〜伊勢海老と越生君〜


「先輩、越生君ですよ」
「え?・・・本当だ・・・、おーい!越生ぇーー」
「・・・・!なんだよ、有楽町と副都心かよ」
「やぁ、こんにちは☆」
「おお!」
「釣りで遊んでたのか?」
「あ?ちっげーよ!!俺は釣りで遊ぶほどヒマじゃねぇ!」
「・・・でも釣りはしてたんでしょう?」
「・・・まーな」
「じゃ、夕飯の材料でも釣ってたのか??・・・なぁんて・・・」
「・・・よくわかったな」
「えぇぇぇぇーー!?本当にそうなの??」
「・・・びっくりですねぇ・・・、ちなみに何を釣ったのかな??」
「誰が教えるかよ!?えーだんなんかにゃ勿体無くて教えらんねーよ!」
「・・・・勿体無いほどの大物を釣ったのか??」
「きっとそうなんでしょうね!そうなると益々知りたくなるなぁ・・・」
「越生、教えてくれない?」
「やだね!とーじょーにも誰にも言うなって言われてんし、
 指切りしたから教えたら舌が引っこ抜かれちまう!」
「大丈夫ですよ!僕たちに教えたことを言わなければ約束を破ったことにはなりません」
「・・・え?そうなのか!?」
「こら!!副都心!!お前は子供になんてことを・・・」
「しーー!黙って!!大丈夫!子供はこうやって大人になっていくんです!」
「(・・・本当かよ)」
「・・・んー・・・、本当に東上にはいわねーよな??」
「ええ☆誓って言いません」
「・・・お、俺も・・・」
「んじゃ、特別に見せてやんよ!・・・・ほら」
「・・・うわぁ!沢山釣ったなぁ・・・って、あれ??」
「・・・・先輩、これって」
「えーだん様は伊勢海老もしらねーのか?」
「は?」
「・・・伊勢海老・・・ですか??」
「おお!これは川に生息する伊勢海老だぜ!海のとは種類が違うんだって!」
「・・・それ、東上が言ったの??」
「勿論だぜ!とーじょーは物知りだから俺になんでも教えてくれる!」
「・・・・ザリガニの別名って川の伊勢海老だったんですかね??僕らが知らないだけで」
「・・・そんなわけねーよ!!ね、ねぇ?越生?」
「あ?」
「そのザリガ・・・じゃなくて、川の伊勢海老って食べても・・その、平気なの??」
「どういう意味だよ」
「・・・お腹とか壊したりしないんですか??」
「・・・壊したことねーけど?
 それに甘エビみたいな味で美味いしな!」
「・・・甘海老??」
「まぁ、姿形は海老と似てますからねぇ・・・」
「そうだけど・・・でも・・・(とーじょーーー!お前は何てことを!!)」
「・・・・なぁ?」
「え?なに??越生」
「お前らも食いにくるか?」
「・・・へ?」
「・・・そのザリガ・・・いえ、伊勢海老をですか?」
「おう!とーじょーと二人だけじゃ数が多いからな!
 放っておくと腐るだけだし、俺から東上に頼んでやるよ」
「・・・いや・・・でも・・・なぁ?副都心」
「・・・そうですねぇ・・・(ちょっとイヤかも)」
「お前らだってさっきから伊勢海老凝視してるし、食いてぇんだろ?」
「い、いやいやいや!!(ビックリして凝視しててだけだ!!)」
「遠慮すんなよ!ほら!行くぞ」
「遠慮してるわけじゃないんですが・・・、わわっ!!」
「越生!!引っ張るなって!!」
「ほら!もっと早く走れよ!!伊勢海老が腐るだろ!」
「わわわっ!副都心!!どうしようーー??」
「・・・・どうするって・・・わわっ!!腹をくくるしか・・・」
「・・・明日は運休するかもな、わわっ」
「・・・ですねぇ・・・うわわっ」
「もっと走れぇーー」


**ザリガニは食べられるんです・・、食べたことないけど**


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