まねまねまね
 


*パラレル*
*ちょっと裏要素あり*











〜模写?〜



食堂で昼食を摂っていると、
部下であり恋人であるクォヴレー・ゴードンが、
トコトコとやってきた。
そしてジー・・・と見つめた後、またトコトコと去っていってしまう。

「(・・・またか)」

イングラムは小さくため息をつきつつ食事を勧めていると、
トレイを手にしたクォヴレーが前の席に腰を下ろした。
クォヴレーの食事はイングラムと同じCランチであった。

「頂きます」

そう言うと、クォヴレーは手始めにレモンを絞りから揚げにかけた。
そしてそれを口に運び黙々と食事が開始される。


イングラムとクォヴレー、
お互い無口な性分であるのか、
食事の時は必要な時以外こうして黙々と食べ続けるのが常である。
別にそのことが嫌なわけではないので気にならないが、
どうしても最近のクォヴレーの行動で気になることがあるので、
珍しくイングラムは食事中に会話を始めるのだった。

「クォヴレー」
「・・・・?」

小ぶりの口に欲張って沢山頬張ってしまったのか、
口をモゴモゴさせながらクォヴレーは首を傾げて応えてきた。

「・・・(う・・・可愛い・・・!?違う!!そうではない!)」

本人は無意識でやっていて気がついていないのであろうが、
イングラムは多々、天然な可愛らしい行動にらしくもなく同様させられてしまう。
そのことが癪に障っているのだがどうしようもなく、
モヤモヤしたまま日々を過ごしていた。

「イングラム?」

話しかけておいて黙ってしまったイングラムを更に首を傾げて見つめる。
もちろんイングラムの鼓動がドクンッとなったのは言うまでもない。

「(・・・小悪魔め)・・・ごほん!・・クォヴレー」
「・・・ああ?」
「最近気になることがあるのだが、聞いてもいいだろうか?」
「??」

気になることとは一体なんだろう?と、
クォヴレーは箸を休めてイングラムを見つめなおした。 
真っ直ぐな瞳に今一度咳払いをし、イングラムは話し始める。

「・・・最近、何故俺と同じものを食べるんだ?」
「・・・!?」

途端クォヴレーの顔が真っ赤に染まってしまった。

「??クォヴレー?」

あー、うー、と口を動かし、目は宙を彷徨っている。
そして涙目でイングラムを見つめ、
まだ食事途中だというのに席を立ち食堂を立ち去ってしまうのだった。

「??」

当然のことながら、わけが分からずポカンとしながら、
イングラムはクォヴレーを見送ってしまうのだった。
けれど直ぐに黒い笑みを浮かべると悠然と席を立ち上がる。

「(バカだな・・・。アレでは隠し事があります、と言っているようなものだ)」

どう料理しよう?と心持ち『♪』な足取りでイングラムは食堂を後にした。

















自室のベッドの上で膝を抱えていると案の定、扉は開いた。
そこにはニッコリ微笑んではいるものの、
悪魔的微笑を浮かべたイングラムが立っている。
イングラムが一歩進むごとにベッドの奥へ逃げを打つ。
けれど小さなベッドでは逃げる場所も限られていて、
細い手首を掴まれクォヴレーはあっけなく捕まるのだった。

「は、離・・・っ」
「フフ・・・」

イングラムは腰を抱えるとそのまま力任せに自分の膝の上にクォヴレーを乗せた。
そして背後から耳に吐息を吹きかける。

「・・・・ぁっ」

温かく湿った何かが耳たぶに感じられクォヴレーはゾクゾク背を撓らせる。
イングラムは耳を舐めつつ、低いボイスで話しかけた。

「クォヴレー・・・、俺の質問に答えず逃げるとはいい度胸だ。」
「・・っ、・・・ぁ・・・イングラ・・・っ」
「普段は冷徹冷酷な俺だが、お前には多少寛大だ。」
「・・・くっ・・・」

足をバタつかせクォヴレーはもがくが、逃げられない。
腕の太さもウエイトも違うのだから当然だろう。
ならば、と、耳を舐められているのでせめて、と、
クォヴレーは声を押さえることにした。
けれどそんな考えなどお見通しのイングラムは、
腰を抱えていない手でスルリと太ももをなで上げた。

「!!?」

大きな手はゆっくりとクォヴレーの中心へ上がってくる。
そして白い制服のズボンのファスナーにたどり着くと、

「身体に聞こうか?」

と脅迫してくるのだった。
クォヴレーは息を呑む。
『身体に聞く』ということは、中心を散々嬲られるのだろう。
けれどその根元は縛められ言うまで開放を許さないはずだ。
何度か味わっている快楽の苦しみを思い出し、
クォヴレーは青い顔で頭を横に振る。

「ならば言うか?」

クォヴレーはまた頭を左右に振る。
すると『我がままだな』と楽しげなイングラムの声が聞こえてきた。
クスッという笑い声の後、
イングラムの手が何故かファスナーから謎か遠ざかっていく。
手が離れたことにとりあえず安堵のクォヴレー、
けれど直ぐに悲鳴をあげる羽目になってしまった。

「ひっ・・・!」

ベッドに四つん這いにされたかと思うと、
イングラムはズボンの上からクォヴレーの双丘の窄まりに舌を這わせてきたのだ。

「イングラッ・・??」
「望み通り、身体に聞くことにしよう」
「なっ・・?・・・あっ・・・くぅ・・・」

その愛撫は巧みだった。
布越しとはいえ唾液で湿っていく布越しにイングラムの熱を直に感じるのだから。
クォヴレーは段々と前が熱くなっていくのを感じながら、
シーツを握り締めてそれを耐えしのいだ。
だがイングラムの一言で衝撃を受けてしまう。

「・・・クォヴレー・・・?前も湿ってきているようだな?」
「・・・え?」

頬を桜色に染めつつ、クォヴレーは四つん這いのまま自分の下肢を見下ろしてみる。

「!?」

そこはこんもりと盛り上がり、確かに白い布にシミのようなものが出来始めていた。

「恥ずかしいな・・?布越しにココを舐めているだけで勃てているわけか?」
「・・・、ぅ・・・・うぅ・・・・」
「触って欲しいんじゃないのか、ソコ。
 ・・・・素直に逃げた理由を吐くのなら口で蕩けさせてやるぞ?」
「・・・く・・・だ、れが・・・!」

実のところ、クォヴレーはこの余裕めいたイングラムの態度が気に喰わない。
大人なのだから子供であるクォヴレーに対して大人ぶってもおかしくはないのだが、
クォヴレーは彼にだけは子ども扱いされることなく対等でいたかった。
その為の第一歩が彼と同じ食事を食べることなのだ。

「強情だな・・・フフ」

その時、イングラムが背後から覆いかぶさり執拗に耳を舐め始めてきた。

「ひぃ!!・・あっ・・・いや、だ・・!!あぁぁぁぁ!!」

意地悪な舐め方にクォヴレーは背を撓らせ前を爆ぜてしまっていた。
シミは徐々に大きく広がり、クスクス笑うイングラムにクォヴレーは青ざめる。

「こ、こんな・・・うぅ・・・・」

ツゥ・・・と涙が頬を伝う。
イングラムはクォヴレーを抱き起こすと、
今度は向かい合うように膝の上に乗せギュウッと抱きしめた。
子供をなだめるように背を撫で、額に優しくキスをする。

「少し苛めすぎたな。だがお前が強情なのも悪いんだぞ?」
「・・・うぅ・・・・く・・・・」

余程恥ずかしかったのか、無断は大人っぽいクォヴレーが子供のように泣きじゃくる。
イングラムの前でだけ見せるクォヴレーのもう一つの姿。
満足げに笑みを浮かべてクォヴレーの顎に手を添えると、
優しい口付けを施した。

「・・・ん・・・・ふ・・・イングラム・・・」
「・・・それで強情なクォヴレーは少しは素直になったか?」
「・・・・・」

クォヴレーは涙を浮かべた目でイングラムを見つめ、小さく頷いた。
どう足掻いてもイングラムには勝てない。
これ以上無体な辱めは受けたくないし、また耐えられないだろう。
クォヴレーは諦めたように口を開くのだった。

「イングラムと同じものを食べれば大きくなれるだろ?」
「・・・・大きく??」

何がだろう?と目を瞬かせる。
クォヴレーはイングラムの腕を取り、その横に自分の腕を並べた。

「・・・太さが全然違う」

イングラムも色が白い部類だが、クォヴレーはそれ以上に白かった。
腕も同年代の子供に比べれば細いし、一見儚げに見られてしまう。
実際には戦闘訓練を受けているので腕っ節はなかなかのものなのだが・・・。

「・・・イングラムと同じものを食べればイングラムのように大きくなれる筈なんだ」

それは願いを込めたクォヴレーの言葉だった。
ムゥ・・・と口をへの字にしているクォヴレーは歳相応に見え、微笑を誘う。
気にすることはない、と何度言っても本人は気にしてしまうのだろう。

・・・そう、クォヴレーはイングラムのコピーであるのに、
細く小さめなことを気にしているのだ。
だから本来はあまり食べないにもかかわらず、
最近は無理をして食べるようにしてもいた。
イングラムは無理はするなと意見はするが止めようとはしなかった。

「(だがそれがアダになったか・・・)」

ここまでくると本当ははっきり言ってしまったほうが良い様な気もしてきた。
バルマーの技術で生まれてきた人造人間は、
造られた時にある程度螺旋が決まっているということを。

「(残念だがクォヴレーはいくら食べてもこれ以上は成長しない)」

潜入操作には子供も必要だ。
そのために造られたであろうクォヴレーが、
成長できるように造られたとは思わない。
クォヴレーのDNAの螺旋は、
これ以上成長しないように捻じ曲げられているはずだ。

「・・・・イングラム、不愉快な思いをさせてすまなかった」
「・・・・ん?」

告白ののち、黙ってしまったイングラムに、
クォヴレーは申し訳なさそうに謝ってきた。

「真似されるのは気分がよくないよな・・・?
 オレは知らず知らずお前を気持ち悪がらせていたんだろう?
 毎日同じものを真似して食べていたから・・・・・」

不安げに揺れるクォヴレーの瞳に、イングラムの心臓が高鳴った。

「・・・(やはり小悪魔だな)・・いや、そうではない」
「・・・・?」
「お前に何と言おうか考えていただけだ。
 気持ち悪いとは微塵も思っていないから安心しろ」
「本当か?」
「ああ」

良かった、とクォヴレーは大きく息をついた。
そして常日頃から不思議に思っていたことを口にする。

「だが、おかしいんだ」
「何がだ?」
「・・・オレはいくら食べてもまったく成長しない。
 アラドは着実に伸びてきているのに・・・・どうしてなんだろう?」
「(・・・捻じ曲げられているからな、当然だろう。
 言えば頭の良い子だ、渋々納得するだろうが・・・・)」

だがその時、イングラムの頭には黒い考えが浮かんでいるのだった。
もう少しその事実を黙っていて楽しめないだろうか?と。
クォヴレーのことを愛しているだけに、イングラムはたまに酷く鬼畜になってしまう。
おそらくそれがイングラムに設定されているDNAの歪みなのかも知れないが。



・・・・・イングラムの捻じ曲がった部分がクスリと微笑んだ。



「・・・クォヴレーは運動が足りないのかもな」
「運動?」

目を見開くクォヴレーにイングラムのねじ曲がりが更に微笑を浮かべる。

「アラドはゼオラに追い掛け回されて十分な運動をしているだろ?」
「・・・確かに」

クォヴレーは納得したように何度も頷く。

「だからクォヴレーに足りないのはおそらく運動だ。
 それもアラドのようにアドレナリンが分泌する運動が足りないのだろう」
「アドレナリン??」
「・・・怒られ、追いかけられる恐怖は大分泌だろうからな」
「・・・へー・・?」

そんなものだろうか?とクォヴレーは目をパチパチさせた。

「・・・だが心配ない。
 クォヴレーのアドレナリン分泌の運動は俺が手伝ってやろう・・今から」
「・・・ああ、ありがとう・・・。ん?今・・・うわぁぁぁ!!」

途端、仰向けに押し倒されたクォヴレーは、
手際の良いイングラムにポイポイ服を剥ぎ取られていく。

「ちょっと待て!!!」
「なぜ待つ必要がある?・・・コレはアドレナリン大量分泌だぞ?」
「そんなバカな!!寧ろ眠くなる・・・わ、わわわっ」
「眠くなるのは終わった後だろ?最中は大量分泌だ」
「だからって・・・・!!あ、・・・あぁっ・・・」
「クォヴレー・・・・」









・・・その日、二人が寝室を出ることはなかったという。
今が休戦中だということが幸いした、と、
次の日ヴィレッタが呆れたように言っていたのを、
クォヴレーはベッドの中で丸くなりながら聞いていた。



有り難うございました。 NDNのゆがみは私の勝手な妄想です。 クォヴレー君がその事実を知ることがあるのかは・・・後日談で(笑) しかしながら後日談があるのかは、まだわかりません。