*本当にバカップルです・・・いいですね??
〜バカップルな日常4〜
「・・・ふぅ・・・んっ」
クォヴレーの口端から液体が流れ出てきている。
小さな唇は恋人に隙間がないほどに塞がれているが
けれども懸命に舌を動かしてソレを味わっていく。
「・・・・んっ」
ベッドの上で恋人の膝の上に座り、顔だけを彼に向けている。
「・・・ぁ・・っ」
「・・・もっと欲しいか?」
「・・・ん・・・欲しい」
とろぉ〜ん、と熱に潤んだ目で『おかわり』をおねだりする。
すると恋人、イングラムは極上の笑みを浮かべ頭を撫でてくれた。
いつまで経っても子ども扱いされるので、
少しだけ唇を尖らせてみせるが
イングラムに尖らせていた唇を再び塞がれてしまう。
「・・・・ん」
彼の舌の動きにあわせクォヴレーも舌を動かす。
唇で彼の舌を何度も吸い上げソレを味わった。
ソレを味わい終えると、
『ご褒美』とばかりにイングラムに唇を啄ばまれるのである。
「・・・美味しい」
「フフ・・全部食べていい子だったな・・さ、最後はコレだ」
「・・・・いらない」
プイッとそっぽを向きソレを食べることをきっぱりと拒絶する。
しかしイングラムがそんな事を許すはずがない。
腰を逃げられないようしっかりと抱かれ、
顎をとられグイッと上を向かせられた。
「『いらない』ではないだろう?コレが一番肝心なのだから」
「いならい!」
顎をとられ視線をイングラムからそらすことは出来ない。
腰を抱かれているのでイングラムと距離をおくことも適わない。
仕方がないので、唯一自由になる両腕をジタバタさせるが
容赦なくソレを口の中へイングラムは押し込んできた。
「う〜!!」
押し込まれたソレをしかめっ面で吐き出そうとするが、
彼の力の前では無力に等しいクォヴレー。
「う〜!!」
涙を溜めた目で訴えるがとうとうイングラムに
ソレを吐き出すことは許されなかった。
「苦い!!」
プゥッ・・と頬を膨らませて不満を訴えるが
イングラムはシレッとした顔で取り合ってくれない。
そんな彼の態度に納得がいかないクォヴレーは
彼のセミロングの髪の毛を引っ張って訴える。
「痛っ!!こら!」
「苦かったぞ!嘘つき!!」
「・・・仕方ないだろう?本来アレは苦いものなんだ」
「でもお前は『甘い』と言ってオレを騙したんだぞ!?」
「・・・『甘い』のを選んできたんだ・・・
まぁ、お菓子のような甘さは期待できないだろうが・・・
あれでも『苦い』は大分緩和されているんだぞ?」
「絶対に嘘だ!う〜・・・まだ舌に苦味が・・・」
実はクォヴレーは風邪をひいてしまったのである。
その為ただでさえ食が細いというのに
クォヴレーの食事量はスズメの涙ほどで、
薬も苦いからと言って飲まなかった。
これはまずい、とイングラムは口移して食事を食べさせ薬を飲ませ始めるが・・
ブーブーと不満をぶつけてくるクォヴレーのいささか苛立ちを感じたが、
ここは大人にならなければ・・・と堪えるイングラム。
それに誰だって『病気』の時は
心細くて我侭になるものだ、ということも知っているからであろう。
「・・・そんなに苦いのがイヤなら風邪を引かないよう
これからは十分気をつけるんだな」
「オレは毎日手荒いうがいを欠かさない!なのになんでひくんだ??」
「・・・・・・手洗いうがいを、な」
フッと口だけで笑ってクォヴレーの頭をヨシヨシ・・と撫でてあげた。
「子ども扱いするな〜!!!」
「子ども扱いなどしていない・・・
ただ可愛いな、と思ったから撫でただけだ」
「む!可愛くなんかないぞ!?だいたいイングラム!」
「ん?」
「オレが風邪をひいたのは毎日裸で寝ているからだぞ!分っているのか!?」
「・・・・なるほど、確かに毎日裸だな・・・
ここ3日程はお前が風邪を引いたせいで裸ではないが・・?」
「当たり前だろ!具合が悪いオレにたいして
強行突破してきたらそこで引導を渡してやる!」
ベッドの上でヒステリックに叫ぶクォヴレー。
さすがのイングラムもクォヴレーのヒステリーには手を焼くのか
どうやって沈めようかを考えた・・・そして、
「(・・・こういう時はキスで大人しくさせるしかないな)」
「だいたい!お前は毎日毎日発情しすぎなんだ!」
「・・・・(発情?)」
「それから・・・・んぅ!?」
『文句』と『不満』はまだまだ続きそうであったので、
イングラムはその煩い口を塞いだ。
舌を絡ませるとまだ熱が引いていないのでいつもより舌の熱が熱い。
「んっ・・・んぅ・・・ぷはぁ・・・」
「・・・ほら、病気の時は休むのが一番だ・・寝なさい」
「・・・・ん〜・・」
病気の熱とイングラムのテクニックに酔ってしまったクォヴレーは
彼の首にまわした腕を外さずにもう一度『おねだり』をした。
「・・・もう1回・・してくれ」
「・・・ん?なにをだ?」
「・・・キス、もう1回したい・・・して?」
子猫が甘えるようにおねだりをするクォヴレーの頬をそっと撫でながら、
「・・・夕飯時は文句を言わずに薬を飲むならもう1回してやる」
「・・・・・うん」
「明日の朝も、昼も夜も、文句を言わずに飲むか?」
「・・・え?」
「・・・治るまで文句を言わずに薬を飲むこと、ご飯は残さないこと、
この二つが守れるならお前が眠るまでキスしてやる」
「う〜」
「キスが欲しいのではないのか?」
「・・・欲しい・・・う〜・・・わかった・・もう我侭言わない」
「よし、いい子だ・・・ほら横になりなさい」
「キスは?」
「・・・お前が眠るまでしてやる、といっただろ?
横になったらしてやるから」
「・・・本当か?」
「本当だ」
イングラムを信じ、クォヴレーはベッドに横になる。
それと同時に彼の唇に唇を塞がれた。
「・・・んっ」
何度も何度も・・・イングラムはキスをしてくれた・・・
「・・んぅ・・・イン・・・グ・・・これでは・・・眠れない」
「・・・フフフ・・・そうだな・・・ん」
結局唇が腫てしまう程のキスの数でクォヴレーはやっと眠りについた。
眠ったことを確認すると最後に額に唇を寄せイングラムは寝室を後にした。
「お休み、クォヴレー」
こうしてバカップルの風邪をひいた日の日常は過ぎていく・・・
ありがとうございました。
冬=風邪・・・ということで作ってみたバカップル駄文でした。
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