〜たまにはこんな日常も2〜
「・・・何しているんだ?」
イングラムの不可解な行動に、彼の前に立ち見下ろしながら尋ねる。
するとイングラムは、少しだけ頬をピンクに染めて言うのだった。
「・・・ゴマを取っている」
しかし返ってきた言葉は見ている光景そのままのものであった。
クォヴレーだって目がついているのだからそれくらいは分かっている。
だから聞きたいのはその部分ではなく、
『なぜ』、『ゴマを取っているのか』と言うことなのだ。
「だからなんでそんなことをしているんだ?」
「・・・・お前はどうしてだと思う?」
けれども言いたくないのか、質問を質問でイングラムは返してきた。
「分からないから聞いているんだろ?どうしてそんな変なことしているんだ???」
「・・・・・・・どうしても知りたいのか?」
「知りたくなければわざわざ聞いたりしない」
「それはそうだな・・・、だが本当に聞きたいのか?」
いつになくしつこく往生際の悪いイングラム。
いつもなら『聞きたくない・知りたくない』と言っても教えてきて、
エッチなことを仕掛けてくるというのに・・・・。
だがクォヴレーの無垢で真っ直ぐな瞳に見つめられていると言わないわけには行かなくなってくる。
もし言わないで、あの瞳が傷ついて揺れるのをイングラムは見たくないのだ。
イングラムは一度目を伏せ、大きく深呼吸をした後ボソッと言った。
「−−−−−−、だ」
「・・・・?」
余程言いにくいのかモゴモゴ口を開くイングラム。
よく聞こえなくて首を傾げるクォヴレーだが、
次の瞬間には確かに聞こえた。
「・・・・イチゴについているゴマは嫌いなんだ」
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