企画

〜解決編〜

「本当にあの方が犯人なの?」
「間違いないッスよ、大尉」
「・・・なぜ、アイツが犯人なんだ?」
「怪奇現象の原因は、念動力だろ?」
「そうね・・あ!確かにあの人、念動力持っているわ」
「だろ?で、『好意を持っている相手に対して無意識のうちに起こしている』んだろ?」
「・・あぁ!そっか!!私にも理由がわかったわ!そうね、あの人なら納得できるわ」
「・・・アラド」
「なんスか?大尉」
「あの方が犯人だとして、鏡に映った男はどう説明するつもり??」
「その男は、あの人のお付の1人ッスよ!」
「・・・お付の人・・・あ!そっか、だからさっきBGMのこと聞いてたのか?」
「その通りッス、少尉!クォヴレーは戦闘中BGMなんかの回線切ってるからわからなかったんスよ」
「・・・どういう意味だ?アラド」
「お前、戦闘中相手の顔も確認とかしないんだろ?」
「?ああ、・・滅多には」
「やっぱりね!普通ならあのBGM聞いたら覚えてるはずだからな!」
「?????」

今、5人はある人物の部屋へと向って歩いている。
アラドのいう怪奇現象の犯人・・それは意外といえば意外だが・・・

「!!これは!?」

その人物の部屋に近づくにつれ、その歌は聞こえてきた。

「お前が聞いたの、これだろ?」
「・・・あぁ」
「・・・なるほど・・確かに『われ〜ばん』だわね」
「あ!クォヴレー!!」
「なんだ?リュウセイ」

クスクス笑いながらリュウセイは質問する。

「あの笑顔の写真さ、あの人から没収したんだろ?」
「!!?なぜわかる??」
「・・・なんとなく・・・成る程ねぇ・・」





・・ある方の部屋にて

「・・・ふぅ・・」
「どうされました?」
「え?・・あ、いえ・・」
「(はぁ・・あの写真も没収されてしまったし・・バランの歌も飽きたし・・暇ですわ)」
「我こそはぁ〜、我こそはぁ〜・・バラン・ドバン!!♪・・?姫様元気がないですな?」
「そ、そうですか??(バランの歌に飽きました・・とはいえませんわね)」

そう、怪奇現象の犯人はアルマナ姫だったのである。
姫はクォヴレーに好意を抱いており、
この前やっとの思いで彼の笑顔の写真を手に入れた、が
それを見ているところを本人に見つかり没収。
それからというもの、明けても暮れても彼のことばかり考えていた。
そしてお昼寝をしていると見えてくるのは彼の部屋。
フッと、悪戯心が芽生えてくる。
ちょっと悪戯して、彼の端末を机から落したりしてみた。
その時の彼の驚いた顔が可愛くて、なんだか病みつきになり
最近はそうして夢でクォヴレーを堪能していた。
夢だしかまわないと思っていたのである。

でも、それもずっとやっているわけにはいかないので、
暇になりため息をついていると、
バランが歌を聞かせてくれるというので退屈しのぎに聞いていたのである。
その時フッとまた悪戯心が芽生えた。
夢の中の彼が洗面台に立った時、歌を歌っているバランが映ったらどういう反応をするのだろうか?
姫は試してみた。
予想以上に驚いてくれたので、病み付きになり繰り返す。
夢だし、いいやと思っていたのである。

「(あぁ・・逢いたいですわ。クォヴレーに逢いたい!!夢ではなく現実で!!
 逢いにきて、クォヴレー・・・バランの歌は飽きたのよ・・)」

このあとアルマナ姫はその願いどおり、クォヴレーに会うことが出来た。
が、今まで夢だと思っていたことが現実に彼に起こっていたと知らされて青ざめたらしい。

その後、姫がクォヴレーに避けられまくり、
それでも諦めずにアプローチを続けたのは有名な話らしい・・。
なんにせよ、恋する乙女の起こす怪奇現象というものは恐ろしいものである。



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