〜日光と伊勢崎と豆腐〜


「ただいまー」
「おかえり、日光」
「・・・伊勢崎だけか?皆は?」
「うん?子供たちは釣りで、他の皆はまだ仕事中」
「・・・ふぅん?釣りって?何を釣りに行ったんだ?」
「・・・・いつもの伊勢海老だよ」
「伊勢・・・?・・・ああ、川の伊勢海老な」
「そう!ザリガニじゃなくて川の伊勢海老!
 まぁ、姿形、味も似てるしいいよね!」
「(よかねーよ)・・・・あっそ。俺は喰えればなんでもいー」
「・・・もー、日光はつれないなぁ・・・、付き合いが悪いっていうか」
「あぁ?そんなに悪くねーだろ??
 この前だって一緒に蛍もどきを作ってやったじゃねーか」
「・・・文句をプリプリ言いながら、ね」
「文句の一つも言いたくなるだろ?ゴキ●リに蛍光塗料って・・・、
 せめてコオロギにしときゃいーのに」
「コオロギじゃ、飛ばないじゃん?」
「まーなぁ・・・、で?お前はさっきから何やってんだ?」
「え?俺??明日の夕飯の支度?」
「・・・・はぁ?もう明日のかよ?!」
「これ、時間がかかるからね。それに俺は料理は出来ないからこういうことはしないとさ」
「(こいつ、料理の才能が悲しいほどねーからな)ふぅん・・?なにやってんだよ?」
「日光もやる?」
「別にかまわねーけど?」
「じゃ、この豆腐を容器から出してガーゼに包んで。
 それからギューって潰してね。ウチは人数が多いから沢山だよ」
「それでどうすんだ??」
「勿論!凍らせるんだよ?」
「へー?・・って、凍らせんのかよ?!」
「そうだよ?それで次の日、解凍すると・・・・、
 あら?不思議???鶏肉になっちゃった☆」
「・・・鶏肉って・・・、まぁ、大豆は畑の肉っつーけど」
「カレーにしちゃえば鶏肉そのものになるよ!」
「つまり明日はカレーなワケか・・・」
「なんならシチューでもいいよ?」
「・・・ルゥが違うだけじゃねーか・・・・」
「いいじゃん、別に!」
「へいへい(もう諦めた)ほら、そっちのガーゼよこせよ」
「あ、ごめん(文句言いながらなんだかんだで手伝ってくれるんだよねー)」


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