・・」
「いや・・だから・・」
「だがまだまだだな・・・俺が本当の焦らせプレイを教えてやろう・・」
「いい!辞退する!」


だが黒く微笑みながらイングラムは耳元で囁いた。


「今夜・・・じっくりとその身体に、な」

蒼白になりながら足をバタつかせるが、
大きな身体に押さえ込まれ虚しい抵抗に終わる。

「イン!・・イング・・・あっ・・・あぁぁっ」
「まだ乳首を弄っただけなのに・・もう甘い声をあげるのか?」
「あっ・・・あぁっ・・・」





次の日、クォヴレーの声は別人のように変わっていて
ベッドから起き上がれなかったそうだ。




こうしてバカップルの日常は過ぎていく・・・。




ありがとうございました。 なんとなく書きたくなったバカップル駄文でした。