シリアスBL6
 

お菓子をくれないリュウセイに、
クォヴレーは悪戯を開始しようとする。




けれどもその悪戯に3人は生唾を飲むハメとなるのである。





〜トリック・オア・トリート 3〜





ピタッと白い手が頬に添えられた。
目を見開きどんな悪戯をされるのか?と待っていると、
クォヴレーの少女のような顔が近づいてくるので
リュウセイは心のそこから焦った。
確かにリュウセイは恋愛沙汰に疎い。
だからといってキスを知らないわけではないし、
その先のことももちろん知っている。
知っているが・・・・・

「う、うわぁぁぁぁーーーー!!」

力任せに近づいてくるクォヴレーを引き剥がし、
蟹歩きでヴィレッタの背後に隠れる哀れなリュウセイ。
一方のクォヴレーはキョトンとそんなリュウセイを見つめる。
そしてヴィレッタも目を瞬かせクォヴレーを見てくる。
イングラムはというと、顔には出していないが内心では相当焦っていた。

「少尉、どうして逃げるのです?」

お菓子がないのだから悪戯する権利のあるクォヴレーとしては、
腹立たしいことこの上ない。
無表情ながらも少しだけ口をへの字に曲げ、
ヴィレッタの背後に近づいていく。

「悪戯、していいはずでしょう?オレは」
「そ、そそそそそそりゃそーなんだけど・・・」

リュウセイは本当に焦っていく。
確かに普段何かと冷たいクォヴレーと仲良くなりたくて、
ハロウィンをネタに仲良くなろうとはしていたが、
いかんせん、クォヴレーがしようとしている悪戯は行き過ぎを否めない。

「クォヴレー・・・あのさ」
「なんです?」

ジリジリと縮まっていく距離に冷や汗が止まらないリュウセイ。

「あのよ・・もうちょっと・・その・・・違う悪戯にしねーか??」
「違う?」

眉間に皺を寄せクォヴレーは首をかしげる。
なぜならリュウセイの言っていることはチンプンカンプンであるからだ。
クォヴレーはハロウィンというものの知識がない。
数日前、イングラムに教えてもらった程度の知識しか持ちあわせていないのだ。
そしてその時の悪戯がクォヴレーにとっての悪戯の全てであり他にはない。

「何わけの分からないことを・・!?もがががが??!」

その時だった。
急に背後から羽交い絞めにされたかと思うと、
大きな手に口をふさがれ言葉を発することを封じられる。

「ふく・・ふぐぐぐぐ???」

両手両足をバタつかせるが腰を抱かれているのでビクともしない。
背後を振り向き、必死に暴れるがその人物は離してはくれなかった。
それどころかクォヴレーを軽々と肩に担ぎ上げ、
荷物を運ぶかのように部屋を後にしようとする。
短いスカートの裾からは下着が見えそうであったが、
誰もが焦っているらしいイングラムの行動に驚いたので、
そんなことは気にもとめなかった。

「少佐!!何を!」
「・・・急用を思いついた・・ではなく出来たのだ。執務室へ帰るぞ」
「え?」

イングラムは一度もヴィレッタやリュウセイにふり返ることなく
その部屋をそそくさと後にする。
残されたリュウセイはポカーンと口をあけ、
ヴィレッタは苦笑いを浮かべながら黙って見守ったのだった。
二人は滅多に見れない彼の慌てぶりに突っ込む、
ということも忘れていたようだ。


「仲良くなりそびれたわね?リュウセイ(それにしても墓穴を掘るなんて珍しいわね)」
「あ・・あぁ・・・ははは・・はは・・(一体なんだったんだ??)」











「あっ」

執務室(正確には二人の寝室であるが)へ戻ると、
ベッドへ投げられるクォヴレー。
身体が軽いからか、ベッドの素材が結構良いのか・・・、
(おそらく前者だろう)数回ベッドで跳ねてしまいながらも、
必死に体勢を立て直そうとするが、
立て直す前にイングラムが上から覆いかぶさってきて
クォヴレーの両手首を頭上で固定してしまった。

「・・っ、・・しょ・・うさ?」

イングラムの大きな手に手首を掴まれている。
身を捩り外そうとするが、
動けば動くほど掴まれている力は強くなり、
覆いかぶさってくる体重が重いものとなっていくのだった。

「クォヴレー・・・」

低い声がクォヴレーの耳元で囁いた。
少し怒っているようなトーンだが、
何故か身体に鳥肌がたつクォヴレー。

「クォヴレー」

もう一度呼ばれ、返事をしようとするができない。
なぜなら声を出そうとすると、変な声を出してしまいそうになるからだ。

「聞かせろ・・・、リュウセイにどんな悪戯をする気だった?」
「・・・・っ」

クォヴレーの身体がビクンッと跳ねた。
耳元で喋らないで欲しいと頭を横に振るが、
その行動を『言いたくない』と判断したイングラムは、
更に唇を耳元へ近づけ質問する。

「言え・・・、どんな悪戯をする気だったんだ?」
「・・・、っ・・・それ、は・・・」
「それは?」
「少・・・佐が・・教えてくださった・・通り・・・の」
「俺が?・・・俺はどう教えた?」

覆いかぶさっていた身体を起し、
手首の戒めを開放し、震える身体を見下ろしながらイングラムは聞く。
耳から唇の気配が去ったことに安堵の息をつきながら、
クォヴレーは真っ直ぐにイングラムを見つめて答えた。

「貴方はあの時、『悪戯をする』といったとき、オレの唇を塞いできました」
「・・・・・・」
「つまりハロウィンの悪戯とはあの行為のことなのでしょう?だから・・・」
「・・・・・・」

イングラムを見つめる瞳はあくまで真っ直ぐであった。
流石にそこまで『無垢』であると、
さしものイングラムもこれ以上はどうこう言えない。
それにあのキスの後、クォヴレーの態度が変らなかった理由も理解できて、
少しだが安心したのも事実なのだろう。

「(・・・無視されていたわけではないわけだ)」

ベッドに横たわりながら一身に見つめてくる瞳を覗き込む。
そして徐々に視線を下に持っていけば、
むき出しの白い太ももが目に留まりゴクンと無意識になる咽。
イングラムは自嘲するようにクスッと口端で笑うと、
視線を再び真っ直ぐな瞳へ戻すのだった。

「(・・・自分が変態とは思わなかったが・・・だが・・・)クォヴレー」
「・・・はい?」
「お前、全くハロウィンを堪能していなかったな?」
「・・・ええ・・それが?(なんだか話が変ったな?)」
「・・・周りに気兼ねしてだろうが・・・興味がないわけではあるまい?」
「・・・それは・・・」

真っ直ぐに見つめていた視線が不意に反らされる。
けれども瞳が動揺に揺れているのをイングラムが見逃すはずもない。
記憶がなく、他人と距離を取っているクォヴレーは常に独りだ。
おそらく夜中にイングラムのベッドに忍び込んでくるのも、
独りの孤独が無意識に誰かを求め、やってしまうのだろう。
ならクォヴレーを手に入れるには
辛抱強くその心を開かせ愛情を与えてやればいい。

「・・・今からでも遅くない。俺とハロウィンをしよう」
「・・・・少佐と?」
「そうだ・・・、さぁ、呪文をどうぞ?」
「え?・・・えぇ、と・・・その・・・」

クォヴレーは焦ってしまう。
いきなり言われて困ったというのと、諦めていたハロウィンを
よもやこんな形で体験できるとは思っていなかったのだろう。
何度もどもるがその度にイングラムの優しい瞳がクォヴレーを捕らえ、
逆らえなくなっていく・・・・。
そしてモゴモゴと口を動かしながら、やっとの思いで呪文を口にした。

「ト、・・・トリック・オア・トリート?」

言い終えると部屋の空気が温かいものに変った。
イングラムが目じりを下げて微笑みを浮かべ、
思わずその顔に見惚れてしまうクォヴレー。
鼓動は早まり、息が苦しくなる。
けれどもクォヴレーはそれがどうしてなのか分からない。

「・・・最後が疑問系なのが気になるが・・・まぁ、いいか。
 ハッピーハロウィン!」

クォヴレーの唇にイングラムの指が触れる。
薄く開かれた唇の隙間にそれは入れられ、
クォヴレーは目を真ん丸くした。
おそるおそるイングラムを見上げればコクン、と頷いたので、
唇のそれを口の中へむかえ入れた。
舌の上にはふわふわの触感が広がり、
葉で噛み砕くと中からカボチャ味のソースが出てくる。

「・・・これは?」
「マシュマロだ」
「・・・ましょむろ?」
「マ・シュ・マ・ロだ・・・美味いだろ?」
「・・??ましょまりょ?・・・」
「・・・フッ」

マシュマロ、と言えないクォヴレーに噴出しそうないなるのを堪えるイングラム。
小さく頷きながら食べるクォヴレーはそんな彼を不思議そうに見あげていた。
イングラムも頬を緩めながら満足そうに頷くと、

「・・・お前はマシュマロのようなイメージだから用意しておいたんだ」

と言うのであった。

「オレのイメージ?」
「・・・フワフワしてて・・・甘そうな」
「・・・?」

どういう意味なのか?クォヴレーが尋ねようとしたその時、
打って変わってフッと意地悪げな顔をしたイングラムが先に口をひらく。

「トリック・オア・トリート」

イングラムの目が『今度は俺の番だ』とばかりに、
意地悪く歪んでいた。

「・・・・少佐?」
「トリック・オア・トリート」
「しょ、・・少佐・・???」
「今度は俺の番だ」
「あ・・あの・・・」

呪文を繰り返すイングラム。
しかしクォヴレーはどうしたらいいのか分からない。
なぜならお菓子を用意していないし、
意地悪げな笑みを浮かべ子供のようにはしゃいでいる様に見えるイングラムに
内心驚いているのだ。

「クォヴレー、お菓子は?」
「・・・そ、それは・・・」
「・・・ないのだな?」
「(何故だ・・・?何故・・この人に見つめられると・・動けない?)」

イングラムの指が唇をなぞる。
クォヴレーは見つめてくる視線から目をそらすことがっ出来ず、
お菓子がない事実を認め頷くことしか出来ない。
するとイングラムがわざとらしくため息をつき、
大きく肩を竦ませて言った。


「・・・なら仕方ない・・・悪戯するとしよう」


意地悪げな笑みが更に意地悪く微笑むのを、
タラリと冷や汗を流しながらクォヴレーは見た。

















クォヴレーのスカートは捲りあがり、
靴下も片方脱がされていた。
両手は後ろ手に縛められており、
手を縛めているのは脱がされたオーバーニーの靴下。

裸足の脚がシーツを力なく蹴った。

「・・・あっ、あっ・・」

女の子の格好をしていたので当然下着も女物のクォヴレー。
白いレースの下着は盛り上がりシミを作り始めていた。
イングラムは右手で盛り上がった性器を揉み扱き、
左手で太ももを撫で回している。

「・・・あぁ・・いやらしいな・・・こんなに大きくなってしまって」

盛り上がりを揉む力が強まり、クォヴレーは背を撓らせた。
最早自分が何をされているのかさえ理解するのが苦しいようだ。
ただ布越しの愛撫は物足りないのか苦しげな声を漏らしている。

「・・・っ、・・ぅ・・・」

腰をモジッと捻らせる。
もっと触って欲しくて、もっと強い刺激が欲しくて、
クォヴレーは必死に腰を捻らせる。

「・・・っ・・しょ・・さ・・しょう、さぁ・・っ」

すでに呂律は回らなくなってしまった。
口から涎を流し、必死に腰を蠢かす。

「・・る・・して・・許し・・て・・しょ・・さ・・」
「何を許して欲しいんだ?」

前かがみになり、クォヴレーの耳元でいやらしく囁く。
すると握っているクォヴレーの性器がビクビク震え大きさを増すのだった。

「・・・許して・・・」
「・・だから何をだ?」
「お菓子・・お菓子・・・なくて・・・すみませ・・うぅ」
「そうか・・お菓子がないことか」

下着越しに性器の先をクリクリ悪戯しながら、
クォヴレーの耳に息を吹きかけながら言葉を話す。
布越しに触れるソレが熱が熱さを増し、硬度も増していく。
ここ数十分で、イングラムはクォヴレーの弱い場所を制覇しつつあった。
的確に弱い場所を責め、落そうとしている。

「すみませ・・・、許し・・・も・・悪戯・・やめて・・下さ・・」
「気持ちよさそうなのに?」
「・・いい・・いいけど・・・やだっ」

我を忘れクォヴレーは子供のように泣きじゃくる。
クールで大人っぽい彼からは想像もつかない態度だが、
イングラムは寧ろソレが嬉しかった。

「(やはりこの子は人間だ。嬉しいも哀しいも・・気持良いもわかる人間。
 ・・・そしておそらく俺の心に住まうことの出来る唯一の・・)」
「・・しょ・・さ・・・許して・・・」
「クォヴレー・・・」

耳たぶが熱い唇に喰われた。
ハムハムと何度も噛まれそれにも敏感に反応を示すクォヴレーに
イングラムはことの他優しく問いかける。

「悪戯、止めて欲しいか?」

救いの手のような問いかけに、クォヴレーは何度も縦に首を振るう。
目に涙を溜めて必死にイングラムを見つめながら。

「止めてもいい」
「・・・ほ・・・んと?」
「ああ、本当だ。ただし条件がある」
「・・・じょ・・けん・・?」

何?とひたすら真っ直ぐにイングラムを見つめる。
一方のイングラムは性器に触るのを一旦やめ、
クォヴレーの女物の下着の両端に指をかけた。
そしてスルッと下にひき下ろそうとしたが・・・。

「あっ・・!なに・・を!!・・止めてくださ・・っ!!」

下着を脱がされそうになったので、
そうはさせるか!と足をバタつかせるが手を拘束され、
施されていた愛撫によって体の力が抜けているクォヴレーには、
下着が無慈悲に下ろされていくのをただ見守るしかなかった。

「・・・フフフ・・、元気に天井に向いて」
「やめろ・・・やめ、て・・言うな・・・」
「何故?元気なのはいいことだろ?」
「う、う、・・・うぅ・・・」

下着を膝の辺りまで下ろされたクォヴレー。
当然中に隠れていた性器は今やイングラムの前に堂々とその姿を主張している。
羞恥に襲われたクォヴレーは上気している肌をもっと赤くさせ、
この時間を終わらせようと訴えた。

「条件・・・はやく・・・見るな・・見ないで・・下さ・・」
「・・条件はな・・・クォヴレー」
「・・何・・?何・・・?早く・・・」
「イングラム、と呼べ」
「・・・・っ、イン・・・?」

とんでもない条件に頭を左右に振った。

「無理・・・」
「そんなことはないだろ?簡単なことだ」

涎垂らしている性器をそっと握る。

「・・ぅあっ」

直に触れられ、クォヴレーは身を最高潮に仰け反らせた。
切なげに眉を寄せ、息は途切れ途切れだった。
イングラムが上下に扱くたびに、
その動きに合わせクォヴレーの身体もビクビク撓る。

「さ、触るな・・!あっ・・あぁ・・」
「・・・いやらしい光景だな」

指が性器を絡めるように扱き時折扱かれる速さを、調整される。
イングラムはクォヴレーにゆっくり圧し掛かると、
拘束していた腕を外してやった。
すると待っていたかのように下半身に伸びてくるクォヴレーの白い手は、
イングラムの動きを止めようとその手に触れた。
が、メロメロに蕩けてしまっている体の力ではどうにも払えなかった。

「やめっ・・・やめっ・・・く・・」
「クォヴレー・・・、イングラムだ」
「・・・無理・・・言えない・・言え・・・んぁっ・・」
「呼ぶんだ・・・さぁ?簡単だろ?」
「出・・来、ない・・・貴方が言った・・・」
「・・・俺が?」

クォヴレーの顔に己の顔を限界まで近づけた。
互いの熱くなった身体からは互いの鼓動がよく伝わってくる。
唇と唇がくっつく位の距離感で、イングラムは尋ねる。

「俺が何を言った?」
「・・目・・目上・・・敬語・・・いやっ!!」

先端を親指で強く擦られ悲鳴を上げて身体を仰け反らせるが、
イングラムの体重に邪魔をされ出来たかった。
そればかりか、彼の体重のせいで上がっている息が更に上がってしまう。

「・・目上の者には敬語を?・・確かに言ったな」
「だから・・だから・・・!!」

目じりから涙を流し訴えるクォヴレーに微笑みながら、
イングラムはその涙を舌で拭ってやった。

「だがそれは仕事上のことで、プライベートは無関係だ。
 俺たちは今プライベートを楽しんでいる。そうだろう?
 なら、俺を『イングラム』と呼んでも問題はないはず」
「いやっ・・少佐!しょ・・ひぁっ・・あぁぁ」
「俺の名は『少佐』ではないぞ・・?お前がアインでないように」
「・・!!」

クォヴレーはイングラムの肩を掴み、驚愕の目でイングラムを見つめた。
遠くでも見ているかのような視線でイングラムを覗き込む。

「・・・どうし、て?」
「・・・・・」
「(どうしてあの男と同じように呼ぶんだ??『アイン』とは誰なんだ??)」

驚きを隠せないでいるクォヴレーに少しだけ意地の悪い笑顔を向けると、
一層強く覆いかぶさりクォヴレーの性器を苛み始めるのだった。

「い、あーーーー!!あっあっ・・」

肩を掴む力が強くなる。
ベッドも激しく軋み、クォヴレーの嬌声だけが部屋に響き渡った。

「やめっ・・・ひっ・・おかしくなる!!少・・佐!!」
「クォヴレー・・・」
「ひっ・・ん?・・・んんん・・・」

クォヴレーのくぐもった声と、
濡れた音だけが部屋に響いている。
時折、チュッという高い音が鳴るが、
すぐにクォヴレーのくぐもった声と取って代わるのだ。
イングラムの貪るようなキス。
脳天が痺れるようなキスと扱きに
クォヴレーは段々わけが分からなくなってしまっていた。

「クォヴレー・・?クォヴレー・・・」
「あっ・・ぁぁ・・イ・・イン・・・」
「・・・ん?」

唇が『イングラム』と声もなく動いたのをイングラムは確かに見た。
だがそんなのではなく、実際に声に出してくれなければ意味がない。
再び貪るようなキスを与えた後、
クォヴレーの耳元で甘く誘惑をする。

「・・・イングラム、だ」
「・・イ・・・イング・・ラム・・・」
「そうだ・・・もう一度」
「イングラ・・・ム・・・」
「もう一度」
「イングラム!・・・イングラム!!」
「クォヴレー」

絞め殺してしまうんじゃないか?というほどの力で
クォヴレーの細い身体を抱きしめる。
そして一番感じるいい場所を何度も刺激してやり、
クォヴレーに最後のときを即して行いく。

「あぁぁ・・あーーー!あっ・・はっ・・」
「・・・イけ!」
「ひっ・・あぁぁぁっぁ!!・・・ル!」

イングラムの手に生暖かい迸りが勢いよく放たれた。
しかしクォヴレーの言葉にイングラムは目を見開き、驚く。
全てを開放し、満足のいった少年はしどけなく手足を広げ、
満足げに眠りに落ちているようだ。
スカートからのぞかれるむき出しの太ももには、
何本ものいやらしい線が出来ている。


イングラムはゆっくりと手に放たれたモノと、
眠ってしまっているクォヴレーを交互に見ていた。
そして奥歯を噛みしめ、怒ったようなけれども哀しそうな表情をしている。

「・・・『ギメル』・・とはあの男のことか?」

クォヴレーは最後の瞬間、確かに『ギメル』と叫んだ。

「(ギメル・・・?3号?・・・あの男は3号か?)」

あの自分によく似た男はものすごい憎しみの目で睨んできていた。
もし彼が3号体であるならば、他の移し身寄り憎しみは大きいはずだ、
ということをイングラムは理解している。
無意識に深いため息が漏れた。

複雑な思いを胸中に占め、
イングラムは左手で気を失っているクォヴレーの頬を撫でる。
どんなに複雑な思いを抱こうとも、
一度身体についてしまった火はそうそう消すことは出来ない。
先ほどのクォヴレーの色っぽくも可愛らしい姿や声に、
すっかり熱くなってしまっている自身を、
クォヴレーの放ったもので濡れている右手で、
布の奥から取り出すのだった。

「・・・男のサガとは嫌なものだな」

クッと咽で笑った後、
クォヴレーの頬を撫でながら自身を扱き、
一気に高いところまで昇り詰めていく。

「・・・く」

ピチャッという音と共に、
クォヴレーの太ももに白濁したものが飛び散った。
少しだけ息を乱しながらもまだ萎えそうもない自信を再び扱き始めるイングラム。
そして再び一気に高いところまで昇りつめると、
再びむき出しの太ももに欲望を解き放つ。
しかしまだ熱が冷める様子はなかった。


イングラムはその後も何度も自慰を繰り返し、
ようやく熱を収めることが出来たという。
クォヴレーの腿はもうドロドロで見る影もない。
眠るクォヴレーの汚れた太ももに、
自身の濡れた右手で撫で、精液を拭っていく。
人差し指にベットリと塗りつけると、
イングラムは無意識にその指をクォヴレーの口元へもっていっていた。

「・・・・ん」

指が唇に触れると、
クォヴレーはクンクン鼻を鳴らし、小さく口を開ける。
赤い舌をチロチロだして、濡れた指を舐め始めるのだった。

「!!?」

その行動には流石にイングラムも驚き、
指を引っ込めようとしたが、
眠るクォヴレーに手首を掴まれその機会を逃してしまう。
イングラムの手首を両手で掴み、
クォヴレーはイングラムの指をひたすら舐めていく。

「んん・・・ん・・・」

チュバチュバ音を立て、指をしゃぶるクォヴレー。
その行動はあまりにも情事に慣れていて、
イングラムは切なげに眉を寄せ、だまってその行動を見守るしか術がなかったという。


「・・・かわいそうに・・アイン・・いや・・クォヴレー」

普段、冷酷な彼からは聞けない同情の呟き。

「・・・一刻も早くお前の糧を外そう」

イングラムはそっと指を口から抜くと、
クォヴレーの頭を撫で、優しく抱きしめて眠りについた。


・・・複雑な思いを胸に抱きながら。


有り難うございました。 最後のほうはほとんどハロウィン関係なかったですね〜。 次回はキャリコ再登場・・・の予定。