〜策士の野望??〜
およそ3時間ぶりにトイレの外へと出た。
冷や汗を流しながら部屋の奥へ視線を送ると、
イングラムが大きな執務机を背もたれに
腕を組み、笑って立っている。
その顔を見た瞬間ゾッとせずにはいられないクォヴレー。
確かにイングラムは自分の要望どおり
トイレからかけ離れた位置にいる。
そして部屋の出口はイングラムがいる位置よりも、
クォヴレーが今いる位置のほうが近いので逃げ切れるだろう。
・・・ただし、ドアの鍵が開いていればの話だ。
「(・・・あの男は内側から鍵をかけた、
みたいな事を言っていた。
ということは内側から解除するボタンか何かが
この部屋のどこかにあるはずだ)」
自分がロック解除の方法を探していることを気取られないように、
目だけで部屋中を見渡す。
だが目だけでは限界がある。
なによりこの部屋は広すぎるのだ。
焦りながらもクォヴレーは目をキョロキョロさせ懸命に探した、が・・・
「・・・そんなに目をキョロつかせて・・・、
何をお探しだ??」
「!?」
クスッと笑う低い男の声にクォヴレーは無意識に竦みあがってしまう。
嫌な汗をかきながら、声の主・イングラムに視線を持っていく・・・。
彼は・・・イングラムは綺麗に、
そして残酷に微笑んでいる・・・ようにクォヴレーには思えた。
「(完全に勝者の目だ・・・。嫌な男だな・・・!)」
グッと拳を握り締め、イングラムを睨む。
目線を逸らしては『負け』を認めるようで悔しかったのだ。
「・・・ロック解除のボタンでも探しているのか?」
「・・・・・」
クォヴレーは答えなかった。
だが全てお見通しだとでも言うのか、
イングラムは目を伏せ口端を歪めて教えてくれた。
「解除ボタンは俺の執務机の上にある」
「・・・・!」
「だが・・・俺は解除ボタンを押す気はない・・・」
「!」
クォヴレーは唇を噛みしめた。
イングラムという男はなんと冷静で、それでいてずる賢いのだろう。
常に常に先を見越して行動している、そんな風に思わざるを得ない。
トイレから離れてほしい、とお願いした時、
あっさりと身を引いたのは既に次の作戦を立てていたからなのだろう。
「(つまりロック解除したければ近づくしかないということか・・?)」
「・・・あと5分で5時だ」
「・・・・は?」
「通常、秘書の拘束時間は5時まで」
「・・・!(ということは後5分我慢すれば・・・!?)」
「だが定時であがれることはまずないと心得ておくことだ」
「!?」
「フフフ・・・早速定時にはあがれなさそうだな?」
「・・・・っ」
ニッコリ微笑むイングラムに憤りを感じるクォヴレー。
どう足掻いてもイングラムに近づくしか道は残されていないようだ。
「クォヴレー、俺の傍まで来てロックを解除しなければ
お前はこの部屋から出られない。」
「・・・そのようですね・・・
でもそうしたら少佐もお困りになるのでは?」
「・・・俺が?・・フ・・フフフフ・・」
さも面白そうに笑うイングラムに、クォヴレーはカッとなる。
これまでの彼の態度や仕打ちに我慢はすでに頂点に達しているのだ。
「何が可笑しいのです!?」
「最近の俺は専らこの部屋で事務処理が多い。
仕事は端末を通して電送されてくるから仕事には困らない。
おまけに備え付けの冷蔵庫には、
いざという時のために1週間分の食料が貯蓄してある」
「・・・・!」
哀れむように首をかしげてクォヴレーを見るイングラム。
そして死刑宣告のようにその言葉を言ってのけた。
「残念だが、俺はこの部屋から出られなくとも少しも困らない」
「くっ」
「しかしだ・・・こうしてお前と睨めっこしているのも楽しいが・・・
触れ合えないのは詰まらんな・・・・、それにお前だって
何時までもそこに立っているだけではこの部屋から出られない」
「・・・・(言われずともわかっている!)」
「そこでだ、クォヴレー」
「・・・なんです?」
「お互いのために、一歩ずつ歩み寄らないか?」
「・・・・は?」
「俺とお前、交互にクイズを出し合う」
「・・・クイズ??」
何の前触れもなく『ソレ』を言い出したイングラムに、
目が点になってしまい、言葉を発することが出来なかった。
だがそんなことはお構いなしにイングラムは
『ゲーム』の説明を続けていった。
要約すればこうである。
互いに一問ずつ何でもいいからクイズを出し合う。
正解すれば一歩進み、間違えれば服を一枚脱いでいく・・・。
最終的にクォヴレーが執務机にたどり着き、
ロックを解除出来れば今日は帰って良いという・・・。
「・・・服、ですか??」
「服だ」
「何故服なのです??」
「俺が勝ったときにわかる」
「・・????」
「で、どうする?やるのか、やらないのか?」
余裕の笑みで自分を見据えてくる男に
本当に腹の虫が収まらなくなってきたクォヴレー。
だがクォヴレーは今、蟻地獄に嵌った『蟻』だ。
彼の提案に頷かなければ、蟻地獄から抜け出すことすら出来ない。
「お前は卑怯だ!結局そのゲームをやるしかオレに道はないじゃないか!」
「何とでも言うがいい・・・、俺は欲しい物は必ず手に入れる主義だ。
それが例えどんな卑怯な手段であっても、な。」
「・・・・くっ」
「・・・異存がないのであれば早速はじめようか?」
「・・・・・異存はある!」
「・・・ほぉ?」
「このゲームは生きている年数の分、お前が有利だ!」
「そんなことはない・・・、
出題のジャンルは自由でかまわないのだから。
そうだな・・・俺は最近の若者のふファッション事情など知らないぞ?
ならお前はそういうところからクイズを出せばいい」
「・・・・(オレだってファッションには自慢ではないが疎い!)」
「・・・他には?」
もう意義は認めないという視線でクォヴレーは射抜かれた。
その目に身体は小さく怯え震え、
「・・・ありま・・・せん」
と、言うしかなかったのであった。
何故かあの目には逆らえない・・・
クォヴレーはこの数時間でそう感じていた。
そしてイングラムは満足そうな顔で頷き、ゲームを開始した。
「宜しい・・・では始めようか?」
「・・・・・・」
結局口でもイングラムには勝てない、と思い知らされるクォヴレー。
黒く微笑むイングラムを睨みながらも無言で頷くことで、
ゲームを開始ししても『いい』という意思表示を表した。
時計は7時を周ろうとしていた。
イングラムはジャケットを脱いだ程度で素肌を晒してはいない。
一方クォヴレーは既に下着一枚しか纏ってはいなかった。
すでにイングラムとクォヴレーの距離はわずか1メートルほどである。
5分ほど前に出されたイングラムの問題の答えがわからず、
クォヴレーは青くなっていた。
この問題に答えられなければ、
クォヴレーはスッポンポンになってしまうからだ。
頭上からクスッ・・・と笑う声と同時に、最終宣告を受ける。
「そろそろ5分経つぞ・・・?いい加減『わからない』と言ってはどうだ?」
「・・・・・・っ」
「まぁ、『わからない』といいたくない事情はわかるがな?」
「・・・・・・っ」
ククククク・・・と低く笑うイングラムを前になす術もないクォヴレー。
身体を小刻みに震えさせ、涙が出そうになるのを堪えるのが精一杯であった。
「で?答えはわかったのか?」
「・・・・・・・」
俯きながら、プルプルと頭を左右に振ることで『わからない』を認める。
イングラムの笑う声が耳の遠くから聞こえてきた気がした。
「フフフフ・・・では最後の一枚、脱いでもらおうか?」
「・・・・・・っ」
無常な宣告に身体は震え上がるが、
冷徹な声は淡々と言葉を続けていく・・・。
「これでゲームアウト、だ。」
「・・・・・っ」
どこにも逃げ場はない・・・。
ゲームに負けてしまえばなお更だ・・・。
蟻地獄から這い上がれない・・・。
目には沢山の涙が零れんばかりに溢れていた。
クォヴレーは覚悟を決め、下着の両端を掴む。
けれどもどうしても下に下げることは出来ない。
それはそうだろう。
昨日・今日、知り合ったばかりの男に、
どうして生まれたままの姿を晒さなければならないのだろうか?
どうして自分はこうも理不尽な扱いを受けなければならないのだろうか?
全ての『理不尽』に耐え切れず、
クォヴレーはこれまで堪えていた涙が息に瞳から溢れ出してきてしまった。
「・・・うっ・・・う・・・く・・・」
・・・・人前で涙を晒すのはこの時が初めてだった・・・。
クォヴレーは母親が死んだときでさえ、
人前で涙は見せなかったのだ。
「・・・・無理・・だ・・・脱げない・・・これ以上は・・・」
「・・・・約束を破ると?」
いつの間に傍に寄ってきたのか、
冷えた声は頭の真上から聞こえてきた。
クォヴレーは目から涙を溢れさせて、
頭上の声に縋るようにお願いをする。
「いけないことだと・・・わかっている・・・、だが・・・!?」
その時、強い力でイングラムに抱き寄せられたかと思うと、
顎に手をかけられて強い力で上を向かせられた。
イングラムの目は何故か穏やかのものだった・・・。
「?????」
「・・・ああ、泣き顔は反則だな。
男は涙に弱い・・・・仕方がない」
やや困ったように笑うイングラムに、
クォヴレーは本当に混乱し始めていた。
抱きしめられる力が増していく。
「生まれたままの姿を見たかったが、それはまた今度に取っておこう。
とりあえず・・・今日のところは・・・・」
「・・・え?・・・ふ・・・んぐ???」
唇を捕らわれたかと思うと、
強引に熱い何かが口内に侵入してきた。
「ふ???ふ・・・んーーー???(キ、キス???)」
ピチャピチャと濡れた音が、
クォヴレーの呻き声とともに広い室内に木霊する。
「(キス???キスって唇をくっつけあうだけじゃないのか???
な、なんか・・・この男の・・・舌??が・・・蠢いて・・・)」
頭を振るが、しっかり固定されているの為か唇を犯してくる唇から逃げられない。
「ふ・・・っ・・・う・・・うーー!!」
仕方がないので胸に手を当て押し戻そうとしたが、
鍛えられた身体を押し返すことは出来ないようだ。
だが抵抗されるのも煩わしいのか、
抵抗するとより強く抱きしめられ、
指の先すら動かすことは困難になっていくクォヴレーの身体。
「(・・・なんて力だ・・・!これが・・大人の男の・・力??に、逃げられない)」
それでも逃げようと懸命に身体をよじっていたら、
背骨に中指らしきものを押し当てられ、
つぅーーー・・・とライン沿いになぞり始めたのだ。
クォヴレーはたまらず背中を撓らせ喘ぎを上げた。
「・・・ふ・・・ん・・・ん、ふぅーーーー!!」
背中を触られただけだというのに全身がゾクゾクしてしまい、
クォヴレーは自らイングラムにしがみ付いた。
足に力が入らなくなってきており、
支えがないと立つ事さえ困難な身体になってしまったからだ。
やがてイングラムの唇がゆっくりと離れた。
口端から唾液を垂らしているクォヴレーを見ると、
クスッと笑って垂れた唾液を舌ですくって舐めたのである。
「!?・・・・なっ」
「この程度のキスと愛撫で足腰立たなくなるとは・・・、
可愛らしいな」
「・・・うっ」
「・・・もっと激しいキスをしたら・・・
どうなるんだろうな?」
クォヴレーは驚いた。
目の前の男にキスされているだけでもいっぱいいっぱいなのに、
さらに激しいキスとか言い出だしたからだ。
「(い、今以上に激しいキスがあるのか???
いやそれよりさっきから腹の辺りに何か硬いものが・・・???)」
「・・・・折角だ、試してみることにしよう」
「・・・え?・・・あっ・・・んーーー」
より一層強く抱きしめられると同時に、
先ほどよりも強引に舌が口内に侵入してきた。
荒々しく口の中を蠢きまわり、
口の中の全てが痺れ神経を失っていくほどの激しさだった。
「ふぅ・・・うーー(く・・苦しい・・・、息が・・・、
それに当っている何かが大きくなった気が??)」
腹に感じる硬いモノは
クォヴレーが身をよじると更に硬さと大きさを増していった。
だがクォヴレーは今、
当っている硬いモノを気にしている場合ではなかったのである。
「んーーー(息が・・・出来ない・・・くるし・・い
・・・も・・駄目・・だ)
んーー・・ん・・・ん・・・っ・・・ぅ・・」
キスをしながらクォヴレーの反応を楽しんでいたイングラムだが、
ようやく異変に気がついた。
抱きしめているクォヴレーから身体の力が抜けていくのがわかったからだ。
「・・・・?クォヴレー?」
「・・・・・・・」
キスをやめ、話しかけても返事は返ってこない。
腕の中のクォヴレーはグッタリしていて、息も苦しそうだ
慌ててソファーへ運び、ジャケットを身体に羽織らせると
緊急ボタンを押し、医師を呼んだのである。
額になにか冷たい感触を感じクォヴレーは目を開けた。
「・・・・・ん?」
「・・・あぁ・・・目を覚ましたか?1時間くらい寝ていたぞ?」
ゆっくりと目を開ければ、ドアップでイングラムの顔が映ってきたので、
思わず身を硬直させるクォヴレー。
そんな様子がおかしいのか、額に当てていた手をどかしながら、
「安心しろ、今は何もしない」
「・・・え?(あ、あの冷たいのは少佐の手だったのか・・)」
「流石に倒れた相手に身体を求めるほど俺は鬼畜ではない」
「・・・倒れた???」
どうやらクォヴレーは気を失ったことを覚えていないようだ。
心底呆れたようなため息をつきながら、イングラムは病名を教えてくれた。
「病名は『酸欠』だ」
「・・・え?酸・・・欠?」
「・・・これからはキスのときは息をするように」
「・・・キス・・・?息・・・あ!」
青ざめていた頬にパッと赤みがさした。
どうやらゲームをしたことや自分の醜態、その他諸々を思い出したようだ。
「(そ、そうだ!オレ!!あれ??でも服着てる???)」
「風邪をひかれても困るし、服は着せた。
言っただろう?今は何もしないと」
「(・・・今・・・『は』?)」
一体どういう意味だ?と考えていた時、
妙な違和感に気がついた。
今、自分が座っているのはソファーにしては
ゴツゴツしているように思えたのだ。
クォヴレーは恐る恐る自分が『椅子』にしているものに目をやった。
「!!う・・・わぁぁぁぁーーー!!」
飛び上がって逃げようとしたが、腰を抱かれているので適わなかった。
そう、クォヴレーはイングラムを座椅子に眠っていたらしいのだ。
「は・・・離・・・離して・・・ください!!」
だがイングラムの力は弱まらない。
暴れるクォヴレーの腰をしっかりと抱きしめ、耳元で囁いた。
「・・・暴れるんじゃない・・・、
これ以上暴れると・・・襲うぞ?」
「!?(襲うってなんだ???)」
『襲う』の意味が理解できなかったが、
只ならぬ雰囲気を感じ暴れるのをとりあえず止めた。
「いい子だな・・・、そうだ、クォヴレー」
「・・・な、なんです???」
「お前、どうして息をしなかったんだ?
息をしなければ酸欠になるのは当たり前だ」
「・・・・何を言っているんです???
口を塞がれていては息が出来ないでしょう!?」
クォヴレーは真面目にそう答えた。
そう、あんなに激しく口を塞がれていては息など出来ない!
と訴えたのだ。
だがイングラムは今までで一番呆れたような顔で、
「・・・・口で出来ないのなら鼻ですればいいだろう?」
「・・・・・え?」
「キスのときは鼻で息をするものだ、
あとは唇が離れる瞬間を狙って吸い込むとかな」
「え・・・・?」
これまでキスというものをしたことのなかったクォヴレーにとって、
イングラムの言葉は未知の言葉であった。
「え・・・?だって・・・オレ・・・その・・・」
「・・・ふぅ・・・まぁいい・・・おいおい教えてやる」
「え?・・・あ!」
首筋に生暖かい何かが触れ、チュッと音を立てながら吸い上げた。
そしてクォヴレーに聞こえるか、聞こえないかの声量で、
「・・・・本当は見守っているだけの予定だったんだがな・・・遺言どおり」
「・・・・??少佐???」
「・・・お前は・・・俺の、だ」
「・・・・え?何です??・・・わぁぁぁ!!」
何を言っているのか聞こえず、イングラムに聞き返そうとしたとき、
お姫様抱っこでクォヴレーは抱き上げられた。
「ちょ・・・っと!おろせ!!」
「下ろさない、このまま車まで運んでやろう」
「!!結構です!一人で帰れますので!」
「・・・・だがお前は俺の家を知らないだろう?
どうやって帰ってくる気だ??」
「・・・・は?」
話が見えず、間抜けな声を出してしまう。
不思議なものでも見るかのようにイングラムを見つめていれば、
「お前の住んでいたアパート・・・・
即ち寮は今日限りで引き払っておいた」
「!?」
男の信じがたい台詞に口をパクパクさせるが、声が出てこなかった。
「すでに次の学生の入寮が決まっているので、あの部屋には帰れないぞ?
ああ、荷物は既に運んであるから大丈夫だ。」
「・・・・・な、なななな・・・」
「それから洋服は薄汚くて安そうなものしかなかったそうだから
処分させてもらった。代わりの服はもう用意してあるから安心しろ」
「!!捨て・・・!?」
「机も新しくしておいた、あとは・・・」
「ちょ・・ちょっと!お前っ!何勝手に・・・!」
「・・・・」
「だいたい!今日引き払ったってどういうことだ???」
「お前は俺の秘書になるのだから
当然俺と一緒に住むべきだ、と思った。
だがら昨日のうちに理事に話をつけておいたまでだが?」
「!?オ、オレが断るとは考えなかったのか???」
「・・・・断る???」
目をパチクリさせてクォヴレーの顔を覗き込んできた。
その顔は『断るなどありえない』と言っているようで、
クォヴレーは腹が立った。
「そうだ!ありえる話だろ!おおいに!」
「・・・まぁ、そうだな・・・
そしたら困ったことになっていたんじゃないか?」
「・・・・困る??」
「ああ・・・住むところがなくて、お前がな」
「!?」
フフン、勝者の笑みを浮かべるイングラムに本当に腹が立ったクォヴレー。
自分は昨日出会ってしまったあの時からすでに、
イングラム・プリスケンという蟻地獄に
捕まってしまっていたのだ、と思わざるを得なかった。
余裕の表情でクォヴレーをお姫様抱っこして駐車場へ歩いていくイングラム。
その端整な横顔を見ながら、クォヴレーは冷や汗を流し続けた。
「(・・・この男!とんでもない策士だ!
閻魔の落し子に違いない!!
オレはそのうちにコイツに舌を引っこ抜かれるんだーー)」
助手席に座らされた時、逃げようかとも思ったが
不意に見た彼の顔が冷酷に微笑んでいたので、
クォヴレーは逃げるのを止めた。
だがクォヴレーは逃げればよかった、と後悔せずにはいられなかった。
なぜならこのあと二人は夜のドライブを2時間ほど楽しんだからだ。
ちなみにイングラムの家までは
車で10分程度の距離であるということを補足しておこう。
有り難うございました。
次は車での二人のやり取りです。
この話はヴレ←イングですので・・・。
・・・・1ヶ月後くらいにはUPしますね(汗)
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