ゴラー・ゴレムな誕生日
 



「アイン、今日はお前が調整層から出てきた日・・」
「・・・そうだな」
「すなわち、誕生日だ」
「ふーん?」
「・・・イマイチ感動の薄いヤツだな?
 もうちょっと喜んでみたらどうだ?子供らしく・・・・」
「・・・好きで子供の姿をしているわけではない」
「それはそうだな・・俺も好きで隊長をやっているわけではない」
「(驚)・・へぇ?」
「なんだ?信用してなさそうだな?」
「まぁ、な・・・(絶対好き好んでやっていると思っていた。
 キャリコは学級委員とか自分から立候補してやるタイプだ)」
「まぁ、いい・・・話を元に戻すぞ?」
「あぁ」
「誕生日なお前に俺はプレゼントを用意した」
「!!プレゼント!?」
「・・・何を驚いている?」
「(驚きもする・・・プレゼントとだと?)・・別に」
「・・・?相変わらず変なヤツだな、アインは。で、お前へのプレゼントだが・・・」
「何をくれるんだ?」
「これだ!」
「・・・・書類?」
「フフフ・・アインよ、小さくて可愛い容姿のお前にぴったりの任務をプレゼントだ!」
「小さくて可愛いは余計だ!だいたいお前と同じ顔だろ?
 お前、自分の顔も可愛い!とか思っているのか?」
「・・・確かに似ているが同じではないだろう?
 目の大きさからして違うではないか・・・」
「ぅっ・・・(反論できない)・・それにしてもプレゼントが任務か・・
 オレ達らしいというかなんと言うか・・・!?これは」
「地球へのスパイ任務だ!
 パイロットスーツも地球用を特別に用意してやったぞ?それがこれだ!」
「・・・・嫌味か?キャリコ・・」
「なぜだ??」
「・・・なぜオリジネイターとおそろいの服を着なければならない?」
「おそろいではなく色違いだ!・・・これは奴等への挑戦状だ」
「挑戦状?」
「そうだ!名前も特別に指令が考えてくれたぞ?」
「!!指令が・・?(意外だな・・)どんな名前だ・・ん?」
「どうした?」
「・・(どう読むんだ??)クォ・・?ヴ・・レー・・かな?」
「・・・クヴレー?」
「クォヴレー・・だろ?」
「・・・クボレーか?」
「クォヴレーだ」
「・・クォ・・?・・・読みにくい名前だな・・
 普通にこっちのゴードンをファーストネームにすればいいではないか・・・」
「そういうことは指令に言えばいいだろ?
 (それにしても・・悪意を感じる・・・イヤがらせとしか思えない名前だな)」
「ふむ?・・・読みにくい名前だとお前がかわいそうだからな・・
 よし!名前は俺が改名してやろう
 ・・・ゴードン・マクレディでどうだ?」
「・・・なぜマクレディ?」
「俺と同じだと嬉しいだろ?」
「嬉しくない!鳥肌が立つ!!
 (スペククトラもなぜマクレディにしたんだ??意味不明だ!)」
「失礼な奴だな・・・ではゴードン・プリスケンでどうだ??」
「・・・密通しにいくのにあからさまな名前じゃないか!却下だ!」
「では、ゴードン・バディム?」
「オリジネイターどもから離れろ!
 もういい!クォ・・ヴ、レー?・ゴードンで十分だ!」
「苛められるぞ?」
「そんなわけないだろ!?・・・で、いつ出発なんだ?」
「プレゼントだと言っただろ?今日行かないでどうする?」
「!!今日??・・・相変わらず急だな・・まぁいいか・・行ってくる」
「あぁ・・任務内容はその書類に詳しく載っているからな・・まぁ、適当にガンバレ」
「・・・適当?・・・いい加減だな」
「挑戦状、だからな・・アインに死なれても戦力が減って困るし・・
 適当に元気でやって来い!・・・連絡は怠るなよ?」
「わかっている!子ども扱いするな!!」


・・・こうしてアイン君はαナンバーズへスパイに出たのでした。



ブログに掲載したものです。