〜黒いヤツの撃退法・東武本線〜


「あちょ〜!!」
「うわっ!!飛んだ!」
「あ!いささき!そっち行ったよ!」
「わかった!まかせろ!!せいっ!!」
「くそっ!逃がした!!今度は亀戸の所に行った!」
「任せろ!!それっ!!」
「あ!また逃げた!!今度は玄関だ!!・・・って、あ!」
「・・・・・何やってんだよお前ら」
「日光!丁度よかった!つかまえて〜!!」
「あん?捕まえろって??」
「ほら!足元!!皆で今追いかけてんの!」
「皆でって・・・一体何・・・ん?(ま、まさかコイツをか?)」
「日光!捕まえて!!1匹逃がすと300匹だよ!!」
「そりゃ30匹の間違いだろーが!!
 つーか!俺は今コイツを潰すの何も持ってねーよ!
 素手で潰せってのか!?ふざけんな!」
「ふざけてない!何でもいいからやるんだよ!放っておくとドンドン増えてくんだから!」
「そーだそーだ!」
「こいつらは1匹捕まえた位いじゃ絶滅しねーよ!」
「塵も積もればだよ、日光!ほら!足元!!」
「うわっ!!気持ちワリー!!」
「日光!何逃げてんのさ!早く潰して!!」
「潰せって・・・靴でかよ!?嫌なこった!」
「日光!」
「あ!伊勢崎!待て!!こっち着た!よぉし・・・!」






ブチュッ!!




「・・・・あ、野田が潰したよ!いささき〜」
「ふぃ〜・・・。ようやく捕まえたなぁ・・・」
「野田、すごーい!」
「ん?そーか?」
「うん☆ブチュってイイ音したよ!」
「本当!日光と違って役に立つねぇ」
「・・・おい!」
「ほぉんと・・・日光ってばゴキブリも潰せないなんて、
 ・・・本当にアレついてるのかね?ねー?大師」
「ついてるって何がー?何がなの??いささき!」
「んー?なんだろうねぇ?」
「伊勢崎!コイツの始末どうするん?」
「ん?」
「水攻めか?生き埋めか?」
「そうだねぇ・・・」
「はーい!大師はね、昨日はおトイレに流したからお庭に埋めるといいと思うの!」
「んじゃ一緒に埋めるか?」
「うん!野田と土いじりする〜」
「待って!野田、大師!」
「伊勢崎?」
「俺、他に処分方法思いついたからそのゴキブリ貸してくれない?」
「他??生ゴミにでも捨てるんかい?」
「うーうん。佃煮にするんだよ」
「・・・・佃煮??」
「つくだにー!ゴキブリの佃煮っておいしーの?」
「・・・・んなわけあるかよ(ばかばかしい)」
「どうだろうねー?俺は食べたことないし食べるつもりもないから分からないけど」
「???んじゃ、そのゴキブリの佃煮は誰が食べるん?」
「決まってるじゃん!日光だよ!」
「はぁ!?何で俺!って・・・・・い、伊勢崎??(目が据わってやがる)」
「だって日光、役に立たないんだもん。
 トイレに流すとたまにつまるし、庭に埋める場所も減ってきたし、
 かといって生ゴミには捨てたくないし、ココは効率的に食べればいいでしょ?」
「だからって!どうして俺だけに食べさせるんだよ!」
「言っただろ?役に立たないからだって!
 ゴキブリも捕まえられないんじゃ、せめて死体処理には役立ってもらわなきゃ」
「冗談じゃねーよ!」
「俺も冗談なんか言ってないけど?」
「・・・・うっ」
「さぁて!そうと決まったら早速ゴキブリの佃煮を作らなきゃ。
 あ、佐野ー、さっき捕まえた2匹も持ってきてくれる?」
「・・・・・!それ以外に2匹も捕まえたのか??」
「ん?そうだよ?この宿舎は古いからねぇ・・・よく出るんだよ。
 良かったね、日光!」
「・・・・何がだよ?」
「だってゴキブリがいっぱいってことは日光はオカズに困らないよ?
 毎日佃煮が食べられるなんて幸せものだねー?」
「どこかだ!俺はせぜってーに食べねーからな!!!そんなグロテスクなもん!」
「にっこー!好き嫌いはよくないよ?」
「てめーは黙ってろ!大師!(あ、まずい)」
「・・・・っ、・・・ひっく・・・にっこー・・怒った・・・」
「・・・日光?何、大師を泣かせてるのかな?」
「・・・!あ、いや・・・これは・・その不可抗力だ!」
「問答無用!日光の夕飯はこの夏いっぱいゴキブリの佃煮だけだ!」
「マジでかーーー!?」
「・・・・災難だね、日光。
 ありぁ伊勢崎の怒りが収まるまでゴキブリの佃煮が本気で出てくるかもな」
「・・・・ぐっ(やっぱあん時足で潰しておきゃー良かったってのかよ!)」




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