食べ物と物、どちらがいい?
もうすぐ誕生日だからと、
東武東上は西武池袋にそう聞かれた。
食べ物=ケーキ、
物=生活必需品
と、そんなことを考えた東上は、
物、つまり生活必需品には今のところ困っていなかったので、
それならば、と越生と一緒に楽しむことが出来る『食べ物』と回答した。
その時になぜか西武池袋がニヤリと笑ったのには気づかないフリをして・・・。
〜一応、聞きました〜
ドスン、バタン。
その詰め所からは先ほどからそんな音が聞こえてきている。
目の前を誰か(例えば真面目なメトロ有楽町とか)が通りかかれば、
不審に思って、ドアを開け尋ねてくるかもしれないが、
その場所は生憎と彼、有楽町は滅多に通りかかる場所ではなかった。
まぁ、つまり西武の休憩室など用がなければ近寄りたくない、
というのが皆の本音、なのだろうか・・?
別に彼が嫌いとかそういうのではなく、
会長!!と叫ばれたり、ときおり電波な行動をしたりするので、
その巻き添えを喰うのが嫌なだけなのだろうが・・・・。
まぁ、そこら辺の話は横においておき、
とにかく入口の向こうからは誰かの悲痛な叫びと、
それからもう一人いるのだろう、そのもう一人の愉快そうな声が聞こえてきている。
「ぎゃぁぁぁっ!!やめ・・っ、やめろって!!」
プレゼントを用意したから取りに来い、
と、いつもの横柄な態度で言われ、少しだけカチンときたが、
今日は自分の開業記念日・・・。
そんな暇で口げんかとかしたくないし、
渋々と西武の詰め所まできたのが東上の運のつきだった。
コンコン、と扉を叩き、ドアを開ければ部屋の中は真っ暗。
否、正確には数本の蝋燭が灯してあったので薄暗かったが、
遮光カーテンでもひいておるのだろう。
蝋燭の明かりだけでは真っ暗に近かった。
何かよからぬものを背中に感じつつも、
部屋の奥のほうから自分を呼ぶ声が聞こえたので、
中に入らないわけにも行かない。
鼓動が早まりつつも東上は一歩、また一歩と部屋の中へ入っていく。
そして蝋燭が灯してある近くまで行けば、
ニッコリ笑う西武池袋に、
「開業、おめでとう」
と、言われたので、たじろぎながらも東上は、
「・・お、おう・・・、サンキュー」
と、返事を返す、が、
その時に彼の手になにやら大量の生クリームのようなものが見え、
背筋の悪寒が寄り一層と増すのだった。
蝋燭の置かれているテーブルには、
その生クリームを塗るであろうスポンジは見当たらない。
またテーブルの下に目を通すが、やはりスポンジも、
プレゼントらしきものも見当たらないのだ。
一体、どうしたことだろう?
ものすごくいやな予感が頭の中を瞬時に霞め、東上はから笑いを浮かべた。
そしてそれに比例するように西武池袋の微笑みは楽しそうなものに変わっていく。
ああ、なにかよくない事が起きるな、と東上が思うと、
身体は条件反射のように出口へ向おうと翻すが、
その行動は一歩遅く、西武池袋に足首をつかまれ、
ドスンという音とともに床に倒れこんだ。
西武池袋は予め予見でもしていたのか、
東上の倒れる頭の位置にはクッションが置かれており、
幸いにも頭は打たなかったが、
馬乗りになってきた西武池袋があっという間につなぎのファスナーを下ろし、
バサリと取り払うと、今度はTシャツに手をかけてきて、
それもまた鮮やかに東上の上半身から取り払ってしまう。
ぎゃぁっ、と色気のない声をあげる東上に西武池袋は眉を顰めたが、
一瞬でニッコリとした微笑に変え、
なにやら萎縮して萎えてしまっいる東上の中心に手を這わせてきた。
「・・・・っ」
敏感な部分を直接触られ、思わず息を呑むと、
西武池袋はこれ見よがしに手を上下に動かし始めた。
そしてある程度の硬さを東上のソレが持ち始めると、
西武池袋は手に持っていた大量の生クリームを指に取るのだった。
「・・・お、おい・・・、西武?」
なにするつもりだ?と聞こうとしたがそれは滑稽というものだろう。
今、この場所には生クリームを塗るスポンジがないのだ。
スポンジ以外にも生クリームを塗るものはあるが、
ここにはソレもない。
そう、塗る場所はいまや一つしかないのだ。
「貴様に、私は聞いただろう?」
「・・・・?」
西武池袋は救った生クリームを東上の唇に塗りこめると、
今度はその生クリームを拭うように舌を這わせてきた。
「・・・ふ、・・・んんんっ」
ザラついた舌に唇を舐められて薄く唇を開けば、
待ってましたとばかりに西武池袋の舌が口内に侵入してくる。
彼の舌には東上の唇に塗っていた生クリームがまだ残っており、
西武池袋は生クリームを分け与えるかのようにゆっくりと舌を絡めてくる。
「・・・どうだ?程よい甘さで美味かろう?」
唇が離れ、名残惜しむかのように二人の口の間には半透明な唾液の糸が出来る。
西武池袋は満足そうに口をゆがめると、
もう一度、生クリームを指に取り、今度は指ごと東上の口内に入れ、舌を悪戯する。
「・・・ふ・・、ぅぅ・・・んっ」
「生クリームを使うから平気だとは思うが、一応よく濡らしておけよ?」
よく塗らせ、その言葉で今舐めている指がこれからどの場所に行く蚊など明白だった。
いや、ソレよりもなによりもひっかかるのが・・・。
「んっ・・、生・・クリームもあるって・・・なんだ、よ、それ・・・?」
指に舌を引っ掻き回されているので上手く話すことが出来ない東上だが、
聞き捨てならない台詞に必死に言葉を吐き出した。
すると西武池袋はニヤッと笑って、指を口内から引き抜いた。
「決まっているだろう?」
東上の唾液で十分に濡れた指にまた生クリームをつけると、
その指をそのまま東上のあらぬ場所へと移動させていく。
「マジかよ!!」
いやな予感とは当るもので、やはり西武池袋はその場所に生クリームを塗るつもりなのだと、
東上は慌てて彼の手を払いのけようとしたが、
そうするより前に下半身全体にあまい痺れが走り抜け、全身から力が抜けてしまうのだった。
見ればいつの間かかがみこんだ西武池袋が、
東上の足の間に頭を寄せて、半勃ちになっていた東上の中心を口でスッポリと覆っていたのだ。
西武池袋の愛撫はいつも巧みだが、東上はこの愛撫が一番苦手であった。
口でその部分を弄られると、脳天まで痺れどうにかなってしまいようになるからだ。
「ふぁ・・、あっ・・あっ、それ・・イヤだって・・・!!」
どうにかなって、おかしくなってしまうからイヤだと、言っているのに、
西武池袋は毎回それをしてくる。
おかしくなって、素直な東上は可愛いからと、毎回してくる。
自分だけおかしくなるのはイヤなのに・・・、と、いつもの東上なら思うのだが、
今回はなんとなくいつもの愛撫の感覚とは違っていた。
いや、気持ち良いのは同じだし、おかしくなりそうなのだが、何かが違うのだ。
痺れる下半身と、飛びそうになる思考をなんとか押さえて東上は自分の下半身に目を移す。
けれどその瞬間、見なきゃ良かったという後悔が一瞬で東上を埋め尽くした。
「あ?・・・は、、うっ・・・、お・・まえっ・・、この・・へんた・・い!」
いい終わると同時に東上は背を撓らせた。
コイツは変態だ。
それも救いようのない大変態。
けれど東上の腰の揺れは収まらない。
収まるどころか益々揺れ動き、西武池袋の髪の毛を掴みながら、
終いには彼の口淫に合わせるように腰を振っていた。
西武池袋もそれに気をよくしたのか、
それともいつもよりすべりがいいからなのか、
何かを掬うかのように舌を東上の熱い肉棒に絡め、
何かを拭うように唇で肉棒に吸い付いている。
そして掬ったり吸い付くモノがなくなると、
生クリームを指で再び掬い東上の肉棒に塗りつけて口淫を繰り返した。
西武池袋の熱い口内と、生クリームの冷たい感触が東上の興奮をいつも以上にしているのだ。
「・・・あ、あ・・・、あっ・・・、もう・・イ、く・・!」
いつの間にか後孔には、やはり生クリームがたっぷり塗られた西武池袋の指が蹂躙しており、
時折、彼の指が悪戯するように掠める感じる場所掠め、
焦れた東上はやはり腰を振りながらイイ場所に当るようにその指を導いていた。
そして指がその場所を掠め、
西武池袋の唇が肉棒の先端の生クリームをチュルリと吸い上げた時、
東上は欲望の熱を全て吐き出すのだった。
「・・・・・・、・・・・っ」
射精により、グッタリと床に身体を投げ出していると、
西武池袋が衣服を脱いでいる音が遠くで聞こえてきていた。
「(・・・まぁ、俺をイかせただけで終わるわきゃねーよな・・・)」
と、そんなことを考えていたら、唇にチュッと軽いキスが落とされる。
やはり生クリームの味がして、なんだかなぁ・・・と、思っていたら、
キスと、前と後ろの愛撫だけで立ってしまっていた胸の飾りに冷たいものを感じ、
目線だけでその場所を見れば予想通り生クリームを塗られていたので、
東上はぎくりとした。
中心への口での愛撫も苦手だが、
胸の飾りも唇で愛撫されるとたまらなく気持ちよくなってしまい、苦手だった。
まぁ、西武池袋もそれを分かっていて毎回毎回執拗に弄ってくるのだが・・・、
それにしても、・・・・東上はなんだか首を傾げた。
意地悪なのはいつものことだが、今回はなんだか妙にねちっこい気がする。
東上の誕生日祝いのはずなのに、
これでは西武池袋の趣味(?)につき合わされ、彼の誕生日祝いのようだ。
「(・・・て、あれ???・・・・)あ!」
そしてその時、ようやく東上は気がついたのだ。
どうして西武池袋が今回に限りこんなにねちっこいのかを。
胸の飾りに塗りこめた生クリームを舐めている時に、
急に東上が喘ぎではない声を出したので、西武池袋が顔を上げれば、
東上は少しだけ青い顔をしていた。
その顔を見て、西武池袋は満足そうに黒く笑うのだった。
「・・・どうした?東武東上?」
胸から唇を話し、生クリームの滑りを借りながら、胸の尖りを転がせば、
東上が切羽詰ったような声を上げた。
感じてしまい出た声と、何かに気づき青ざめた声、そんなところだ。
「お、・・・お、俺・・・今年・・・お前の・・・西武の・・・!」
開業祝い、すっかり忘れてた、という言葉は声に出来なかった。
ニッと弧を描いた唇がそのまま東上の唇を塞いだからだ。
今度のキスは生クリームの味はしなかった。
ただ貪るように、なにかを語りかけるかのように激しく蹂躙された。
「はっ・・・あっ・・・、くる、し・・・・」
やっと唇が離れれば、西武池袋は満足げに微笑んでいた。
「やっと思い出したか・・?まぁ、貴様はそういうことに疎いとは思っていたがな。
さすがの私も傷ついてな・・・、
だから貴様の開業祝には特殊なことをして仕返しをしてやろうと・・・」
「・・特殊なことって・・・、コレ、かよ?」
キスから開放されたのに、西武池袋は喋りながら両方の胸の飾りを執拗に嬲ってくるものだから、
言葉も途切れ度切れになってしまう。
「そうだ。貴様が私の開業日を忘れていたのなら、
貴様の開業日に同時に祝ってしまえばいい、と思ったのだ」
「・・・ど、同時・・・って・・・、てめぇ・・が愉しんでるだけじゃ・・ね・−・・か」
「そんなことはないだろう?」
「どういう意味だよ?」
「一応、選択権は貴様にあげたつもりだが?」
「・・・は?選択権?」
それってなんだよ、と思ったが、
西武池袋の胸を弄る指の動きがさらにねちっこくなり、息が乱れできない。
胸への悪戯に東上がイヤイヤをするように身体を捩るので、西武池袋は手を放す。
その場所はあまり弄ると翌日痛い、とよく言っているし、それは避けてやりたい。
西武池袋にだってそれ位の優しさはあるし、
なにより、一つになっているときにその場所を苛めた方がより良い声で鳴いてくれるのだ。
そろそろ自分も限界だし、東上の後ろも良い感じに解れている。
東上も今回の特殊プレイのカラクリに気がついたし、そろそろいいかもしれない。
西武池袋は東上の腰を引き寄せ、自分に近づけると、
これみよがしにゆっくりと自らのジッパーを下ろした。
そして熱くなったイチモツを取り出せば、ゴクンと東上が息を呑むのが伝わってくる。
少しだけ身体を前かがみにし、近くにあった生クリームを手に取り、
己の怒張に塗りつければ、東上の顔が少しだけ引きつった。
「そんなものほしそうな目で見なくても、
あとで舐めさせてやるから安心しろ・・・」
「もの欲しそうな目で見てなんか・・・っ」
「・・・そうか?まぁ、やってもらうことは決定だがな」
「人の意思を無視すん・・・あ、待てってば!!」
「十分まったと思うが、な!」
これ以上、生クリームを体内に入れたくないと抗うが、押さえ込まれていてはやはり逃げられない。
生クリームがたっぷり塗られた西武池袋のイチモツはたいした抵抗もなく飲み込まれたいった。
「あっ、あっ・・・ま、ま、だ・・動くなって・・・!」
「この状態で無理を言うな・・・、貴様だって動かなければ生殺しだぞ?」
「そ、そ・・・それは・・そう・・かも・・・だけ、ど・・・んっ」
「!!!く・・・、急に・・・絞める、な・・・・」
「無茶・・・いうな、って・・・!」
「・・・・!!、・・・っ、ふぅ・・・まったく・・・危なかった。
それにしても案外、こういうプレイは癖になりそうなのではないか?」
「何言ってやがんだよ!!」
「今回は『食べ物』と言われたから生クリームプレイにしたが、
『物』だとどんな風になったんだろうな?」
ん?と楽しそうな西武池袋に文句を言おうとしたが、
その瞬間に動きが激しいものに変わり乱されるだけで終わった。
「(つーか、選択権ってソレのことかよ!!)んっ・・んぅ・・・」
結局、その後も生クリームを体中に塗りたくられ、
全身を舐め回されるという悪夢のような愛撫を受け、
西武池袋が満足するまでそのプレイに終わりはなかったそうな。
後に特殊プレイに目覚めたのか、
西武池袋が嬉々として、
『今度は『物』のほうで愉しもう』
と言ってきたので、
背筋をゾワゾワさせつつ、東上は全力でお断りをし、逃げ回ったという。
まぁ、逃げたことで怒った西武池袋に捕まり、
泣く泣く『物』のほうでのプレイも余儀なくされてしまうのだけれども・・・・。
有難う御座いました。
なんだかんだで久しぶりの駄文になってしまいましたので、
リハビリ的に書き上げた作品でございます。
久しぶりなのが18禁(?)でいいのか、と疑問ですが、
そういえば二人の開業業記念日も何も書いてないしなぁ・・・と。
ちなみに西武池袋が部屋の明かりを蝋燭にしたのは、
今回のプレイのモチーフがケーキだからです。
ケーキ=東上で、西武池袋はケーキに生クリームを塗っていたんですね〜。
反映されてないけど・・・・。
まぁ、いつかリベンジしたい(え?)特殊プレイですね!
そういえば最近はこの二人を書くことが多いなぁ・・・と、
最近ネサフしているとこの二人のカプが多くて、
拝見していると自分も染められていく症候群ですかね(笑)
皆様の切ないこの二人は読んでいて一人感動している今日このごろです。
煤E・あとがきが長い・・・。
2011/5/5
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