これがホントのバカップル?
 


唇を離せば・・・お前は息も絶え絶えに・・・
真っ赤な顔で自分を見上げてくる。
一線をこえて・・・一体どれ位の月日が経っただろうか?
でもお前はは今だにキス一つで真っ赤な顔をする・・・。
そんなお前を見るたび・・・俺は・・・・。



お前と・・身体を初めて重ねてから・・・
どれくらいの月日が経ったのか・・・
オレは今だにキス一つで顔が赤くなってしまう・・・
そんなオレを、お前は苦笑しながら見下ろしてくる。
そんなお前を見るたびに・・・オレは・・・。





〜恋してる?〜





場所は、精神世界・・・いつも2人が会う場所・・・


いつものごとくクォヴレーを抱きしめながらキスを仕掛けるイングラム。
そんな彼がこのまま身体を重ねる為、
次の行動に移ろうとした瞬間クォヴレーは突然にその言葉を言った。


「どうやらオレはイングラムに恋をしているようだ」

「・・・・・」


本当に突然に言ってきたのでどう答えればよいものか、
とイングラムは何も言うことが出来ないでいた。

「イングラムは?」
「ん?」
「・・・イングラムはオレが好きか?」
「・・・・」
「オレに恋をしているか?」
「・・・・」
「イングラム?」



何も言わないイングラムに怪訝そうな顔でクォヴレーはさらに彼に言い寄る。

「何故・・何も答えないんだ?」
「・・・・」

何も答えないイングラムを不振に感じながらも彼の真意を聞き出すため
ある程度の沈黙後、見切りをつけさらに話を続けていく。


「ラー・カイラムの通路を歩いている時、偶然ある雑誌を見つけたんだ」
「雑誌?」
「『恋』について特集されている雑誌だった・・・」
「(なるほどな。それで突然そんな事を言い出したのか・・・)」

「そこにはこんなことが書かれていた・・・
 『あなたはベッドインする前もベッドインした後も彼に好きだと言われましたか?
 言われていないとすると彼はあなたを遊び程度にしか思っていないのかもしれません』と」
「・・・で?」
「それを読んでオレはフッと思ったんだ・・・そういえばオレは今まで一度もイングラムに
 『好きだ』と言われていないと・・・オレは、毎回言わされているのに・・・」
「・・・そうだったか?(言ったことなかっただろうか?)」
「そうだ!!だからイングラム!きちんと答えて欲しい!お前は・・・
 オレが好きか?オレに・・・恋をしているのか??」
「・・・俺は・・・」


そこまで言いかかるとイングラムは何かを考え込んだ。
この場できちんと伝えておくべきなのかもしれない・・・・
自分が、クォヴレーをどう思っているのかを・・・・。



「イングラム?」
「クォヴレー・・・俺はお前に恋はしていない・・・」
「!!!」
「俺は、お前を好きではない・・・好きなのではなく・・あ・・」



「!!!やっぱり!!オレの身体だけが目的だったんだな!!」

「は!?(いきなり何を言い出すんだ?)」


「あの雑誌の続きにこう書いてあったんだ!!
 『好きといってくれないそんな彼はズバリあなたの身体だけが目的でしょう』と!!」

「・・・・(余計なことを書いてくれたものだ・・・
 それにしてもずいぶんと熱心に読んだんだなクォヴレー)」
「何故さっきから何も言わない?・・・
 何も言わないと言うことは肯定ととっていいんだな!?
 お前はオレの身体が目的だったんだな!!」

「・・・クォヴレー・・少し落ち着け・・」

興奮状態にあるクォヴレーを落ち着けるため抱きしめようとしたが、払いのけられてしまった。
どうやら自分は言葉を間違えたらしい。
あんな遠まわしな言い方ではなく直球に言わなくてはならなかった。
彼は・・・とてつもなくニブチンだったのだから・・・。

「(クォヴレーはこういうことに鈍いのだったな・・・
 忘れていた・・しかし困ったぞ・・・どう諌めめようか?
 こう興奮状態ではな・・・言いたいことも言えん)」


「バカバカ!!この変態ショタコン!!」
「(ショタコン!?何処で覚えたんだそんな言葉)・・・
 クォヴレー、落ち着け。落ち着くときは落ち着くんだ・・・」

「何わけの分らない事を言っている?
 そんな言葉でだまされるオレではない!! この鬼畜色魔!!!」
「(色魔!?だと?・・・だからどこでそんな言葉を・・・
 いや今はそんな事よりも黙らすのが先決か・・・)」


なおもクォヴレーはギャンギャンと暴言を吐き散らしている。
例えるならば縄張りに不法侵入され毛の逆立った猫・・・
このままでは本当に話が出来ない・・・
とにかく黙らせなければ・・・
煩い口は塞ぐに限る・・・
イングラムは力の限りでクォヴレーを引き寄せ、唇を唇で強引に塞いだ。

「はむぅ・・・んんん!!」


舌をあま噛みされ、吸われ絡ませられる・・・。
そんな事をされては経験値の低いクォヴレーはあっという間に堕ちてしまう。
いつもいつもイングラムの巧みなキスで参ってしまい
そのままずるずると彼に抱かれてしまう。
しかし今回ばかりは堕ちるわけにはいかない。
クォヴレーは遠くなりかける意識を懸命にふりしぼり絡んでくる舌を・・・



がりっ


「・・・っつ・・・」
「ぷはっ・・・はぁ・・はぁ・・」

「(・・・忘れていた・・・こいつは何かあると俺の舌を噛んでくるのだった・・・)
 ・・・クォヴレー・・・毎回毎回舌を噛むのは止めろ・・・千切れてしまうだろ?」

「知るか!!勝手に千切れてしまえ!この冷徹男!!」



頭に血が上り、彼はまったく話を聞こうとしない。
大人気ないとは思いつつも怒鳴り続けるクォヴレーにイングラムは苛立ち始める。
そんな自分の苛立ちを我慢するには少し限界にきているイングラム。
普段は大人びているくせに、一度タガが外れてしまうと、
どうしてこうも年齢以上に子供になってしまうのか?と心の中でため息をつく。




バンッ




なおも人の話を聞こうとしない彼に苛立ち、思わず壁に一発ぶちかましてしまった。
【*Q:何故精神世界なのに壁があるんだ?A:精神世界だから何でもありなんです*】
初めて見るイングラムの怒気に思わずクォヴレーは身が竦んでしまう。


「少しの間、その口を塞いで人の話を聞け・・・」


なおも何かを言おうとしたクォヴレーだがイングラムの迫力に負け押し黙る。
そしてボソッと呟いた。

「・・・話ってなんだ?遊びでしたと告白する気か?」


「・・・違う」
「身体だけが目的だったんだろ?」
「それも・・・誤解だ」
「・・・・」


誤解だ、と弁明されても彼は確かに自分を好きではない、と言ったのだ。
なのに何がどう誤解だと言うのか?
一旦冷静になりかけてきた頭がフツフツ、と熱くなってくるのを感じた。



「誤解?だがイングラムはオレを好きではないのだろう?」
「ああ」
「オレに恋していないのだろう?」
「その通りだ」
「!やっぱり遊びなんじゃないか!?身体が目的だったんじゃないか!!」
「人の話は・・・最後まで聞け、と言わなかったか?」


イングラムの声のトーンがこれまでの中でも一番低く気配も恐ろしく感じられた。
怒りたいのは自分なのに・・・
だがそんな彼を前にしては何も言えなくなってしまった。

シュンと落ち込むクォヴレーをふわっと優しく包み込むように抱きしめる。
今回は払いのけられないことを確認するとようやく話が出来る、と言葉を続けた・・・。


「クォヴレー・・・確かに俺はもうお前に恋はしていない・・・お前を好きでもない・・・」
「・・・・・」
「俺のお前に対する思いはもうではなくだからな・・・。」
 
「・・・あ、い?・・・」
「俺はお前に恋はしていない・・・そう、愛している・・・好きなのではなく、愛おしいのだ」
「・・・いと、おしい・・?」


「そうだ、意味わかるか?」
「・・・・なんとなく」
「なんとなく、か。いずれお前にもわかるだろう・・・」
「いずれ・・・?(わかるのだろうか?)」
 
「では今は俺がお前を思う気持ちはお前が俺を思う気持ちより上ということか・・・・」
「え!?」
「そうだろう?お前はまだ愛がよくわからないのだから・・・」
「そんな事ない!!オレだって好きという気持ちはお前に負けないくらい強い!!」
「好き・・・か?」
「うっ・・・その・・・オレもお前を・・・あ・・・・るのかもしれない・・」
「・・・あ、るって何だ?ん?」
「だから・・その・・・」
「俺はお前を愛しているぞ?たとえ何回舌を噛まれようとも・・・」
「あ!・・・すまない・・・痛かったか?」
「・・ものすごくな・・・」
「うう・・どうすれば許してくれる?」
「俺はお前が・・・例え俺を殺したとしても許してしまうだろうな・・『愛している』と言ってくれれば・・」
「・・・よくそんなくさい台詞がぽんぽん出るな?・・・」
「それはお前にだけ、だ・・・言ってくれないのか?」


真っ直ぐに瞳を覗き込まれながらそんな事を言われてしまえば、
断れるわけがない・・・。
イングラムはそのことを十分知っているのだ・・・。



「わかった・・・あ、い・・し・・・・る」
「なんだって??」
「だから!!あ、あああいし・・・(やっぱり言えん!!)誰が言うか!!そんな事!」
「言えないのか?」
「大体お前は、好きといってくれた事なかったんだぞ!!だからオレも
 『愛してる』なんて当分言わない!!言ってやらない!!」
「・・・言っているじゃないか・・?」
「今のは違う!!」
「何がどう違うのだ?」
「違うと言ったら違うんだ!!!心がこもってないだろ?!」

「・・・・なるほど・・心、か」
「そうだ!!」

「・・・・」
「・・・・」


「まぁいいだろう。そういうことにしておこうか。今のところはな・・・」
「(めずらしくあっさり引いたな?まぁ助かったが)」
「では誤解も解けたし・・」
「?」

そう言うとヒョイとクォヴレーを持ち上げ、寝室へと運んだ。


【*Q:何故精神世界なのに寝室があるんだ?A:精神世界だから何でもありなんです*】



「!!イングラム!?」
「せっかく誤解がとけたんだ・・・仲直りをしないとな・・・身体で・・・」
「そんな仲直りの仕方があるか!!喋ればいいだろう普通に『ごめんなさい』と!!」
「知らないのか?これが一番早い仲直り手段だ」
「え!?」
「いわゆるボディトークだな・・・身体は言葉よりも言葉を話す・・」
「・・・そんな仲直りトークしたくない!!」

「では『愛している』と言ってみるか?言えたら今回は許してやろう」
「なぜオレがお前に許してもらわなければならない!!?」
「舌を噛んで怪我をさせてくれた上、甚だしく誤解して俺に暴言を吐きまくったのは誰だったかな?」
「うっ・・・オレ、だ・・」 


「そう、お前は俺に謝るべき理由があるわけだ・・・それを今回は『愛している』と
 一言言えば万事解決だ・・・ほら、言ってみろ」
「だれが言うか!?」


「強情だな・・やはりボディトークが一番手っ取り早い・・・ついでに『愛している』と言わせてやろう」
「絶対に言わない!!ボディトークもしないぞ!!」
「・・どこまで言わずに我慢できるかな?」
「最後まで、だ!!」
「触りあいだけのボディトークにしてやろうと思っていたが最後までがご希望か?」
「違う!?揚げ足を取るな!!」」


このままボディトークとやらに進ませてなるものかと
両手足をばたつかせ抵抗を試みた。
しかしクォヴレーの抵抗をものともせず、ポイポイ服を剥ぎ取っていくイングラム。
不適に笑いながらクォヴレーの耳元で囁いた・・・


「クォヴレー・・・愛している・・・」
「・・・イングラム・・・」
「・・・お前は?」
「オレ、は・・・お前が・・・」
「・・・ん?」
「(絶対に愛してるなんて言わないぞ!!)お前が、好きだ!」


頑なに言おうとしないクォヴレーを面白そうに見下ろしながらさらに呟いた。
その顔は凶悪に綺麗な笑顔をしている。
その顔に嫌な予感を覚えるクォヴレー・・。
あの顔をしている時のイングラムは、とんでもない鬼畜大魔王に変貌するのだ。


「頑固だな・・・では『言わぬなら言わせてみせようホトトギス』・・・だな」
「!!!言葉が違うぞ!!鳴かぬならだろう!!」
「そうだったかな?・・・では今日は『愛している』と言えるまで
 鳴いても懇願してもイかせてやるのは止めることにしよう・・・」

その言葉にサーと血の気が引いていくのが自分でもわかった・・・。
鬼畜大魔王になってしまった彼は一度言葉にしたことは最後まで貫き通す傾向がある。
『愛している』と言わなければ今日は開放してくれないかもしれない・・・絶対に。
快楽の渦の中から逃げ出すことも出来ずに彷徨わされる・・・。
一度経験したことがあるだけにクォヴレーは
快楽から開放されない苦しさを身をもって知っている。
もう二度とあんな思いはしたくない!!とさらに手足をバタつかせ
その腕から逃れようとしたが、逃げられなかった。



「楽しい時間の・・・始まりだな、クォヴレー?」
「オレは楽しくなんかない!!!このいじめっ子!!」
「フフフ・・・まぁな。何せ俺は変態ショタコンの上、冷徹で鬼畜色魔らしいからな・・・」
「あ、あれは」
「あれは?」
「(全部本当のことだが)言葉のあやだ!!」
「ではこれからは言葉のあやには十分気をつけることだ・・・。
 話がまとまったところでそろそろ始めようか?」

「ま。待って!!あ・・んんんぅ・・」




普段は優しい(多分だが)のに・・・どうしてベッドの中だとこうも変わるんだ?
ベッド奉行か??と思わずにはいられない・・・



クォヴレーはその日も散々なかされた・・・・(笑)
結局『愛している』と何回も言わされたそうだ・・・・













唇を離せば・・・お前は息も絶え絶えに・・・真っ赤な顔で自分を見上げてくる。
一線をこえて・・・一体どれ位の月日が経っただろうか?
でもお前は今だにキス一つで真っ赤な顔をする・・・。
そんなお前を見るたび・・・俺は・・・・愛しさがより一層おおきくなる・・・。
・・・これが愛なのだろう・・・・。




お前と・・身体を初めて重ねてから・・・どれくらいの月日が経ったのか・・・
オレは今だにキス一つで顔が赤くなってしまう・・・
そんなオレを、お前は苦笑しながら見下ろしてくる。
そんなお前を見るたびに・・・オレは・・・オレの心は幸せに満ち溢れる。
・・・これが愛なのだろうか・・・?



ありがとうございました。 第1回アンケ結果で作った駄文です。 3ヶ月ぶり?に復活です。 ちょっことばかり修正されてます。 裏は近いうち裏に復活予定!