企画

〜夏企画〜

ヴィレッタがバンプレイオスとの合体攻撃の微調整のため
リュウセイの部屋へ行くといろいろなことに驚いてしまった。


最初に、彼の部屋にライやマイはともかくとして
(自分が集まるよう指示したのだから)
アラド・ゼオラ・クォヴレーがいたからだ。

次に、リュウセイはなにやらひたすら汗をかいている。
結構能天気な彼だけに珍しい。

最期に、これが一番驚いた光景なのだが・・・
おそらくリュウセイの汗の原因もこれなのだろうが・・・

「クォヴレー・・何をしているの?」

見るとクォヴレーはベッドの上に仲良くリュウセイと並んで座っており
しかも彼の腕を絶対に放さない!とばがりに力強く抱きしめていた。

「クォヴレー・・リュウセイさん困ってるじゃん?
 オレが一緒に寝てやるからさぁ・・な?」
「・・・遠慮する」

アラドの申し出にプイッとそっぽを向く。

「なんでだよ!」
「・・・アラド寝相悪い・・・蹴られる・・よって遠慮する」

ヴィレッタは話が見えなかった。
そこで部屋の隅で困った顔をしているゼオラに声をかける。

「ゼオラ、一体何事??」
「大尉・・・実は・・・」

ゼオラの話を要約するとこうである。
クォヴレーが最近部屋で1人でいると・・・

1・物が勝手に机から落ちる
2・物が勝手に宙を浮く
3・鏡に知らない人間が映る
4・常に誰かの視線を感じる

「・・・と言うことらしいんです。で、1人で寝るのやだから
 リュウセイ少尉に一緒に寝てくれって・・・同室のアラドは
 1回寝るとなかなか起きないし寝相悪いから一緒に寝るの嫌らしいんです」
「へぇ・・?(ポルターガイスト?まさかね)」

リュウセイは困ったように頭をポリポリかいている。
助けを求める視線を感じ取ったライは・・

「クォヴレー・・・リュウセイも寝相悪いぞ?」
「・・・なぜ少尉がそんな事を知っている?」

クォヴレーの最もなつっこみに部屋は一瞬静まり返った。

「ま、まさか2人は・・・そんな関係何スか!?・・・げぇ!!」

アラドのつっこみにすかさずゼオラのかかと落とし!

「し、失礼でしょ!?
 いーい?そういうことはわかっても黙っていてあげるものなのよ!?
 わかった!?アラド!!」
「・・・は、はひぃ・・・」

クォヴレー・ゼオラ・アラドの視線にライは慌ててその考えを否定する。

「ち、ちがう!!訓練生の時同室だったから寝相の悪さを知っているだけだ!!」
「・・・なぁ〜んだ・・」
「・・・つまんない」

ゼオラ・アラドは心底つまらなそうに思ったことを口に出した。

「そんなわけだからさ、俺と一緒に寝ないほうがいいぜ?」

むぅ・・とクォヴレーはむくれながら・・・

「では、ライ少尉は?」
「え?」
「ライ少尉も寝相悪いのか?リュウセイ」
「・・・ライは寝相いいぜ?」
「お、おい!リュウセイ!!」
「直立不動?っていうのか?寝返りもあんまうたねーんじゃねーの??」
「・・・使う場所が違うと思うが・・・そうかいいのか」

ライは心底焦った。
まさか今度は自分と一緒に寝たいとか言うのだろうか?
冗談じゃない!とライは入り口にいるヴィレッタに視線を送った。
その視線に気づきヴィレッタはニヤッと笑うと・・・

「ライなら寝相いいから安心していいわよ、クォヴレー」
「!隊長!!」
「・・・でもねライは神経質だから
 同じ布団に自分以外の人がいると眠れなくなるのよ」
「(・・・神経質??俺が??)」
「・・・そうなのか?少尉?」
「え・・あぁ・・まぁ・・」
「それじゃあ・・ダメだな」
「(助かった・・・さすが隊長!うまい断り文句だ)」

うな垂れるクォヴレーに、
ヴィレッタは優しく微笑みかけ

「落ち込まないで・・・私が一緒に寝てあげるわ」
「え?」
「「「「えぇぇぇぇぇ!!??」」」」

全員が驚いて大声を上げてしまった。

「ヴィレッタさん!気は確かっスか!?」
「た、確かにヴィレッタさんとクォヴレーは姉弟のような間柄でしょうけど・・」
「はっ・・・ま、まさか隊長・・近親相姦に目が覚めた・・とかかよ!?」



ドカッ!!


ヴィレッタは『近親相姦』
と言う言葉に眉毛をつりあがらせ壁を蹴った。

パラパラ・・・と破片がリュウセイの目の前に飛んでくる。

「何ですって?」

不適に笑いながら聞き返すヴィレッタに
リュウセイは青ざめた顔で首を横に振った。
ヴィレッタはクォヴレーを振り返り優しく微笑むと


「ね?いいでしょ?いやかしら??」
「・・・嫌じゃない・・ヴィレッタがいいのならお願いする」
「もちろんいやなんかじゃないわ!さぁ、枕もっていらっしゃい!」
「了解だ」

クォヴレーは嬉しそうに部屋を後にする。
アラド・ゼオラも後に続いた。

「隊長・・・打ち合わせは?」
「・・・明日でいいわよ・・・なんだか眠くなってきたし」
「了解」



ヴィレッタは部屋に戻りながらなんだか顔がにやけてしまった。

「(普段は大人っポイのに・・・可愛いところもあるのね、あの子。
 こんやはおもいっきり抱きしめて寝てあげよう・・・)」



まだまだホノボノですね。 この話は決してヴィレヴレではありません。 何話か続きますですよ。