クォヴレー君の災難?
 

〜小休憩〜

頼まれた書類を持ってクォヴレーはその部屋を訪れた。
恋人、イングラムは少佐であるので広い執務室を与えられている。
クォヴレーはそんな彼の補佐
(まだ若いので正式な軍人になれない)をしているので、
よくイングラムの雑用などを片付けているのである。
普段は溶けるくらいに優しいイングラムも、
仕事となるとガラリと変る。
そう、セックスの時の鬼畜バージョンのように
『鬼』に変るのである。
部下をビシバシしごいている時の彼など
思い出しただけでクォヴレーは身震いしてしまう。
そんなイングラムも月末・月初は書類整理に追われ、
執務室に篭ることが多いのであった。
仕事を一つ片付けると、
普通は本人が上司に持っていくのが当たり前だが、
イングラムはそんなことをしている暇などないので
専らクォヴレーに持って行かせている。
そう、クォヴレーは今、出来上がった書類を届けにいって
イングラムのところに戻る最中なのである。

「(イングラム、忙しそうだったな・・・。
 そうだ!眠気覚ましに濃いコーヒーとお茶うけを持っていこう)」

仕事に追われ、疲れピークになっているだろうイングラムのために
クォヴレーはお茶を用意した。
そして執務室に戻ってきたのであった。

「・・・戻りました」
「おかえり・・・・」

戻ってきたクォヴレーを一瞬見るが、
直ぐにまた書類に目を落すイングラム。
そんなに根を詰めて大丈夫だろうか?
と少し心配そうな表情をしながら
クォヴレーは用意したお茶を彼の机まで持っていく。

「イングラム・・・じゃなくて・・・少佐」
「・・・ん?」

ペラペラと書類を見ながら、
サインをしていくイングラムは、
クォヴレーの呼びかけにもどことなく上の空である。
だが目の前にコーヒーが置かれると
流石に手を止めクォヴレーを見上げた。

「これは?」
「コーヒーだ。うんと濃いから苦いぞ・・・眠気覚ましになる」
「・・・こっちは?」
「・・・ブドウ糖が多く含まれているチョコだ。
 集中力をつけたい時に食べるといいらしい」
「・・・・・・」

イングラムは差し出されたコーヒーとチョコを見つめながら
それ以上何も語らなかった。
なのでクォヴレーは不安になってしまう。

「(・・・余計なことだっただろうか?)・・・あ・・の・・少佐?」
「・・・・・・・」

しかしイングラムは何も答えない。
クォヴレーは段々と青くなっていく。

「すまない!!忙しいのに余計なことをしてしまったか??」
「・・・・・・」

青い顔で慌てて謝罪した時、
イングラムは再びクォヴレーを見上げフワリと微笑みかけた。

「(・・・あ)」
「・・・いや?余計なことではない・・・
 すまない、感動して言葉がでなかった」

更に置かれたチョコを一欠けら摘まみ口へと運ぶ。
そしてコーヒーカップに手を沿えコーヒーを口にした。

「うん・・・、チョコの甘さで疲れがとれるし、
コーヒーの苦さで集中力が蘇る。
 ・・・・ありがとう、クォヴレー」

クォヴレーに視線を戻し、イングラムは微笑む。
「仕事中」にイングラムの微笑を見るのは初めてのクォヴレーは、
顔が火照ってしまった。
いや、月末・月初は彼が忙しく
ベッドでのスキンシップもお預けだし、
家に帰ってもイングラムの帰りが遅く
顔をあわせることもほとんどないので、
「笑顔」というものを見るのが久しぶりであるので、
嬉しくて・・・というのが正しいだろう。
クォヴレーは少しだけ火照った顔のままイングラムに微笑を向ける。

「だが、一番疲れが取れるのはお前の笑顔だな・・、
 お前の笑顔を見るとホッとする」
「・・・本当か?」
「ああ」
「オレも、イングラムの笑顔を見ると安心する・・・
 最近のイングラムは険しい顔しかしていなかったから特に・・・」
「険しい?」
「ああ、眉間に皺を寄せた顔ばかりだ」
「・・・!」
「忙しくて大変なのは分かるが、眉間に皺ばかり寄せていると
 そのうち本当の皺ができてしまうぞ?」
「そうだな・・・・」
「だからどんなに忙しいときもたまには休憩が必要だ」
「その通りだな」
「・・・休憩、しないか?」
「今しているだろ?」

おかしな奴だ、と苦笑するが、
イングラムはクォヴレーの次の行動に息をのんでしまう。

「・・・仕事の残りの量は?」
「・・・あと・・・少しだが・・・?」
「じゃあ・・・30分くらいは休憩しても平気だな?」
「・・・あぁ」

イングラムの返事を聞くとクォヴレーは床に膝をついた。
職場でこんなことをするのはあまり(かなり)よろしくはないが、
煮詰まっていると溜まってしまうのが男の性(さが)というもの・・・。

「・・・これはマッサージだ、イングラム」
「・・・マッサー・・ジ・・・っ、ご褒美・・でなく・・?」
「ご・・・褒美・・んっ・・でも・・いいかもな・・・っ」
「・・・・っ」
「がん・・ばっている、イ・・ングラ・・・ムへの、ご褒美・・だ・・・」
「クォ・・・ヴ・・・く・・・っ」

椅子の背もたれに強く背を預けるイングラム。
椅子がギシ・・と音を立て、
チュク・・という音が部屋に大きく響く。
目を細め、クォヴレーの頭に手を置いた。

「んっ・・・もう・・・こんなに・・・硬く・・なった・・」
「・・・あぁ・・・っ、1週間・・・ご無沙汰・・だからな・・・」

張り詰めた性器に、
ざらついた舌の感触が気持ちいい・・・。
イングラムは目を閉じ、
下半身に意識を集中させた。
時折ブルリと身体を震わせ、
久方ぶりの快楽に身を沈めていく。
クォヴレーの舌が裏筋を這い、
先端の割れ目をチロチロと刺激していった。

「・・・・うっ・・・っ・・・!!」
「・・・んっ・・・イング・・・飲んでほしい・・?
 それとも・・顔に・・かける・・?」
「っ、・・・っ・・・飲んで・・もらおうか・・・?」
「ん・・・わかった・・・ふ・・・ん・・・」

クォヴレーの髪の毛を掴む手に力がこもる。
椅子に座っているので腰を激しく打ち付けられない・・・、
イングラムはひたすら最後の刺激をまった・・・そして・・・

「・・・!!・・、く」
「んっ・・・んーー!!」

口の中でドクドク脈打つ性器から欲望の証が溢れ出てくる。
クォヴレーはソレを零さないよう慎重に
口を動かし咽をならし飲み込んでいくのである。

「んぅ・・・ん・・・ふ・・・」
「・・・・・っ」
「・・・ふぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・ん・・・」
「・・・・味は?どうだった」

クォヴレーの口から性器を外し、
ハンカチで拭きズボンの中にしまう。
口を拭いながらクォヴレーは満足そうな笑顔を浮かべ・・・、

「ドロドロでちょっと苦い・・・」
「フフ・・・久しぶりだからな・・・」

クォヴレーの腕を引っ張りイングラムは細い身体を抱きしめる。
そして耳元で甘く囁くのであった。

「・・・今日で仕事は一段落する」
「・・・本当か?」
「ああ・・・帰ったら1週間分と今の分のお礼をしよう」
「・・・・!」
「今夜はいっぱいイかせてやる・・・覚悟しろよ?」

その時、ドクン・・・と熱くなるクォヴレーの身体。
すでに身体は準備万端だ!と語り熱く火照り始めたのである。
そして夜、彼に愛されることを想像しながら
熱に潤んだ瞳で「OK」の返事をした。

「・・・・・うん・・・いっぱい気持ちよくしてくれ・・
 気絶するくらいの・・・」
「言われずとも・・・・」

クォヴレーの頬に軽くキスをし、
イングラムは再び書類に目をおとす。
一方クォヴレーは、熱くなり始めている身体を冷ますため
外の空気を吸いに行ったそうだ。



その晩、二人のベッドは翌日の明け方まで軋んでいたという・・・。


有り難うございました。 表で・・・いいよね???