〜浮気疑惑〜


「・・・・!東武・・貴様・・・」
「?」
「・・・いい度胸だな」
「は?」
「私というものがありながら浮気か?」
「・・・・浮気??いきなり何の話だよ??」
「・・・この肌艶・・・・」
「・・・っ・・・!!ァ・・っ」
「・・・・1週間前とは比べ物にならん」
「・・・ぅ・・、ちょ・・・、撫でん・・・な・・・」
「1週間前はあれほど荒れていたのに・・・、
 貴様!やはり浮気をしているな!?」
「いきなり押しかけてきて強引につなぎを脱がせたと思ったら、
 俺が浮気だぁ!?なんでそんな話に至ってんだよ!?
 つーかこれ以上脱がせんな!!!!」
「証拠を見つけるのだ!脱がせなければ見つけられないだろう?」
「証拠ってなんのだよ!?」
「決まっている!・・・浮気の証拠だ!」
「は?んなもんねーよ!!」
「・・・ほぉ?証拠も残さず上手い事やったということだな?だが・・・」
「あっ・・・!ちょ・・、指!!いきなり指入れんな!!」
「・・・浮気をしていないと言い張るわりには指がすんなり入るではないか!」
「・・・そ、それは・・・お前が・・・そう、したんだろーが!」
「どうだかな・・・?怪しいものだ・・・」
「アッ・・アッ!!・・・せい・・ぶ・・・!やめろって!!」
「前から蜜が溢れてきたぞ・・・?
 ・・・・ん?随分濃いではないか・・・、
 浮気相手は極めさせてはくれなかったのか?」
「・・・っ・・・だ・・から・・、浮気なんて・・・してねー・・って。
 なんだってそんな・・・誤解・・してんだよ・・・」
「・・・副都心と有楽町が言っていたのだ・・・」
「・・・・メトロの二人が・・・?なんて・・・?」
「・・・『最近、東上さんのお肌のつやがよくなったんですよね〜』」
「・・・・!」
「『そういえば手の荒れとか直ったよな』」
「・・・・・!!」
「・・・男の肌は正直だ。
 だから私は二人の話を聞いてピンときたのだ・・、貴様は浮気をしていると!」
「・・・男の肌は正直って・・・、どういう意味だよ・・?」
「・・・・男は溜まるとニキビが出たりするだろう?」
「・・・・(そりゃ一部のヤツだけだろ)」
「だが一発済ませれば肌艶はよくなり、ニキビも直る!」
「・・・一発って・・・お前にしちゃ下品な表現・・・」
「ふん。貴様は鈍いからな・・・、赤裸々な表現でなければ伝わるまい?
 それにうまく逃げられてしまうかもしれんしな・・・」
「・・・・・あっそ!・・・で、さ・・・、西武?」
「なん・・・・、ぐっ!!!」
「・・・はぁ・・・、スッキリした!」
「・・貴様・・・!いきなり頭突きとは野蛮な・・・っ」
「お前が早とちりでおかしな誤解をしやがるからお仕置きしたんだよ!」
「・・・お仕置き・・・・」
「尻たたきじゃないだけありがたく思えよなっ」
「・・・・この歳で尻たたきは御免被るな・・・、だが東武よ」
「あ?」
「私の早とちりと言ったな?
 と、いうことは貴様は浮気をしていないのだな?」
「あったり前だろ!俺はお前しかしらねーよ!
 ・・・お前は違うかもしれねーけどな!!」
「私も貴様しか知らんわ!」
「!・・・あ、・・・あっそ・・・、ふぅん?」
「なんだ?急ににやけて・・・・」
「なんでもねーよ!!・・・・なぁ、西武」
「・・・・なんだ?」
「・・・1週間前さ、お前・・・俺の手とか顔を触りながら険しい顔をしたじゃん?」
「・・・・・ああ・・・、それが?」
「俺、ハンドクリームとか・・・、あと化粧水とかもつけないから・・・、
 冬はいっつも荒れ放題だろ?」
「・・・・そうだな」
「この前、お前にしみじみ指摘されてさ・・・、流石にちょっと怖くなって・・・」
「怖い・・・・」
「・・・・お前に・・・その・・・捨てられるの・・・」
「!」
「お、俺は!!別に捨てられるとか慣れてるけどさ!!
 ・・・でも・・・やっぱり・・・その・・・・」
「・・・・・バカが・・・」
「バカってなん・・・、!!!」
「・・・・んっ・・・」
「・・・っ・・・・ふ・・・んんぅ・・」
「・・・それで・・・?」
「・・・・?」
「・・・ハンドクリームも化粧水も買えない貧乏東武がどうやってここまで肌を回復させたのだ?」
「貧乏は余計なんだよ!!」
「ふっ・・・それは失礼したな・・・・それでどうやったのだ?」
「・・・気になんのかよ?」
「・・・好きな人のことは全て知っておきたいのが普通だろう?」
「そりゃそうだけど・・・・、好きな人って・・・・、俺?」
「他に誰がいる?」
「・・・そうだけど・・・、初めて言われたから・・・変な感じ・・・」
「・・・・・そうだったか?」
「うん・・・、まぁ・・・俺も言ったことないけど・・・」
「ふむ?そう言われればそうかもな・・・・、この際だ貴様にも言って・・」
「わーーーー!!!で!!俺が肌荒れを直した方法だけど!!」
「(逃げおったな・・・?)・・・・ああ」
「毎晩、サラダ油塗ってラップ巻いて寝たんだ」
「・・・・、・・・・、・・・・・・・・は?」
「本当はオリーブ油のが効きがいいんだけどさ〜」
「・・・・・・、・・・・・・・っ」
「オリーブは高いからサラダ油で代用!
 でも1週間でここまで回復できたから上々だよな〜」
「・・・・東武」
「・・・・なんだよ?」
「・・・貴様・・・、そこまで貧困に苦しんでいたのか?」
「はぁ?」
「・・・ハンドクリームや化粧水など100均で買えるものすら買えないとは・・・」
「・・・・・西武?」
「・・・・早く言えばいいものを・・・、私なら直ぐに解消できる!」
「一応聞くけど何を解消できんだ?」
「貴様の極貧生活をだ!
 貴様さえ素直に頭を下げて、会長の御前に跪けばすぐにでも西武の一員だ!
 そうなれば極貧生活ともおさらば!!万々歳だぞ!?」
「・・・・・・・(やっぱりか)」
「昔から思っていたのだ・・・、貴様の路線は東武というより西武!
 その貴様がいついつまでも東武を名乗るのは利便上、紛らわしいと!
 ふふふ・・・・、いい機会だ・・・・。
 貴様も今日!この日をもって西武に・・・・ごふっーー!!」
「・・・・少し黙れ・・・」
「・・・き、貴様・・・何故殴るのだ???」
「電波が始まったから止めてやったんだろーが!
 そ・れ・に!俺は西武にはならねーって何度も言ってんだろ!!」
「何を強がっている!?100均でモノも買えない貧乏人が!」
「強がってねーし!
 それにサラダ油でなんとかなるもんを、
 わざわざ買うのももったいねーから買ってねーだけだ!
 俺だって100均で買うくらいの金はあるよ!」
「・・・サラダ油・・・、、、や、やめろ!!私の恋人がサラダ油で保湿など・・!」
「せ、西武??(なんだ??急に黙って・・)」
「・・・そうか・・・、わかったぞ!」
「な、なにが・・・?」
「私が貴様に保湿力バッチリのパックをプレゼントしてやる!」
「・・・・は?」
「貴様は夜な夜なそれでパックするがいい!
 今は手足用のパックもあるしな・・・、我ながら名案だ!」
「・・・・・や、俺は受けとらねーぞ?
 お前からモノを受け取るのなんて御免だし!」
「・・・・・・受け取らない?」
「ああ!俺は西武からの施しなんて御免だね!
 それにさっきも言ったけどサラダ油でどうにかなる問題をなんで・・・」
「・・・東武よ・・・」
「あ?」
「貴様が受け取る、受け取らないはどうでもいいことだ・・・」
「なんで?」
「・・・なぜなら、貴様が私からの贈り物を受け取らないのは百も承知だからだ!」
「・・・・じゃ、そのパックはどうすんだよ?お前が使うの??」
「貴様用に買ったのを私が使ってどうする!?
 貴様が寝ている隙に私がかってにパックする、これで問題ない!」
「・・・・はぁ?!」
「・・・東武よ・・・、貴様はいつものようにただ気持ちよく昇天して気絶すれば良いだけだ。
 あとは私がその隙に貴様の顔や手や足にパックを・・・・」
「(・・・ぞぞぞ〜・・、出た!電波発言!)・・・や、俺は遠慮する」
「はっはっはっ!遠慮も何も意識のないうちに私がやるのだ!できんぞ!?」
「人が意識を失ってる間に勝手なことすんなよな!
 つーか!そんな話を聞いたからにはお前とはもうヤんねーよ!!」
「・・・なに?」
「・・・・セックスして気絶したら最後だかんな・・・、
 それに恋人っつたってセックスだけが全てじゃないし・・・・」
「東武東上・・・・」
「・・・っ・・・、うわっ!!」
「確かにセックスだけが全てではないが、
 それを伴わない恋愛など子供の恋愛だ。
 私たちはいい大人だしナシというわけにもいくまい?
 貴様も、私も男だしな・・・・、時にはセックスも必要だ」
「・・・そ・・・だけど・・・、く、・・どけよ!!重い!!」
「私からは逃げられない・・・、今日はそれを証明しておいてやろう」
「証明の必要はねーよ!!わかった!わかったから!
 お前からパックとか受け取る!!(使わなきゃいいだけだし!!)」
「・・・ふん。受け取ってもどうせ貴様は使わないだろう?
 ならば気絶している時に私が行うのが確実というものだ」
「わ〜!!待て待て待て!!俺はまだ仕事・・・・」
「・・・・終電をさっき送り終えたではないか?
 言い訳ならもっと確実なものを口にするのだな」
「・・・や・・・だから書類整理がたまってて・・・」
「あとで私が手伝ってやる」
「お前、西武じゃん・・・」
「判子を押すくらいできるぞ・・・?
 では話しに決着がついたところで・・・」
「わーーー!!決着ついてねーし!!やめっ・・・!!」
「明日は色々な意味でお肌がツルツルだぞ・・・?」
「頼んでねーよ!!」


2012/3/4


久々なので腕鳴らし・・・。 おバカな池袋さんになって申し訳ない・・・・。 戻る