〜たまにはこんな日常も1〜

『風呂上がりには冷たいイチゴのデザートを用意しておく』


イングラムは確かにそう言っていた。
今が旬のイチゴ。
よく冷えたその上にコンデンスミルクをかけたらとても美味しいに違いない、
と、なかばウキウキ気分で風呂からあがったクォヴレーは、
その瞬間にわかには信じがたいものを見たのだった。





約束通りイングラムはイチゴを器にもりつけ、
コンデンスミルクまで用意して待っていてくれた。
おまけに度数の低いシャンパンまで用意してあるではないか。

いや、別にいいのだ。
いつもの如く至れり尽くせりなので、今さら驚いたりはしない。
だがクォヴレーは、今、イングラムがしている行動に驚きが隠せないのである。




イングラムは必死な様子だ。
クォヴレーに気が付かないくらいに必死だ。



…必死にイチゴの『ゴマ』をとっている。
一体彼は何がしたいのか!?



…クォヴレーには理解不能であった…。



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