〜鳥OR鳥?〜

「クォヴレー!ゼオラ!アラド!」
「あら?アルマナ姫だわ」
「アルマナさん!こんにちはー」
「こんにちは、アラド」
「今日はどーしたんすか??なんかすごい格好してますけど?」
「地球で今日という日はこういう格好をする日なのでしょう?」
「・・・・どういう意味だ?」
「あら、クォヴレー!貴方は知らないのですか?」
「・・・・ああ、知らない。今日は何かの日なのか?」
「今日はハロウィーンよ、クォヴレー!あ、だから姫はそういう格好をしているんですね?」
「当りです!ゼオラ!」
「・・・・はろうぃーん???だがカレンダーには『友引』としか書かれていないが?」
「ぷっ!そりゃ、お前が見てるカレンダーが日本のだからだよ!
 ほら、こっち!こっちの見てみ!」
「こら!引っ張るな、アラド!・・・・ん?あ、本当だ。ハロウィーンと書いてある」
「元々、日本の行事じゃないし日本のカレンダーにはあまり書かれないみたいね。
 でも日本のでも書かれているカレンダーもあるのよ。
 クォヴレーはハロウィーンを知らないの?」
「・・・・残念ながらオレは記憶喪失の上、純粋な人間でもないからな」
「純粋な人間はかんけーねーと思うけど?」
「そうですよ!私も1週間前にはじめて知りましたし!」
「・・・・アルマナ姫も地球の方ではないですからね」
「ええ!今回がはじめての体験なので楽しみなんです」
「ふーん・・・。で、そのハロウィーンとはどんな行事だ??
 アルマナのその猫の格好は何か関係があるのか??」
「・・・・猫ではなく虎です!」
「!!そ、そうなのか??(確かによく見れば色は虎色だ)」
「今年はトラ年だからッスか〜??」
「ええ、そうです」
「(トラ年って日本だけなんだけど)可愛いですね!」
「ありがとう!」
「・・・で?その猫・・ではなく虎のきぐるみはどう関係してくる?」
「ハロウィーンは子供が仮装して大人たちにお菓子を貰い歩く行事なのよ。
 もともとはヨーロッパの行事なんだけど」
「・・・・仮装した子供なら誰でもお菓子をもらえるのか?」
「仮装するだけじゃダメだぜ〜。ある呪文を言わなきゃな」
「呪文?開けーゴマ!とかか?」
「・・・・そりゃ、呪文じゃなく合言葉だろー?」
「・・・・!そ、そうだな・・・。ではなんと言うんだ?」
「フフッ!呪文はねぇ・・・」
「『トリーオアトリー』です!」
「・・・・え?」
「・・・・へ?」
「・・・・トリーオアトリー?」
「そうです!」
「(アルマナさん、それ違うから)」
「(微妙に違うんだけど、あんなに自信たっぷりだと突っ込めないわ!)」
「どういう意味だ??鳥OR鳥だと結局は鳥しか回答がないじゃないか」
「んもう!ちがうでしょ、クォヴレー!ゼオラが言ってたじゃない」
「(!!え??私が??)」
「これはもともとヨーロッパの行事だって!」
「(・・・あ、そのことね)」
「確かに・・・・、だがそれが?」
「鳥、は日本語でしょ。でもORは英語。つまり鳥は日本語の鳥ではなくて・・・、
 そうねぇ・・・スペルは知らないけど何か別のものなのよ」
「・・・・成る程!鳥、は二つあって微妙に発音が違うということか?」
「・・・ええ、多分。トゥリーオアトォリー・・とかかしらね??」
「どうだろう??どうなんだ、二人とも?」
「え?」
「そ、それは・・・・・(二人とも違うんだけどって言っていいのか??)」
「二人も知らないのですか?」
「え?・・えっとぉ・・・、そのぉ・・・、ちょっとしか知らなくてぇ・・・。
 ・・・・じゅ、呪文はどんなだったかしら、ねぇ?アラド」
「いっ(オレかよ!?)そ、そうだなぁ〜・・・、えと・・・、
 ハッピーハロウィーン?」
「・・・・それは、呪文の後に大人が言う台詞ではないのですか?」
「!!(それは知ってんのかよ!)そーでしたっけ??」
「そうです!」
「(んもう!役立たず!どうしよう!?ヘタなこと言って傷つけてもアレだし)
 アラドは記憶違いしてたのね!えっとぉ・・・」
『・・・・トリックオアトリート』
「・・・・へ?(あ!)」
『トリックオアトリートだ』
「(クォヴレーの髪と目が青くなったわ!イングラム少佐??)」
「トリックオアトリート・・・ですか?」
「(すっげー、アルマナさん!クォヴレーの変化に動じてねぇ!)」
『お菓子をくれなければ悪戯をするぞ、と言う意味だ。』
「そうなのですか!なるほど・・・・、どこのどなたかは存じませんがありがとうございます!」
『いや・・・・、クォヴレーに恥をかかせるわけにはいかんからな』
「?・・・そうなのですか。ところでそのクォヴレーはどこにいったのかしら?」
『・・・・(目の前にいるが?と言っても信じないだろうな)彼は急用が出来たとかで出て行った』
「えぇぇぇ!?いつの間に??私、ちっとも気がつきませんでしたわ!」
「(そりゃ、そうだろうな〜。ま、アルマナさんには説明しにくいし黙っておくのが得策だよな)」
「(あまり上手い説明じゃないけど、この場合は仕方ないわよね)
 イ、イングラムさん!さっきヴィレッタさんが呼んでたからもう行かれたほうが・・・」
『(俺をここから逃がす為の台詞か・・・。流石はゼオラ、気が利く)
 ・・・・そうか、では行かなくてはな。
 クォヴレーには直ぐに戻るように伝えておこう』
「よろしくおねがいします!
 ゼオラとアラド、クォヴレーの分の仮装衣装も用意したので、
 4人で楽しみたいのです」
「え!?」
「オレらの分もっすか??」
「ええ」
「・・・・ちなみに、何を??」
「・・・・私と同じものですけど?」
「猫・・じゃなくて虎の被り物ですか?」
「ええ、4人そろうと可愛いでしょう?首のリボンの色を髪の色にしたんです。
 でもクォヴレーとゼオラが同じになってしまうから、
 クォヴレーはピンクにしました」
「・・・・ゼオラじゃなくクォヴレーをピンクにしたんスか??」
「ええ、そうですけど・・・、何か問題でも?」
「い、いえ・・・、あはははははっ(がんばれ、クォヴレー!)」
「問題はないですぅ〜。(でもクォヴレー、絶対に着ないんじゃないかしら?)」










・・・1時間後。





「嫌だ!!オレは着ない!!ピンクのリボンなんて嫌だ!!」
「まーまー、クォヴレー!最近は男がピンクでもおかしくないぜ〜?」
「そ、そーよ!!ほら!この虎、かわいいわよ〜??」
「男が可愛い必要はないだろう??オレは着ない!」
「・・・・そんなに嫌なのですか??」
「・・・・ピンクでなければ考えてもいい」
「どうして?だってピンクは男性の色でしょう?」
「・・・・まぁ、男の人が着て悪いわけではないですけど・・・」
「テレビでピンクのベストを着たお笑いさんがいたから、男の人の色だと思っていたのに」
「・・・(それって・・・・)」
「(ま、まさか・・・・)」
「と・に・か・く!オレは着ないぞ!!」
「クォヴレー〜(着てやれよ!)」







・・・・・けどさらに1時間後にはクォヴレーはそれを気ながら艦内を歩いていたという。
どうやって納得させたかは誰も知らない。






有難う御座いました。 ブログにUPしていたものです!! ちょっと(?)加筆しました。 戻る