〜虫歯・東武本線〜

「・・・・っ」
「にっこー？どーしたの？？」
「！！大師！？（やべっ）」
「？？にっこー？？」
「な、なんでもねーよ！伊勢崎んとこ行ってろ！」
「えー？？でもなんかいたそーだよ？？」
「（餓鬼のくせに目ざといじゃねーか）なんでもねーよ」
「えーー！？・・・あ、いささきだ〜」
「（げっ！）」
「いささき〜♪」
「大師！・・・あれ？？日光どうしたの？？」
「（ぐっ！こいつも鈍いくせに何でこんな時ばっかり）・・なんでもねーよ」
「何でもないってことはないだろ！？・・なんか痛そうだよ？」
「ねー？にっこー、いたそう」
「なんでも・・・いってー！！」
「日光？？」
「（どなっただけですっげー痛ぇ・・っ！かなりでかいのか？？）」
「・・・日光・・ひょっとして・・・」
「！！？なんでもねーよ！虫歯なんかじゃねぇ（あ！）」
「・・・にっこー、むしばなの〜？？」
「へぇ・・・日光、歯が痛いんだ？」
「（うげっ！嬉しそうに微笑むな！）虫歯じゃねーよ！ただ・・・その・・」
「でも痛いんだろ？・・・それって虫歯でしょ？」
「にっこー、はみがきさぼったの？いけないんだ〜」
「ねー？日光はいけない子だねぇ・・」
「ちがう！きっと歯肉炎だ！虫歯じゃない！」
「ふーん・・・」
「（だから嬉しそうに笑うんじゃねーよ！）い、伊勢崎」
「何？」
「俺は虫歯じゃない・・・だから・・・」
「・・・・虫歯だよ、ねー？大師？」
「うん！はがいたいのはむしばだよー」
「だよね！虫歯の時はどうするんだっけ？」
「んとね、はをぬくー」
「そうそう、よく覚えてたね・・・じゃ、糸持ってきてくれる？」
「はーい！」
「・・い、伊勢崎？？冗談・・だよな？」
「ん？そんなわけないだろ？ウチはお金がないから歯医者にはいけないんだ。
　だから虫歯になったら、抜く。そういう約束だろ？」
「バッカ！麻酔もなしに抜いたら死ぬだろーが！」
「歯を抜くくらいじゃ死なないよ。それにイヤなら虫歯にならなきゃいいだろ？」
「・・ま、まだ虫歯って決まったわけじゃ・・・」
「虫歯だよ、虫歯！大丈夫！俺、力はあるから一発で抜いてあげられるよ」
「そういう問題じゃねー！！（嬉しそうに近寄ってくんな！！）」
「いささき〜！いと、これでいー？」
「あ、ありがと、大師・・・さぁ、日光」
「！！！！！・・・・じょ、冗談じゃねー！！」
「あ！にげだ！いささき、にっこーにげたよ！」
「逃げたね。一緒に捕まえよーか、大師」
「うん！だいし、おいかけっこすきー」
「よし！よーい、ドン！」
「わーい！」
「！！！うわっ！！こっちくんな〜！！！！！」


その後の日光の運命はいかに・・・・。


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