〜夏の風物詩 2〜
「こう暑いと食欲が落ちるな」
「・・・そうねぇ・・・」
げんなりしながらソーメンを食べているのはキャリコと、
その相棒スペクトラである。
「・・・そのわりに沢山食べているわよね、貴方」
「そうか?冬よりは食べていないと思うが・・・」
生姜ときゅうりを新たに汁が入っている器に垂らし、
キャリコはズゾゾゾゾ、と豪快にソーメンを食べる。
そんな様子をげんなりと見ながら、
スペクトラはあることを思い出した。
「そういえば、昔からソーメンだけはよく食べていたわね、キャリコは」
「・・・・昔・・・・?ああ・・・・」
キャリコは箸を置くと、
ニヤリと笑って豪快に笑い始める。
「!!な、何よ??急に笑い初めて・・(変な人ね!)」
「・・・いや、なに・・あの頃のことを思い出したらおかしくてな・・・」
「・・・え?」
フフ・・・と笑ったキャリコは箸を置き、
長い足を組みなおし、テーブルに肘をついて話し始めた。
「アレがいるときは流しソーメンをしていただろ?」
「・・・・(そういえば)」
流しソーメン・・・・、
竹を半分に割ものなどを繋ぎ合わせ、
頂上から水と一緒にソーメンを流すものである、が、
箸がうまく使えないとなかなかソーメンにありつけない、
なんとも惨いソーメンの食べ方である。
「アレと流しソーメンをするときは年の功で俺が頂上に近い場所にいた」
「そうだったわね・・・」
「・・・俺は流れてきたソーメンを一括でとり、
下座にいたアレは気持ち程度のソーメンにしかありつけず、
目に涙を溜めて俺を睨みつけてきたものだ」
「(・・・思い出したわ!それが理由で私は流しソーメンを禁止にしたのよね)」
「小さな身体をプルプル震わせて文句を言う姿にゾクゾクしてな。
俺はツイツイ意地悪をしてしまったのだ」
「(SだかMだかわかんない男ね)」
「ま、そのかわり夜はたっぷり可愛がってやっていたが・・・」
「・・・・」
はっはっはっと豪快に笑いながら再びソーメンを食べ始めたキャリコに、
スペクトラは重く息をつく。
「(あれからアインが麺類を嫌いになったのよね・・。
どうにかソーメン以外は食べるようになったけど・・、
ああ・・可哀想なアイン・・・。
記憶をなくしたとはいえあの子は可愛い弟・・・!
夏のソーメンにないてないといいけど・・・)」
ありがとうございました!
ただのギャグで申し訳ないです!
機会があれば続きを書いて、
BLにもっていきたいものですね!
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