〜黒いヤツの撃退法・武蔵野と越生〜 「・・・・げっ!」 「なにかあったのかよ、武蔵野ー?」 「・・・いや・・なんてーか・・・便器の水に黒い物体が浮かんでて・・」 「あ?黒い物体??俺、ウンコなんてしてねーぞ?」 「ちがう!それじゃねーよ!足が六本あってカサカサ動く!」 「・・・・??あ!ひょっとしてゴキブリか〜?」 「そう!それ!プカァ・・って浮かんでっけど?」 「んー、さっき捕まえて流したからなぁ・・・、流れなかったのか??」 「流したって・・・あのー、越生サン?」 「なんだよ?」 「捕まえて流したって・・・?」 「ん?お前が来るちょっとまえに部屋に飛んでたソイツを見つけて叩き潰したんだよ」 「・・・叩き・・・潰した??」 「数回、パンチを外したけどな! 東上がいたら一発で潰してくれるんだけど、 俺は上の方にソイツがいるととどかねーからいっつも何発か外すんだ」 「・・・パンチで潰すって・・・コレ専用の殺虫剤とかつかわねーの?」 「んなもん、ねーよ」 「はぁ!?」 「んなもん探しているうちにソイツ、逃げちまうだろーが!買う金もないしな! それより見つけた瞬間に潰した方が確実だ! 1匹逃がしたら3千匹!2匹逃がしたら6千匹!うっわ!想像しただけで気持ちワリー」 「・・・(そりゃ30匹の間違いだろーが・・)ふぃー・・」 「お、出たのか?」 「まーね・・・、アイツが浮いてて気持ち悪かったけど流したら流れていったし。 それより東上はいつ帰ってくんの?」 「東上なら用があるとかいってメトロに行ったからしばらく帰ってこないぜ?」 「マジで??折角なんか食べさせてもらおうとしたのにー」 「・・・お前、毎回そればっかだな」 「そぉ?・・って、越生!アレ!!」 「ああ!?・・・お、ゴキブリだ!」 「結構でっけーなぁ・・・、新聞紙、新聞紙はっと・・・」 「???新聞紙なんか何に使うんだよ?」 「何にってアイツを潰さなきゃだろ?」 「ばっか!さっき言っただろ!そんなもん、探しているうちに逃げるから素手で潰すんだよ!」 「本気で冗談じゃなかったわけか? ・・・・・アイツ、ばい菌がいっぱいなんだぜ?素手で潰したら大変じゃん」 「んなのは後で手を洗えばいいんだよ!ほら!行け!武蔵野!」 「へいへい・・・って、えぇぇぇ!?俺??」 「ったりめーだろ?あんな上のほうじゃ俺はとどかねーよ」 「そうだよねー、・・・・で、やっぱ素手で?」 「ああ!素手でだ!東武はみんな素手でだ!」 「・・・俺、JRだし」 「屁理屈いうなよな!大丈夫だって!ちょっとヌルッとするだけだから!」 「!!!ヌルって・・・え、えぇぇぇっ」 「あと潰した時にブチンっていってなんか汁が出るけどそれだけだ!」 「・・・し、汁・・・・?」 「行け!武蔵野!!」 「む、ムリムリムリ!!俺、無理!!死んじゃう!遅延しちゃう!運休しちゃう〜!!」 「なにいってやがんだ!この軟弱の国鉄が!あーー!!逃げちゃうじゃねーか!!」 「も、いーよ!逃げてくれていーよ!」 「よかねーよ!!3千匹になっちまうだろーが!!もういい!役にたたねーな!」 「・・・いや、だってよぉ・・」 「俺がやる!・・・よぉし・・・ゴキブリ!もっと下に来い・・来い・・・きたぁ!!」 ブチュッ!! 「・・・・ほ、本当に素手でやりやがった・・・」 「よっしゃ!一発だ!」 「・・・・それ、どうするんだ?またトイレに流すのか?」 「一日に何匹も流したらつまるだろー?コイツは庭に埋めんだよ」 「・・・・へぇー?」 「コイツ、養分だけはあるだろーから畑に埋めればいい栄養になると思うぜ?」 「あっそー・・・、・・・?・・・ん?・・・はぁ!?」 「なんだよ?」 「・・・畑に埋めるのかよ!?」 「それがどうしたんだよ?」 「お願いします!それだけはやめてください!!つーか、それを畑に埋めるのは何回目??」 「・・・・あ?・・・まだ2〜3回しかねーけど?栄養になるかも?って気がついたのは最近だし」 「養分になんかなんねーから!それだけはやめろ!な?畑の肥やしなら俺、買ってやるし!」 「あぁ?何でてめーに買ってもらうんだよ?点数稼ぎか?」 「ちがうちがう!いつも美味しい野菜を食べさせてもらってるお礼!」 「・・・・本当かよ」 「本当!本当だって!次、持ってくるから! な、そうと決まったらそいつ、生ゴミにでも捨てようぜ?」 「・・・・あー、わかった。腑に落ちねーけど・・・」 「(ほっ)」 「・・・・ところでこいつって生ゴミ扱いなのか?」 「え?ちがうの??あ、でもゴキブリほ●ほいは生ゴミに捨ててないか・・・。 ・・・・・可燃物か?不燃物・・ではないよな」 「・・・・どっちなんだ??やっぱトイレに流すのが一番か?? でも一日に何回も流すとつまるしなー」 「あと1回くらい平気なんじゃねーの?」 「・・・・本当かよ?」 「たぶんな」 「一応、信じることにする」 「それはそれは恐悦至極に存じます」 戻る |