合体攻撃がしたい
 


〜合体攻撃がしたい2〜 





「イングラム少佐!?」 

リュウセイ・ダテがバンプレイオスの調整の為、
格納庫へ行くとそこにはクォヴレー・ゼオラ・アラド・ 
ヴィレッタ・・・そしてイングラムがいた。 
クォヴレーを除き、皆その長身の男の登場に困惑の色を隠せない。 

「・・・リュウセイ・ダテ・・・久しぶりだな・・・」 
「(??????何で?ここに少佐、もとい教官がいるんだ??)」 

「隊長、一体どうなっているんだよ?」 

信じられない出来事にリュウセイはヴィレッタに近づき、事の真相を問いただした。 
しかし、ヴィレッタも何故イングラムがこの世に再び現れたのか分らないので 
説明の仕様もない・・・首を横に振り、 

「・・・分らないわ。クォヴレーいわく『サンタさんにお願いした』らしいけど・・・」 
「はぁ!?サンタってサンタクロース!?空想の生き物だろ??」 

すると2人の会話にイングラムが割り込んだ。 

「サンタはちゃんと存在するぞ。
 確か・・北国のどこかにな・・・手紙を書くと返事がもらえるらしいぞ?」 
「「「「・・・・・・・・」」」」 

恐ろしく冷たい声でたんたんと話すイングラムに背筋が凍った・・・気がした。 

返事をくれるだけのサンタに貴方はどうやって生き返らせて頂いたのですか? 

クォヴレーを除く4人はそう言いたかったが咽まででかかった言葉を飲み込んだ。 
聞いてはいけない・・・無限光に消し去られるかもしれない・・・。 

「まぁ、その辺のことはいいや・・・。
 教官は何で、何するために生き返った(?)んだ?」 
「・・・クォヴレー、合体攻撃がしてみたかったんですって
 ・・・でも私とアラドはすでにコンビ組んでいるし・・・」 
「そうそう。ヴィレッタ大尉にはリュウセイさん達がいるでしょ?
 クォヴレーは合体攻撃する相手がいないから、 
 サンタに頼んでイングラムさんを蘇らせて貰ったらしいっすよ・・・」 
「へぇ〜・・・」 

アラドとゼオラの説明でなんとなくイングラムが蘇った事情は理解できたが、 
リュウセイはもう一つ理解できないことがあった。 
隣を見るとヴィレッタも生前の彼からは想像も出来ない仕草に驚きを隠せないようである。 

「もちろん、このオレがただで人の頼みを聞くわけはないがな・・・クォヴレーだから、特別だ・・・・」 

何がどう特別なんですか? 

4人は再び咽まででかかった言葉を寸前で飲み込んだ。 
彼が生前の時ではありえない位の優しい表情をクォヴレーに向け抱きしめているからだ。 
一方クォヴレーはそんな彼の行動を咎めようとしない。 
余計なことを言って二人を怒らせたら、この世が終わるかもしれない。 

「(・・・クォヴレー、めでたく合体攻撃を体験できたらオレとの約束を守ってもらうぞ・・・)」 
「((///)ああ、分っている・・・、ただし合体攻撃が成功したらだぞ!!)」 

イングラムとクォヴレーはヒソヒソと4人に聞こえないよう、
なにやら怪しげな(?)会話を交わしていた。 

「あの〜それでイングラムさん?」 

「なんだ?アラド・バランガ。」 
「(フルネームは止めてほしいんだけど・・・)
 どっちがビルガーで、どっちがファルケンに乗るんすか?」 
「・・・オレはどちらでもかまわないが?」 
「その前にイングラムさん・・・」 
「なんだ?ゼオラ・シュバイツァー」 
「(何でフルネームで呼ぶの!?)イングラムさん長身ですけど、乗れるんですか??」 
「・・・特に問題はないだろう・・・窮屈なところに入(い)れる・・・ではなく入(はい)る 
のには慣れているからな・・・」 
「イングラム・・・貴方生前そんな訓練なんてしてたかしら??」 

ヴィレッタは私はそんなおかしな訓練はしなかった気がする・・・と思い聞いてみる。 

「生前ではなく死後(?)の体験だ・・これまでもそういう体験がなか
 ったわけではないが・・・あれほど狭かったのは初めてだな」 
「「「「死後!?」」」」 

4人はイングラムの意味不明な言葉に大声を出すと、不意にクォヴレーが真っ赤な顔で叫んだ。 

「イ、イングラム!!お前さっきからなに卑猥な台詞を・・・(////)」 
「??クォヴレー、窮屈なところに慣れているって台詞が何で卑猥なの?」 
「!?い、いや。そうだなアラド!!考えてみれば卑猥ではないな!!!」 

ニヤニヤと意味ありげなイングラムの表情にアラドとリュウセイは??だったが、 
ゼオラとヴィレッタはその言葉の真意をなんとなく悟ってしまった。 

「それで、クォヴレー、お前はどちらに乗りたい?オレはどちらでもかまわないぞ」 
「(涼しい顔をして・・・なんだが腹が立つな)
 オレは・・・普段が射撃系ばかりだから、アラドのビルガーがいい」 
「了解だ。ではオレはファルケンとやらに乗ることにしよう・・・意義はないな?二人とも・・・」 

今更意義など申し受けないぞ?とイングラムはゼオラ・アラドに視線を送る。 
2人はその視線に再度悪寒を感じた。 

「(今日だけで、オレ一生分の悪寒を感じた気がする)
 も、もちろんでございますです!!な?ゼオラ?」 
「え!?ええ、ええ!!ええ!!そうね、アラド!!
 意義なんて(そんな恐ろしいこと)まったくないわ!!」 

「では、早速調整に入りたいからしばらく借りるぞ、二人とも」 

「お、おう!クォヴレー!!こき(?)使ってやってくれ!!」 


そして、クォヴレーとイングラムは、ビルガー・ファルケンの下へと足を運び始める。 
その様子を見守る4人の顔は青ざめ引きつっていた・・・。 
不意にヴィレッタは心の中で願わずにはいられない・・・ 

「(・・・ああ、実践で試す時、ゴラー・ゴレム隊が来てくれないかしら・・・)」 



  まだまだ続く(笑)さて、2人が交わした約束ってなんでしょうねぇ・・・? *この話はあくまでインヴレでいく予定です。 きっとインヴレになるんです・・きっと・・・*