〜合体攻撃がしたい〜
「アラド、ゼオラ、お前たちのビルガーとファルケンを貸してくれ」
何の前触れもなくクォヴレーは機体の整備をしているアラドとゼオラに切り出した。
「借りてどうする気?お前」
もっともな質問をアラドはした。ゼオラも不思議そうにクォヴレーを見る。
「・・・・お前たちには合体攻撃があるだろう?」
「TBSのこと・・・?」
「そうだ、リュウセイたちもあるし」
クォヴレーはなかなかこちらが知りたい答えを言い出さない。珍しいこともあるものだ。
なんだかやきもきする。早く用件を言ってくれと言いたい気分の2人。
「リュウセイやヴィレッタに頼もうと思ったんだが、奴はともかく
オレには念働力がない。そこでアラドとゼオラの機体なら
特別な力はいらないし大丈夫だろうと思って。」
「「?」」
2人にはまだクォヴレーの言わんとしていることが見えてこない。
「・・・で?」
「オレは合体攻撃というものを体験してみたい。だから2人の機体をオレ達に貸してくれ」
「・・・オレ達?」
「ああ、オレとイングラムにだ」
すると何処から現れたのかクォヴレーの後ろから以前写真で見たことのある
イングラム・プリスケン、その人が現れた。
「「!!!!!!!!!!!!!!!?」」
アラドとゼオラは驚きのあまり声も出せずにいた。
「(あの人って死んだんじゃなかったのかよ!?)」
「(私に聞かれても分からないわよ!!)」
2人はボソボソと耳打ちをしながら目の前に立っている、
この世には決しているはずもない長身の男性を ポカーンと見つめた。
そんな2人の様子にイングラムは、フッと笑っただけで何も話そうとしない。
一体全体何故彼は移し世にいるのだろうか?!
2人の思考回路は完全にストップしてしまった。
すると突然イングラムが信じられないくらいの優しい笑顔でクォヴレーを後ろから抱きしめ、
イングラムのその行動にクォヴレーは嫌がるそぶりも見せず、
何事もないかのように経緯を話し始めた。
いつもの彼なら想像できない行動と長身の男の笑顔に
アラドとゼオラはまた別の意味で驚いてしまう。
いつもの彼ならなれなれしい相手には容赦ないというのに・・・。
「オレは合体攻撃がしてみたいのだが、生憎相手がいない。
そこでオレはサンタさんとやらにお願いしたんだ。
イングラムを一瞬でいいから蘇らせてくれと」
「サ、サンタ?!」
「お願いしたの?」
2人はまた信じられないという反応をした。
「(おい!サンタって空想の生き物だろう?!)」
「(その筈だけど・・・まさかディス・レヴの力・・・?)」
2人はまたひそひそと話した。
その様子にニヤリとイングラムは笑う。
その笑みは余計な詮索はするなと言っているようで 2人は凍ってしまった。
「(・・・余計なことを考えるのは止めましょう・・・)」
「(そ、そうだな。命は大切に!だ)」
聞こえないように話しているはずなのにまるで聞こえていたかのように、
それでいい、とイングラムは冷笑する。
すると2人の背筋にはゾォーと何やら悪寒が走った。
もちろんその三人のやりとりをクォヴレーが気づくはずもなかった。
続きます。・・・何気にインヴレ?
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