首筋がスースーする・・・
朝日が頬にあたり、俺は目を覚ました。
〜It is sleepy ‥・2〜
顎の辺りにくすぐったいものがあたる。
・・・薄目を開けると、目の前にある銀糸がフワリと動いた。
俺がしっかりと抱きしめているため寝返りがうてないクォヴレーは
その代わりによく頭を動かすようだ。
しかし妙だ・・・
いつもなら頬に自分の髪が少なからず流れてくるというのに、
今日は頬に髪が当たらない。
それどころか首筋がスースーする・・・?
俺は腕の中にいる白く細い身体をギュッと抱きしめると、
起き上がり、近くにおいてあった鏡を手に取った。
・・・鏡を見た瞬間驚いた。
・・・何故だ・・・?何故俺はみつあみなどしているんだ???
ベッドで気持ちよさそうに眠っているクォヴレー・・・
クォヴレーは裸だ・・・
・・・俺も・・裸・・・
・・・ああ、そうだ。
夕べは眠くて、一回交わった後俺は眠ってしまったんだった。
・・・俺は寝ぼけて自分の髪を縛ったのだろうか・・・??
「・・・・ん?」
その時、クォヴレーが目を覚ました。
ゆっくりと起き上がり、目をゴシゴシしながら、
「おはよう・・・ふぁぁぁ・・・」
「・・・・・」
「・・・どうしたんだ?イングラム」
「クォヴレー・・・俺は夕べ・・・」
「・・・お前は夕べ1回終わった後、直ぐ眠ったじゃないか」
「あぁ・・そこまでは覚えている。・・・その後俺は夢遊病にでもなったか?」
「夢遊病???何故だ??」
「縛った覚えがないのに髪の毛が・・・・」
眠たそうだったクォヴレーの瞳が大きく見開かれる。
そして俺の顔をジーッと見つめた直後・・・
「アハハハハハハ・・・ハハハハハハ・・ハハ・・クッ・・ックク」
「????クォヴレー??」
なぜか笑い始めるクォヴレー・・・
そしてクォヴレーの腕が伸びてきて髪の毛のゴムが取られた。
「・・・・ぷっ!・・くくくく・・ははははははっ!!」
ベッドの上で足をバタつかせ笑い転げるクォヴレー・・・
「・・ば・・・く・・・ば・・はははは!」
「・・ばくば??」
「ばくは・・・つ・・・くくくく・・」
ばくはつ・・・?
俺は改めて手に持っていた鏡で自分の顔を見てみる。
「!!?なっ・・・」
「あはっ・・あはははは!!」
みつあみ効果か・・・髪の毛が・・・爆発。
・・・よほど面白いのかクォヴレーは腹を抱えて笑っている。
「・・・はははっ・・・ダメだ・・腹・・痛い・・・げほっ・・ごほっ」
ついには笑いすぎで咳き込みだす始末・・・。
「・・・ごほっ・・それ・・オレが縛った・・くくく・・」
!!?
クォヴレーが??
一体何故・・・?
「・・・はぁ・・・笑った・・夕べお前が寝た後、しばらく起きてたんだ。
で、なんだか悪戯したくなって縛ってみた!・・まさかこんなに爆発・・・くくく・・」
成る程・・・・
夕べは失神させなかったからいつものお返しというわけか??
・・・ならばお仕置きが必要か・・・?
俺は再び笑い出したクォヴレーの両腕を肩手で一つにまとめると、
一気に押し倒した。
「!!イングラム!?」
「・・・悪い子だ・・・悪戯が過ぎるとどうなるか・・わかっているだろうに・・」
クォヴレーを見下ろしながら冷たい笑みでそう告げると
可愛らしい顔がどんどん蒼白になっていく・・・
暴れようとする身体を俺の体重で動けないようにする。
戒めた手を頭上で固定すると・・・
「・・ごめん・・なさい!・・ごめ・・・イン・・・」
怯えているクォヴレーの額に音をたててキスをした・・・。
「・・・え?」
頬に・・・顎に・・・また頬に・・・俺は音をたててキスをする。
裸のため、お互いの体温が上がってくるのがわかる・・・。
「・・・ちゅ・・クォヴレー・・・」
「・・・んっ・・・イン・・グ・・口にも・・口・・」
クォヴレーの顔からは恐怖の色が消え熱で潤んだ瞳で俺を誘ってくる・・・。
だが俺は決して唇にキスはしなかった・・・。
「イングラム・・・口・・口は??・・イング!」
戒めていた腕を解き、両手で頬を固定し額にキスを落す。
「・・・イングラム!」
クォヴレーの腕が首に回り、熱い唇が唇に触れた。
俺の唇に何度もその唇をあて、
やがて可愛らしい舌を口の中に入れて?と俺の唇の割れ目にツンツンしてくる。
だが俺は口をあけなかった。
「んっ・・・イン・・口あけて・・・舌、出して?」
俺は目を閉じる・・・だが唇を固く結び開こうとはしない。
やがてクォヴレーの唇に手の平をあてると、
最後にもう一度額にキスをした。
「・・・そのキスは・・今晩までとっておくんだ・・・」
「・・・・え?」
「・・・夕べ・・今夜はたくさん愛してやる、と約束しただろ?
・・・今夜はお前のキスから開始しよう・・・
お前の準備が出来たらお前がしたいキスをしてこい・・・
その後、俺が天国に連れて行ってやる・・・」
俺の言葉に真っ赤になりながらもクォヴレーはコクン、と頷いた。
「・・・夕べ・・したりなくてなかなか寝付けなかったんだ・・・」
クォヴレーはたまに驚くほどエッチなセリフを言うことがある。
「・・・いいのか?そんな事言って?・・今まで以上に激しくしてしまうぞ?」
「いいんだ・・・どうやら俺は激しくされないともうダメみたいだ・・
だからイングラムに責任をとってもらわないと・・・」
「・・・俺のせいというわけか・・・?」
「そうだ」
「なら責任はきちんととろうか・・・回数が数えられないくらい激しくしてやる」
クォヴレーは更に真っ赤になると、
「・・・いっぱい激しくしてくれな・・?」
ああ・・・バカだなクォヴレー・・・
そんな事を言うから俺はいつも・・いつも・・・
「あぁ・・約束だ」
そしてその夜、
俺は約束どおり・・・・
有り難うございました。
毎度のコトながらただのバカップルな会話でした!
ヴレは毎回イヤイヤ言っているけれども、
本当はイングに激しくされるのが大好きだ!というのが書きたかったのです。
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