内緒な関係
 


*パラレル*






〜イングラムの日記〜


どうやって始まった関係かは分からない。
だがクォヴレーがかけがえのない存在なのは確かだ。
傍にいて触っていれば自然と身体をつなげたくなる。
アストラナガンの調整をクォヴレーに手伝ってもらっていた時、
不意に手と手がぶつかった。
するとどちらともなく微笑みを浮かべそっと唇を寄せ合った。
ただ触れ合うだけでは満足できなくなり、次第に深く貪りあっていく。
・・・・幸いなことにアストラナガンは角に格納されているからな・・・、
人は滅多に通らない。
深いキスでクォヴレー下半身は熱くなっていた。
俺はそっとファスナーを下ろし熱くなったソレを握ってやる。
すると首筋にチリッとした痛みが・・・。
性器を鷲づかみされ驚いたのか、どうやら俺の首筋に吸い付いてしまったようだ。
・・・・可愛い行動に気を良くした俺はクォヴレーの足元に跪き・・・、

「・・・イングラム」
「手だと服が汚れるだろう・・?口でしてやる」
「!!??・・・っ」

そういって一気にクォヴレーの性器を口に含んでしまった。
気持ちがいいのかクォヴレーは腰を振りながら快楽を貪っていく。
そして絶頂を向かえトロンと俺を見下ろしていた。

「・・・あと・・・」
「ん?」
「首、痕をつけてしまった・・・すまない」
「ああ・・・」

俺は立ち上がると、首を押さえ意地悪く微笑んだ。

「かまわない。むしろ皆に自慢してまわりたいくらいだ。
 クォヴレーが付けてくれたんだぞ、てな」
「なっ!」

クォヴレーは真っ赤になって反論しようとしたが、
丁度その時背後からヴィレッタが話しかけてきたので、
ハッとしたようにその場を逃げ去っていくクォヴレー。
俺との関係を知られたくないためだろう・・・俺はかまわないというのに。









喜ぶ顔がみたくて図書館を1時間程貸しきった。
図書館の奥の部屋には古い本が沢山あり、
クォヴレーは以前からそれに興味をもっていたからだ。
予想通り、クォヴレーは白い頬をばら色に染め蔵書を手に取り始めた。
なんだか本にクォヴレーを取られたみたいで気に食わなかった、が、
クォヴレーが嬉しいならそれでかまわない。
と思っていたが・・・・、
・・・・・10分くらいは我慢できた。
だが次第に俺の存在を忘れていることに我慢が出来なくなり、
細い腕を引っ張り胸に抱き寄せた。

「??なんだ?」
「・・・嬉しいのはわかるが、俺のことを忘れないでほしいな」
「べ、別に忘れたわけではない・!!ただ・・その・・・・」

クォヴレーは蔵書が気になるのか身を捩って俺から逃れようとする。
だがその行動に益々腹が立っていく・・・・。

「お礼のキスももらってないぞ?」
「・・・・え?」

クォヴレーはチラチラと本棚を見ている。
どうやらあそこに気になる本があるらしい。
・・・気に食わない。
俺はますます腕の力を強めた。
クォヴレーはお礼のキスをすれば話してもらえると思ったのか、
首だけを俺にむけ、触れるだけのキスを唇にしてきた。
驚いて思わず腕の力を緩めればクォヴレーは嬉しそうに本棚へかけていく・・・。
・・・気に食わない・・・。
本に負けるとは・・・・。
本には負けたくない!
大人気ないと思いつつ・・・俺は・・・。

「お前が本に浮気するなら俺も『また』浮気してくるとしよう」

『また』とはいっても、クォヴレーと付き合ってから浮気などしたことないが、
一度迫ってきた女にキスをされているところを見られたことがある。
それを今でも『浮気』と信じているクォヴレーは戸惑いの目で振り返った。

「浮気・・・まだしているのか?」
「・・・さぁ、な」

わざとあいまいに答える。
クォヴレーの瞳がますます戸惑いに揺れ動いた。
そして俺は古びたソファーに腰を下ろし、ワザと挑発をしてみることにする。

「・・確かめてみたらどうだ?」

ジー・・・とファスナーを下ろし性器を取り出した。

「俺のを飲めば分かる・・・。浮気しているなら薄い筈だ」

泣き出しそうな表情のクォヴレーが近づいてくる。
そして足元に跪き、ゆっくり下半身に頭を埋めていく。
クォヴレーの舌が俺の性器に触れるたびゾクゾクしていく・・・・。
欲望を口の中に吐き出し、飲ませ・・・
そのままソファーの上でクォヴレーを何度も組み敷いた。














それは些細なことだった。
クォヴレーは後ろめたいことでもあるのか今回は頑なに関係を拒んでいた。

「今日は・・今日はいやだ!」
「今日はではなく今日も、だろう?
 結局最後は陥落するのだから観念しろ」
「い、いやだ・・・あっ!」

クォヴレーのズボンに手を突っ込み直接的な刺激を与える。
すると直ぐに身体から力は抜け始め、甘い声を出し始めた。

「あぁ・・・ん・・・だめ・・だ・・・」
「身体は、いい、と言っているぞ・・・?」

耳元で囁き、ゆっくりズボンと下着を下ろしていく。
そのまま震える性器をかわいがろうとした時、あることに気が付いた。

「いやだぁ・・・うぅ・・・」

いつもはさくらんぼの色をしているクォヴレーの性器が、
なぜか真っ赤な果実のように熟れていたのだ。
俺はたまらず性器を強く握り締めた。

「あぁぁぁーーー」

激痛にクォヴレーの絶叫が響く。
だがそんなことにはかまわず俺は詰問した。

「なんだ、コレは?」
「そ、それは・・・い、痛い・・・っ」
「数時間前まで何かしらしていた色だな・・・?
 ・・・突っ込んだか・・・それとも舐めてもらったのか・・・?
 ・・・どちらにせよ火遊びをしたようだな・・・?」
「い・・・あ、あ・・・」

性器と一緒に袋も強く握った。
クォヴレーは涙を溢れさせ、ただ首を横に振っていた。
そしてクォヴレーの白い肌にもう片方の手を置き・・・爪を立てた。

「ひ・・ああああーーっ」

血が滲む・・・。
クォヴレーは足をバタつかせて逃げようとするが、
俺はベルトを引き抜き、手をベッドヘッドに縛り付けてしまった。

「二度といけないことをしないようにしつけてやろう・・・」
「ち、違うんだ・・・イングっ・・・ひぃ・・・!!」


そのあとは言うまでもなく散々だた。
泣き喚くクォヴレーの頬を打ち、嫌がる孔を何度も犯した。










翌朝、目を覚ますとクォヴレーの姿はなかった。
そうとうムチャをしたというのに出て行ったのか?
俺は知らず知らず何故か笑っていた。

「フ・・・フハハハハッ」


ついに愛想をつかされたかも知れない。
ろくに理由も聞かず俺は酷いことを数時間もしたのだから。
重たい腰を上げシャワーを浴びにいく。
・・・落ち込んでいても日常は過ぎて行く・・・。
とりあえずリュウセイを扱きながら対策を考えるしかないだろう。














リュウセイを扱いても何も思い浮かばなかった。
ソファーにもたれため息をついたときだった・・・。
扉は前触れもなく開いたのだった。

「・・・イングラム・・・いるか?」

入ってきたのは予想していなかった人物。
てっきりもうこの部屋には来ないと思っていたのに。

「クォヴレー・・・?」
「話があるんだ・・・もう冷静になったと思うから」
「冷静?」

コクン、とクォヴレーが頷いた。
・・・確かに昨夜の俺は冷静さをかいていたかもしれない。
だが一回りは違うクォヴレーに指摘されるとなんだか傷つくな。
クォヴレーはソファーに近寄ってくると開口一番に言ってきた。

「オレは貴方が好きだ・・・だから決して裏切ったりしない」
「・・・・」
「だけどオレも男だから・・・好奇心が沸いたんだ・・・。
 自分で弄ったらどうなんだろう、とか・・・、
 本当に事前に何回か出したら薄くなるのだろうか・・・とか・・」


!!?
俺は目を見張った。
今の言葉が正しければクォヴレーは昨夜俺と会う前に自慰をしていたことになる。


「だが思いのほか色が・・・そ、それで疑われたくなくて・・拒んだんだ!」

クォヴレーが必死に叫ぶ。

「だから誤解しないで欲しい!
 貴方に抱かれるのは、す、・・すすすす・・好きなんだ!!」

俺は必死に説明するクォヴレーが可愛くて
思わずソファーに引き寄せ抱きしめてしまった。

「クォヴレー・・・」
「イングラム・・・浮気なんてしていない・・本当だ」

クォヴレーが唇を寄せてくる。
何度かついばみ、唇をわり舌を入れてくる。
俺はそれに答え舌を絡ませると更に強く抱きしめた。

「んっ・・・んんん・・・」
「・・・では証拠を見せてくれないか?」

唇が離れると、俺はとんでもない要求を思いついたので口にした。
クォヴレーの耳元で自慰を見せてくれるように囁いたのだ。
最初、首を横に振って拒んでいたクォヴレーも、
見せてくれなければ信じない、の一言に覚悟を決めたのか、
要求どおりにするといった。
俺はそんな彼にさらに要求をした。

「・・・全部脱いでやってみせてもらおうか?」

泣きそうな顔のクォヴレー。
だが俺に信じてもらいたい一身で服を脱ぎ捨て自身を掴んだ。
そして目を閉じ手を動かし始めたのだった。








そこから先はせわしなく時間が進んだ。
クォヴレーが自慰で果てるのを見届けた後、
みた光景にすっかりその気になっていた自身を容赦なくねじ込み、
服を脱ぎ下から何度もクォヴレーを揺さぶった。
その時、ドアが開く音がしたが気のせいだろう。
たとえ誰かが来たのだとしてもコトの最中であれば出て行くに違いない。
俺の上で果てたのを見届けると身体を返し、こんどは俺が激しくクォヴレーを揺さぶった。
恥かしいのか自分の顔を腕で覆うクォヴレー。
だがそ腕にある痣に俺は締め付けられた。
腕を取り、あざに唇をよせ・・・謝罪する。

「・・・すまなかった・・・クォヴレー」

俺が謝罪するのは珍しいのか、クォヴレーは一瞬目を見開いた。
だが直ぐに俺の腰の動きに翻弄され息も切れ切れになっていく。

「あぁ、ぅ!!・・・ん、・・・いい、から・・も、いいから・・・もっと・・」

クォヴレーは足を俺の腰に巻きつけ、息を乱しながら乱れた。

「もっと・・こすってくれ・・・」
「こう、か・・?」

要求どおり奥の奥を性器で抉ってやった。

「あっ・・・あぁ・・・っ・・」

背を撓らせクォヴレーは甘く喘ぐ。

「クォヴレー・・・」

再び唇を寄せ突き上げる。
クォヴレーは身体をビクビク震えさせ俺と一緒に果てた。
そして荒い息の中、唇を軽く啄ばむ。
俺の性器は熱を放った今もクォヴレーの中で硬度を保ったままだ。
クォヴレーもそれが分かっているのだろう。
多少息が整うと、繋がったまま今度は四つん這いになった。



・・・・もちろん俺は遠慮なく3回目を貪リ始めるのだった。


















あれから数ヶ月・・・いまだ戦争は終わる気配を見せない。
そのためいまでも戦艦という窮屈な中で団体生活を送っているわけだが、
俺は不自由など微塵も感じていなかった。
それはかけがえのない存在を手に入れたからに他ならない。

端末をチェックし必要な書類にサインし終えると、
ようやく今日の仕事が終わり俺は執務室と繋がっている寝室へ入った。
ベッドの上ではクォヴレーがスヤスヤと寝息をたてて眠っていた。
一人部屋を与えられているクォヴレーだが、
もともとは寂しがりやな性格なのか最近では俺の部屋で寝起きをしている。
ベッドに腰掛け、眠るクォヴレーの髪の毛をそっとすいた。

「・・・・ん・・・?」

むにゃむにゃと口を動かし、反対側にソッポを向いてしまう。
もう少し可愛い寝顔を堪能したかったが仕方ない。
俺は細い手首をベッドに貼り付け、細い首筋に唇世よせた。
そのままゆっくり首筋を舐め、パジャマのボタンを外していく。
上を脱がせ終え下に手を伸ばした時、眠気眼のクォヴレーが目を覚ます。
俺はお姫様に目覚めのキスを与えると、
中心を掴みゆっくりと夢から覚醒させていった。

「・・っ・・・ぁ・・・あっ・・・」

クォヴレーの腕が俺の首に回ってくる。


俺たちはその晩も何度も何度も愛し合った。
そのうちベッドが壊れてしまうのではないか、
というのが最近のクォヴレーの悩みの種らしく、
いつも激しく揺さぶるたびに「ベッドが壊れる」、と
無駄な抵抗をしては俺を楽しませてくれている。
一方俺は、クスクス笑いながら
そんなクォヴレーを蕩けさせるのが楽しみになっている。
ベッドのことなど考えられなくるくらい・・溶けさせる。






昼間は相変わらずそっけない態度の俺たち。
けれど最近は人目を盗んで、
目と目が合った時に微笑み合うのが日課になっている。
その時に見れるクォヴレーの少し照れたような困ったような、
笑顔に慣れていない不器用な微笑が堪らなく愛しくなっていた。



ありがとうございました。