〜無口な二人のとあるデート〜







騒がしい喫茶店の窓際に先ほどから殆ど会話を交わさない二人組みがいた。
一人は長身でガタイのよい青年で、青い髪が肩より少し長い位置まである。
もう一人は・・・中性的な面立ちにショートの青い髪の少年である。

長身の男、キャリコは紅茶を優雅な手つきで飲んでいる。
一方の少年、アインはオレンジジュースにさしてあるストローを回していた。

かれこれ1時間は居る彼らだが、会話という会話は殆ど交わしていない。
時折思い出したように2、3の言葉を交わす程度で
再び窓の外を見つめたりしているのだった。


会話もなくただ黙って座っている二人。
そのうち飲み物も飲み終わり、ただ座っているだけの二人。



そしてついにキャリコが、


「・・・・そろそろ出るか?」

と誘うのだった。
アインは窓の外にやっていた視線をキャリコに戻し、
コクンと頷くとゆっくりと席を立つ。
会計表を取ろうとすると、アインよりも先にキャリコがとり会計へと向かう。


・・・これもまたいつもの二人の光景だ。

キャリコは決してアインにお金を出させない。
そしておごってもらうアインは頬を薄紅色に染め
上目使いでお礼をいうのもまたいつもの光景だ。


「・・・いつもすまない、ごちそうさま」
「あぁ・・・俺は歳上なんだ、当然だ」
「・・・歳上、は関係ないと思うが・・?」
「・・・そうか?」
「そうだ」
「だが俺がお前にご馳走したいのは本当だ、だから気にするな」
「・・・うん・・・だから、いつもごちそうさま」
「どういたしまして」

フッと微笑むキャリコに対し、ふんわりと微笑み返すアイン。
相変らず二人の会話の言葉は短いものであるが、
気持ちは通じ合っているのがうかがえる。




次回に続く・・・・



有難うございました。 この二人のデートってどんな感じかな?おもい作りました。 今回は序章な感じで☆