〜虫歯・東上と有楽町と副都心〜

「痛っ」
「どうした?副都心」
「なんか夕べから歯が痛いんですよねー」
「虫歯か?」
「どうですかね?」
「どれどれ・・口開けてみ?」
「先輩わかるんですか?」
「・・・虫歯はだいだい分かるんじゃないのか?穴があくわけだし」
「あ、ナルホド」
「おい!何二人して顔くっつけてんだ?イチャつくのはかってだがダイヤは乱すなよな」
「うわっ!東上??い、いやこれはだな!その・・誤解だ!」
「そうですよー。だって有楽町先輩がすきなのは東じ・・・わぷ??」
「ふーくーとーしーん???」
「(うーん・・まだ言ってなかったのか?)もごごごご」
「????なにやってんだお前ら」
「あのな、東上!」
「あ?」
「い、今のは副都心が歯が痛いって言うから口の中を見てただけだよ」
「そうそう!決してキスの予行演習とかじゃないですヨ」
「副都心!」
「むしばぁ??歯磨きでもサボったのか?」
「・・・うーん?きちんと朝昼晩磨いて居たんですけどねぇ・・」
「磨いててもなる時はなるだろ?とにかく副都心!そんなに痛いなら歯医・・」
「磨き方がヘタなんだろ?このままじゃダイヤが乱れるし、仕方ねーな」
「何が仕方ないんです?東上さん」
「このままじゃダイヤが乱れるし、その虫歯、俺が治してやるよ」
「へ?東上、治せるの??(あ、痛み止めの薬とか??)」
「へー、どうやるんですか?」
「決まってんだろ?抜くんだよ。歯医者に行くより安上がりだぜ?」
「「!!!!!!?」」
「メトロは金持ちだし、抜いても入れ歯とか買えるだろ?
 よし、そうと決まったらえーっと・・・糸、糸・・」
「あ、あの・・東上さん??」
「あ?あー・・大丈夫だって。抜く瞬間は痛いかもしんねーけど、俺、上手いから」
「いやいやいやいや!上手いとかそれ以前の問題だって!」
「そうですよ!虫歯になったから抜くなんて聞いたことないですよ?」
「(めずらしく副都心も慌ててるな)そうだよ!虫歯になったら普通は歯医者に・・」
「???歯医者に行っても虫歯は抜くんだろ?俺は行ったことねーから知らないけど」
「そんなバカな!虫歯は治療できるんだよ?歯を削って銀を被せて!」
「!!!治療??できるのか???」
「当たり前ですよ!・・・・まさか東上さん知らなかったんですか?」
「・・・知らない。東武では虫歯になったら抜く、って言われてるからみんな気をつけてるし」
「へぇ・・そうなんですか・・たたき上げは違いますねぇ・・」
「たたき上げは関係ないだろ!だからさ、東上」
「?」
「副都心は歯医者に行かせるから抜かなくても大丈夫だよ。
 副都心も今日一日くらい耐えられるよな?」
「ええ・・まぁ・・(抜かれるのはイヤだし)」
「・・・ふーん・・・じゃ、いいけど・・・そっか・・歯は治せるのか」
「そうそう!治せるんだよ!じゃ、ダイヤが乱れるしもう行こっか!
 副都心は渋谷、東上は池袋、俺は次の電車待ち!」
「ああ、そうだな」
「ですね〜(でも一回くらい東上さんが誰かの歯を抜く瞬間が見たいかも)」


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