夏風はなんとやら
「クシュンッ」
「あら?アラド、風邪?」
「大丈夫か?」
「どうだろ?風邪なんてここしばらくひいてないし・・・?」
「でも・・・顔赤いわよ?」
「それに、声もなんとなく鼻声だな・・・」
「ん〜そう?じゃあ風邪なのかな・・・?ああ、なんかそう思ったら急に眩暈が・・・・」
バタンッ
「「アラド!?」」
季節は夏真っ盛り。
暑いので図書室に涼みに行こうということになった、
クォヴレー・ゼオラ・アラドの三人は、図書室に行く道中
アラドの異変に気づき、現在に至る。
「まったくもう!!何でそんなになるまで気づかないのよ?バカバカバカ!!」
「お前・・・仮にもオレは38℃もある病人だぞ?もうちょっと優しくしてくれよ」
「ジューブン優しいでしょうが!!こうしてクォヴレーと2人看病してあげてるんだから!!」
「・・・ゼオラ、病人というものは普通食欲がなくなるのではないのか?」
「・・・世間一般的にはそう言われているわね」
アラドの手元を見ると、卵粥大盛り(3杯目)、桃の缶詰(4個目)、アイスクリーム2個
他にも病人が好みそうな食品が数点・・・
「(・・・病人の癖に普段のオレの3食分より量が多い気がするのは気のせいか・・・?)」
「ん?クォヴレー、お前も桃食べたいのか?」
「い、いや・・オレはいい・・アラドが全部食べろ」
「まったく、本当に病人らしくない病人ね!!」
「・・・そうだな。それにしてもアラド、良かったな。風邪ひけて」
「・・・・」
「・・・・」
クォヴレーの台詞に2人は言葉が出なかった。
一体全体風邪を引くことの何処が良いと言うのか??
「お前・・オレが病人だと嬉しいの?」
「いや。心配だが、オレが言いたいのはそういうことではなく・・・
アラドはいつもゼオラに『バカバカ』言われて落ちこんでいるだろう?
『オレが馬鹿なのは風邪ひかないからだ』とも言っていたし。
無事風邪がひけてアラドは馬鹿ではないことが証明できたじゃないか」
そこまで言い終わり、アラドをみてみると何故かひどく落ちこんでいる。
先ほどまで元気な病人(?)だったのに今はもう病人らしい病人に見える。
頭に??を浮かべながらゼオラをみると複雑そうな顔をしながら
「あのね、クォヴレー・・・今は夏でしょ?」
「そうだな」
「夏風邪は、『馬鹿がひく』と言われているのよ?」
「!?そうなのか」
「・・・やっぱ、オレは馬鹿なんだ・・・」
「い、いや!アラド、そんなことはないぞ!!むしろ病人なのに普段のオレより
食べ物を食べられるところなんて尊敬に値する!!」
「慰めになってね〜!!」
「だ、大丈夫よアラド!!がんばって冬にも風邪を引けばいいんだから!!」
「意味わかんね〜!!」
クォヴレーとゼオラはその後落ち込みまくってしまったアラドを元気付けるため、
アラドの好きな食べ物を山ほど用意したという。
そして単純なアラドは風邪が治るといつもの調子に戻っていたそうな・・・
・・・突発的に思いつきババッと打ったのでここで終了。
そして今、この時期なのに夏のお話。
やまもおちも意味もない短文・・・。
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