〜暑い日の日常2〜
アインはアイスを取ると、そのまま何故かキャリコの横に腰を下ろした。
唯でさえ狭い窓辺が更に狭くなったが、キャリコは黙って間を詰めた。
ビニール袋を破りアインはガブッとアイスにかぶり付く。
そして今度は表面をペロペロと舐め始めた。
赤い舌がバニラアイスを溶かし、真っ白に染めていくのがリアルにわかり、
キャリコは小さく息を呑んだ。
任務が終わり報告書を書くために動きやすい服に着替えたのか、
アインは首もとの服のボタンを2つほど外しており、
鎖骨が丸見えだった。
冷房がきいているとはいえ、窓際に座っているとそれなり暑い。
唯でさえキャリコはシャワー後、アインは任務後だから、汗がジワジワとわいてくる。
アインの白く細い咽元に汗がタラリ・・・と流れ落ちていくのが分かった。
「このバニラ、ビーンズがきいていて美味しいな」
キャリコより頭一つは小さいアインは横並びに座ってもやはり頭一つは小さい。
当然話しかけてくるときは上目使いで、鎖骨がよく見える位置だ。
己の内なる同様を気づかれないようにキャリコは生返事を返すことで堪えた、
が、不振に思ったのかアインはズイッと顔を近づけてきた。
「どうしたんだ??急に黙り込んで」
「・・・い、・・いや・・・」
喋るアインの舌がチラリとのぞいた。
赤かった舌はバニラアイスの影響ですっかり真っ白になっているので、
キャリコの頭にいけない妄想が過ぎってしまうのも無理からぬことかもしれない。
実際には全然違うのだが『白』という色が良くないのだろう。
しかもアイスを口に入れる姿は形が全然違うとはいえ、
『長いもの』を口の中に出し入れしているので嫌でも想像してしまう。
するとなんだか下半身に変な熱が出てきてしまった。
「(・・・まずいな)」
アインには知られてはいけない内なる秘密。
けれど身体は正直だ。
悟られてはいけない。
キャリコはアインから離れるべく窓際から立ち上がると、ベッドに座りなおした。
「キャリコ?」
もちろん、何も言わずにそんなことをすれば誰だって不振がる。
折角離れたというのに、アインはアイスを片手にベッドに歩いてきた。
「(!!?今は来るな!!)」
心の中で叫ぼうとも相手には伝わない。
アインはベッドに腰を下ろすと上目使いでまたキャリコを見てきた。
「なんだか汗がすごいぞ??」
アイスを口に咥え両手でキャリコのシャツ越しに身体を触ってくる。
「!!!???」
全身がザワザワした。
わざとか無意識か、アインは乳首に近い辺りを中心に触ってきた。
「シャワーの後、ちゃんと拭いたのか?汗、すごいぞ?」
残り少なかったアイスを口中で溶かしたのか、
アインは棒を口から抜くとそこには棒と口の間に唾液の線が出来ていた。
キャリコはアインがアイスの棒をゴミ箱に捨てるまでただその線を見つめてしまっていた。
全身にはダラダラと汗が流れ出てきてしまう。
アインが触れている場所にジンジン熱がこもり、
下半身はアインには言えない位の熱が集中してしまっていた。
そんなものだからキャリコは口を開くことが出来なかった。
当然、そんな態度をしていればアインが不審に思うのは最もで・・・、
気がついたときには緑の瞳がとてつもなく近くにあった。
「本当にどうしたんだ?様子が変だぞ・・・?」
「(それはお前のせいだ・・・!)」
言いたくても言えない言葉をグッと飲み込んだが、
目には白く染まった可愛らしい舌が見えてしまい、
大人の我慢も限界だった。
「・・・アインが悪い」
小さくボソッと・・・・、
けれど二人きりだけの静かな部屋では十分に相手に聞こえたことだろう。
アインが「え?」というのと同時に、
自分の胸板を触っていたアインの手を掴み腕の中に引き寄せると、
逃げられないように腕に力をこめ抱きしめた。
そして驚きに見開く目を見つめながらアイスで冷え切った唇を強引に奪った。
「ぁっ・・・・ん・・・んーーっ」
互いの唇はアイスで冷え切っていたが強引に合わせた唇は直ぐに熱くなっていく。
唇を合わせるだけだったキスも、
アインが薄く開いた瞬間を見計らって半ば強引に深いものに変えた。
夢中で口の中を犯し続ける。
強く抱きしめながらベッドに押し倒し、口を離すと、
アインは口を開きっぱなしの状態で唾液の筋が何本も出来ていた。
アイスで白かった舌は、今さっきのキスですっかり元の赤い色に戻っている。
無言のままアインを見下ろしていると、呼吸を乱したアインも見つめ返してくる。
うっすら桃色に染まった頬をしながら細い腕をキャリコにむかって伸ばしてきた。
「・・・アイ、ン・・・?」
何故、抵抗しないのだろう?
そんな疑問が浮かびつつも、アインにやられたように唇の端にキスをし、
唾液の筋を舐めつつアインの服を脱がしにかかる。
けれどアインは抵抗しなかった。
それどころか伸ばしてきていた腕でしっかりとキャリコを抱きしめ、抱え込もうとしている。
ズボンを脱がせ、男の中心に触れてもアインは抵抗はしなかった。
どんな奇跡が起こったのか、わけが分からなかったが、
キャリコはとり合えず目の前の据え膳のアイスにむしゃぶりつくのだった。
「キャリコ・・・、キャリコは確かに甘いのが好きだったんだな。
大人の男も甘いものを食べてよかったんだ。そうじゃないとコレは出来ない」
「・・・・?」
抱き合った後、ベッドでゆったりまどろんでいると、
背中を向けているアインが小さな声でそう言った。
「だって・・・コレって『甘い』だろ・・・?
・・・好きって甘いってことだろう・・・?」
身体を繋げることは甘いこと・・・、
人を好きなのは甘いこと、アインはそう言いたいらしい。
けれどキャリコはそれより何よりアインの告白に瞠目してしまう。
「・・・アイン・・、お前・・・」
「?」
「俺を・・好き、なのか・・・?」
「なっ!!今更!?」
今までさんざん身体を繋げておいてそれを聞くのか?と、
振り向いたアインは真っ赤になって怒り始めた。
「大体!好きじゃなければ男が男に抱かれるか!?」
「・・・・・いや、だがな・・・初めて聞くぞ??」
「そ!それは・・言ったのは初めてかもしれないが・・・!
だが、だが!オレはそんな尻軽じゃない!抱かれたのは好きだからだ!不愉快だ!!」
「アイン・・・・」
プイッと再び背中を向けるとアインは小さく背中を丸めてしまう。
キャリコはそんなアインを背後から優しく抱きしめると、
耳朶にキスをしながら耳元で何度も謝った。
そしてその合間に今度は自分が告白をする。
「・・・俺もずっと好きだった。だからお前と気持ちが通じ合えて夢みたいだ。
お願いだから機嫌を直してくれないか・・・・?」
謝罪と告白に怒っていたアインは困ったような微笑を浮かべていた。
「・・・・ばかっ」
と小さく罵りつつも、嬉しいのか頬は桃色だ。
まだ怒っているぞ、アピールで眉は吊り上げているが、
キャリコの頬に手を伸ばし、目を閉じてキスを強請る。
キャリコは直ぐにそれに応え優しく甘いキスを何度も与えた。
アインの眉がハの字に下がっていく・・・・。
「やはり好きは甘いんだ・・・・」
目を潤ませながらアインは何度もそう口にしていた。
お菓子の甘いと、感情の甘い・・・、
意味合いは全く違うが素直なアインの告白は嬉しい。
キャリコは思わず微笑んでしまう。
「そうだな・・・、・・・その考え方は嫌いじゃない。」
有難う御座いました。
たまには甘いキャリアイです。肝心な部分は見事にすっ飛ばしてますが(笑)
ま、いつもどおり起承転結がないですが、甘ければいいんですよ!
お気づきと思いますが、今回は誘い受け・・・にしたつもりなんです。
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