ライディースはその人物を見るなり驚いてしまった。
いつも身なりをきちんとして威厳に満ちている上司が、
ボタンを一つ留めただけの乱れた姿で現れたからだ。
「・・・いないか」
場所は図書館。
小さく響いた低い声。
リュウセイのいびきが煩くて非難してきていたライであったが、
イングラムは余程慌てていたのかライには気付かず出て行ってしまった。
「(あの姿・・・、ついに手を出して逃げられたのか??)」
などと小さくため息をついたら再び図書館の扉は開かれた。
イングラムが戻ってきたのだろうか?と視線を入り口に戻すと、
ライは別の意味で息を呑んだ。
幻でも見ているのだろうか?
目を瞬かせ目を擦る。
けれど入ってきた男は紛れもなく『彼』であるようだ。
だが何かが違う。
服装がさっきと違うというのもあるが・・・・。
男は入り口近くの椅子をひき、おもむろにタバコを取り出した。
火をつけ口に含み、煙を吐き出す。
そして何かを思い出したのか、フッと黒い笑みを浮かべたのだ。
ライは武者震いがとまらない。
今見た顔も紛れもなく『彼』だ。
・・・・だが、何かが違う。
「(ドッペルゲンガー、か??いや、まさか・・)」
〜真実〜
イングラムは早足で戦艦中を歩き回る。
真夜中であるので人気がないのが幸いだ。
こんな身なりで慌てている様子など見せられたものではない。
『明日全てを話す』と腕の中に抱きしめて眠って筈の存在が、
フと目を覚ますとどこにもいなかったのだ。
どこに行ったのか見当もつかず、
着るものもままならぬ姿でかれこれ1時間は探している。
だがどこにもクォヴレーはいないのだ。
「(これだけ探していないということは・・・格納庫?)」
あの場所はまだ行っていない。
イングラムは急ぎ足で格納庫へ向かった。
だが格納庫へつくと予想に反してガランとしていた。
封印がとかれたベルグバウの近くへよってみるが気配がない。
仕方なくひ引き返そうとした時、入り口近くのトイレが目に留まった。
「(薄着のようだし腹でも壊して・・・見てみるか)」
トイレの扉を開ける。
するとイングラムの眉に一瞬にして縦に皺が入った。
「(この匂い・・・)」
男が欲望を満たしたときに放つあの匂いが僅かながらに残っているようだ。
普通の人間であれば見逃してしまうような僅かな匂いだが、
イングラムには手に取るように分かった。
匂いの一番強いドアを開ける。
中に入り扉を閉めると今度は唇を噛み締めた。
そこにはくっきりと手形が残っている。
精液でもついていたのか白い手形だ。
その手形の上に自分の手を乗せるとイングラムは更に唇を噛み締める。
「(・・・クォヴレー)」
その手形はまぎれもなくクォヴレーの大きさだ。
そしてその場所には自分達だけが感じ取れるもう一つの気配も残っている。
「(・・・連れて行かれたか?)」
トイレを出、とりあえず自分の部屋へ戻ることにする。
その間もイングラムの表情は冴えないものであった。
「(まだ何も伝えていない・・、誤解されたまま・・終わるのだろうか?)」
彼にしては珍しく消沈した様子でなんとか部屋までたどり着いた。
そしてドアの解除キーに手を伸ばした時、
落ち込んでいた表情に生気が戻った。
「(いや、諦めるのはまだ早い。奪われたら取り戻せばいいだけ。
言いたいことは沢山あるし、教えたいことも沢山ある)」
意を決し、暗証番号を入力する。
すると開いたドアの向こう側から水音が聞こえてきたのだった・・・・。
同じ頃、格納庫にはもう一つの気配があった。
「(どうやら行ったようね。見つかるかと思って冷や冷やしたわ)」
物陰から現れた女は仮面を外すと、クシとムースで自分の髪をまっすぐにセットしていく。
「(キャリコと合流する前に私も一つ、やらせてもらうわよ)」
服を脱ぎ、用意しておいた白い制服に着替えた。
全ての準備を整え、暗い格納庫の中出来上がった『自分』を見つめる。
そこには自分であって決して自分ではない女が完成していた。
「(これで完璧・・・・、あの女、どんな顔をするかしら。
この姿で私が現れたら・・・、私達がアインを取り戻したら・・・、
一泡・・いいえ、二泡くらいふくのかしらね・・・・)」
鏡の中の美人は冷たい微笑を浮かべる。
それはアインもキャリコすらも見たことのない氷の微笑だった。
水音に驚きイングラムは急いでバスルームの扉を開ける。
そこには探しても探しても見つからなかった少年、クォヴレーがいた。
「クォヴレー」
名前を呼ばれるとクォヴレーはゆっくり振り返ってきた。
だが目は虚ろで何も映してはいないようだ。
イングラムは知っていた。
クォヴレーに何が起きたか知っていた。
以前はどうあれ『クォヴレー』としては初めてであったであろう『セックス』。
そのことに衝撃を受けているのか。
それともその前に自分がした行為にショックを受けているのか、それは分からない。
「・・・探したぞ・・・いないから、焦った」
だがイングラムは何も知らない風を装って話しかけクォヴレーに手を伸ばす。
だが、
「!!」
伸ばした手はバチンと払われ、
イングラムをすり抜けクォヴレーはバスルームを後にする。
頭からバスタオルを被り、
警戒したように部屋の隅で追いかけてきたイングラムを睨んでいた。
足元にはポタポタ雫が垂れている。
「クォヴレー・・、風邪をひく」
「・・・風邪?」
クォヴレーはかすれた声で聞き返した。
その目は心底軽蔑したようにイングラムを捉えていた。
「オレが風邪をひこうと、お前には関係ないはず」
「(お前?)」
息を呑み、信じられないとクォヴレーをみた。
素直なクォヴレーは敬語を使えと言えばずっと敬語で話しかけてきていたし、
まさか『お前』などと言ってくるとは予想外もいいところだ。
「オレは・・お前にとって捨て駒・・・風邪をひこうが痛くないだろ?」
「・・・・・」
「いや、それ以前にオレは・・・」
クォヴレーの声が小さくなった。
目が悲しげに伏せられたが直ぐに冷たく睨む顔へ変わる。
「それ以前にオレは人形だから風邪はひかない」
そして皮肉たっぷりに言ったのだった。
イングラムは顔をしかめる。
部屋の端に逃げているクォヴレーへゆっくり近づき、
イングラみもまた皮肉な表情を浮かべて見せた。
「なんだって?よく聞こえなかった・・・もう一度言ってくれないか?」
「何度だって言ってやる」
「・・・・・」
「オレはお前の捨て駒、人形!」
「お前は人間、と、さっき何度も教えただろ?」
「そうしないと都合が悪いからだ」
「・・・都合?」
イングラムの眉がまた少し上がった。
「少しでも手なづけておかないと、切り捨てた時・・仕返しされると思って・・」
「仕返し?(子供じゃあるまいし・・・・いや・・・)」
クォヴレーの身体がプルプル震えている。
部屋が寒いからではない。
きっと怒っているから震えているのだろう。
「(そうか・・子供だから信じやすい・・。
そして信じていたものに裏切られたと思っているから・・怒っているのか。
だがまだその感情をどうしたらいいのか分からない。
分からないから余計・・・・・イラつく、自分に・・・)」
「・・・あの男に会った」
「・・・・・・・」
「どうしてここにいるのか分からないが・・・あの男は言った」
クォヴレーはあと少ししかない自分と壁の間の距離をジリジリ後退していく。
イングラムが近づいてくるから無意識に逃げようとしているのだろう。
「あの男は怖い・・怖いが言っていることはいつも真実だ」
「・・・・・・」
「少佐、貴方・・・お前、は、オレに優しさをみせてくれる。
だが真実を言ってくれることは・・・ほとんどない」
「明日、何もかも話すといっただろ?」
「・・・オレは今知りたい」
「・・・・・」
ふぅ・・・とイングラムはため息をついた。
それが癇に障ったのかクォヴレーはキッとイングラムを睨んだ。
「セックスしたんだ!」
「・・・・!」
癇癪を起こした子供のようにクォヴレーは怒鳴った。
「オレだってセックスくらい知っているし・・できた!」
突然何を言い出すのか、
第一、言われなくともイングラムは分かっている。
クォヴレーには見えていないが握る手はワナワナと震えている。
「あの男は言った」
「・・・・・・・」
「・・・お前に・・何回許したのか、と」
「・・・・・・」
「一度もないと答えたら・・・笑われた」
「・・・・・・」
「・・・少佐がオレを・・・抱・・・かないのは捨て駒だからと」
イングラムが一歩間合いを詰める。
クォヴレーは一歩壁際に下がる。
「・・・!」
だが背中に壁が当たり、そこが最終地点だと教えてくれるのだった。
「・・・それで?」
「?」
「お前はあの男の言葉を信じたのか?」
「・・・・・っ」
「俺にとってお前は捨て駒だと、信じたのか?」
「・・・・っ」
「・・・信じたんだな?」
「それは・・・・痛っ!!」
まだあったはずの間合いが既になくなっていた。
大きな身体は目の前に迫ってきており、
クォヴレーの手首を掴み捻っていた。
頭から被っていたバスタオルは床に落ち、
クォヴレーは全裸になってしまう。
「・・・放・・・せっ」
「・・・心外だな、俺ではなくあの男の言葉を信じるとは」
「・・・お前・・・お前、が・・・痛っ」
「お前?」
「・・・・っ」
見たこともないイングラムの怒気にクォヴレーはちょっと怖気づいてしまう。
イングラムの目が一瞬金色に変わった・・・ように見えたからだ。
「お前・・・おま、え・・が・・・っ、うっ・・・」
『お前』と言うほどにイングラムの力は強くなっていく。
とてもではないがこれ以上は堪えられないと、
クォヴレーは身体を捩りながら妥協するしかなかった。
「お、ま、え・・・貴方が・・・何も言ってくれないから・・・、
あの男の言葉を信じるしかない・・・・」
「明日言うといった」
「・・・今、知りたい・・・」
「・・・・ふぅ」
どうやらクォヴレーは本当に癇癪を起こしているようだった。
今、全てをいわなければ今度こそ消えてしまうかもしれない。
少し考えクォヴレーを見れば苦しそうな表情をしている。
確かに手加減なしに捻っているのだから痛いのだろう。
ため息のあと、お前から貴方に変わったこともあり腕を放すと、
クォヴレーは慌てて床に落ちたバスタオルを拾い身体を包んだ。
「クローンなのは分かった・・・」
「・・・・・・」
「知りたいのは・・・本当に捨て駒なのかどうかということ。
捨て駒だから・・・どうせ消えるのだから、
この世の思い出にと・・・優しくしてくれて・・いた・・・のか?」
最後のほうは消え入りそうな声であった。
言いたいことは言った・・・・、クォヴレーはゆっくり目蓋を閉じた。
覚悟は出来ていた。
だから早く言って欲しい、『お前は捨て駒だ』と。
「・・・怒るぞ」
だが返ってきた言葉は想像とは違っていた。
声は怒りを抑えているのか限りなく低く、
その低さが怖くて目を開けると感情のない目がまっすぐに見おろしていた。
「明日話すとはいっていたが、俺は何度かお前に言っている」
「・・・・?」
「確かにお前と俺の関係は話していないが、気持ちは伝えている」
「・・・気持ち」
「・・・お前が好きだ、と何回か言っているだろ?」
「・・・スキ?」
「だいたい愛していなければキスしたり・・触ったりする筈がない。
・・・俺はもともと男より女が好きな人種だ」
「・・・・あ、い・・・」
クォヴレーは頭をブルブルふった。
確かにイングラムは何度か『スキ』と言ってきていた。
だがそれは人間としてと言う意味であって特別な意味ではないと思っていた。
「信じられないか?」
「分からない・・・貴方は秘密が多いから」
素直なクォヴレーは正直に答える。
あまりに正直なのでイングラムは苦笑するしかなかった。
「どうすれば信じる?」
「・・・・正直に言って欲しい。なにもかも・・教えて欲しい」
「・・・・自分がクローンである理由も全て、か?」
「・・・・・・・」
クォヴレーは小さく頷いた。
そしてまっすぐにイングラムを見つめて口を開く。
「それもしりたい・・・ですが・・・今夜は・・・」
「今夜は?」
「・・・どうして・・・いつも最後まで・・・その・・・・」
言いにくいのかクォヴレーは小さな声でまごついている。
もちろん何が言いたいのか分かりはしたが、
イングラムは最後まで本人に言わせることにした。
「だから・・・その・・・わかでしょう?」
言いたいことは分かっている筈だから答えてくれ、
と、目は訴えているがイングラムはあえて首を振る。
「クォヴレーが分からないといったように、
俺もきちんと言ってもらえなければ分からない」
「!」
「・・・・・・」
あー、うー、と何度か口で言葉を飲み込み、
クォヴレーは遠慮がちにとうとう口を開く。
「どうして・・・だ、抱かな・・・かった・・・のです?」
「・・・キスや、触ったりとかあんなにしておいて、か?」
クォヴレーはコクンと頷いた。
「本気だからだ」
「本気?」
「遊びなら適当に手を出していた。
だが・・・お前は大切にしたかった・・・お前の気持ちを」
「気持ち・・・・」
「本来は同性同士でやる行為ではないから気持ちは大切だろ?」
「それは・・・つまり・・・オレは・・・・」
「・・・クォヴレーは捨て駒ではない」
「!」
イングラムの言葉に目を大きく見開き、すとんと床に座り込んでしまった。
安心して腰が抜けでもしたのか、
けれど目線は一生懸命にイングラムへ向けていた。
「あの男・・・無理矢理だった・・・気持ち悪くて・・・でも気持ちよくて」
「クォヴレー」
「欲求不満だったのだろうか?・・・最後には・・・貴方の顔が浮かんだ」
「・・・・・」
「『イングラムを殺せ』と何回も言われ、『捨て駒のままでいいのか』と言われ、
少佐を信じたかったけど・・・信じられなくて・・・苦しかった。
でも不思議なんだ・・・貴方の顔が浮かんだ。
行為の最中、これが少佐・・・イングラムが相手だったら良かったのに、と」
見上げる頬はだんだん赤く染まっていく。
イングラムは床に膝をつきクォヴレーの肩に手を置いた。
「・・・こんなに簡単なことだったんだな」
「・・・・何がです?」
「もっと早くに話し合っていれば、話していればすれ違わずにすんだ。
・・・寝取られずにすんだわけだ」
「!!」
ボッと顔にに火が付くクォヴレーはそのまま顔を背けた。
バスタオル越しに置かれているイングラムの手から温もりが伝わってきて、
何故か身体が火照り始めてきている。
「(あんなに少佐に絞られて、あの男に抱かれてそれでもまだ・・?)」
「震えている」
「・・・え?」
「肩・・・、寒いのか?」
痛いくらいにイングラムはクォヴレーを見つめながら聞いてきていた。
流石にこの状況で勘違いするほどクォヴレーも鈍感ではない。
イングラムが言いたいことの意味は分かっていた。
「寒いのか?」
「・・・寒い・・・少・・・イングラム、暖めて・・・くれるか?」
まさかそう答えてくるとは思わずイングラムは一瞬動きが止まってしまう。
経験上、今までならそのまま直行するのだがクォヴレー相手にはそうもいかない。
慎重に行動しなければならないのだ。
「俺は・・・しつこいぞ?暖まっても・・・まだ暖め続ける」
「かまわない・・・体力には・・・自信、ある」
クォヴレーは微笑んで答えて見せた。
「(聞きたいことはまだある、オレのどこが好きなのか、とか、
クローンである理由とか、色々・・・、だがとりあえず今は・・・)」
ウットリとした表情のまま目蓋を閉じていく。
するとイングラムが微笑む気配がし、唇に触れるだけのキスがおりてきた。
「・・・・んんん・・・ん・・」
汗で滑る肩越しから顔をのぞかせ喘いでいると、
頬に暖かい手が触れ優しく唇が重なってきた。
何度目のキスか覚えていない。
けれど彼は何度も何度もキスをしてくるのだった。
ギシッとベッドが軋むたびに身体いっぱい彼のモノで満たされ、
もう一度軋むとそれを放したくなくて、彼の腰に絡めた足に力をこめ喘いだ。
「んぅ・・・ん・・・」
イングラムの頭を抱きこみキスを貪る。
「・・・、クォヴレー・・・・」
「・・・ふ・・・んっ・・・あっ・・あぁっ」
唇が離れると切なげに眉を寄せたイングラムが数度強く突き上げ、
クォヴレーの上で低く呻いた。
「・・・・っ」
身体の奥に感じたイングラムの熱に背を仰け反らせクォヴレーも果てる。
「・・・あ、・・・はぁ・・はぁ・・・んっ」
身体の中から圧迫感が消えていく。
だが外側の圧迫感は消えなかった。
いつものようにイングラムが正面から身体を抱きしめてくれているからだ。
「・・・大丈夫か?」
「・・・・・ん・・・気持ちよかった・・・」
「そうか・・・俺も・・良かった」
イングラムの言葉にクォヴレーは赤くなって微笑む。
頬を頬に摺り寄せトロンした表情で口を開いた。
「・・・気持ちよかったから・・・眠い・・・」
「・・・!・・フッ」
「・・笑い事じゃ・・ない・・・、聞きたいこと・・まだ、ある」
「明日があるだろ?」
「明日・・・あし、た・・・、明日は・・また日常・・?」
「ああ、いつもと同じ日常だ。だから話す時間もある」
「同じ日常・・・・」
「そうだ。・・・俺が明日の晩も狼になる、という以外は同じだ」
「・・・・おおか・・・・み」
「クォヴレー・・?」
すでにクォヴレーは意識を手放していた。
短い時間に色々あって疲れたのか、とても深い眠りのようだ。
だが表情は自分の秘密を知った時とは正反対に赤見がさしており、幸せそうだ。
クォヴレーの可愛らしい寝顔をいつものように堪能し、
細い身体と自分の身体を更に密着させ目を閉じた。
いつもなら火照って仕方ない身体も、
満たされた今夜は消沈しており、
人肌を感じながら眠りにつく喜びをイングラムは初めて知るのだった。
何かを感じ取ったのか男は恐ろしい顔でテーブルにタバコを押し付けた。
「(・・・抱いたか・・・どこまでも嫌なやつだ・・・オリジネイター)」
『アイン』とイングラムの空気が険悪になったまではうまくいったと思っていたのに、
なにがどう転がったのか、途中から二人の放つ気配が深く混ざりあうものに変わっていた。
『あの時』と同じ気配だった。
『アイン』が裏切り誰かに好きにさせたあの晩と・・・・。
「(まぁ、いい・・・どうせ今夜限りだ。
スペクトラも動き出したようだし・・・アインはもう直ぐ完全に戻ってくる)」
男はゆっくり立ち上がり図書館を後にした。
一体何をしに図書館にきたのか、
奥で息を殺していたライはゆっくり男がいた場所まで近づきタバコを拾った。
「タバコは机ではなく灰皿だろう・・少佐もどき・・・」
頭が混乱しているのか、
とりあえずタバコを拾いフラフラ部屋へ戻っていくのだった。
のちにライの見たこの光景はイングラムを助けることになる。
ありがとうございました。
ついに手を出したのね、な話でした。
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