**起承転結がなく、ただイチャついているだけです**
越生と二人、本線へ新年の挨拶へ行き、
御節を食べて普段は喧嘩にしかならない日光ともなんとなくダラダラ話をして、
元旦だし、夜はお酒も飲みたいし、今日は本線宿舎に泊ろうかな〜、と思っていたときだった。
東上線の駅員から連絡が入り、
なんと西武が少しばかり遅延してしまっているので振り替え要請がきたと言うではないか。
『は!?』と東武の全員が思ったが要請を断るわけにもいかず、
『俺も一緒に行く』という越生を宥め(折角の正月なので大師たちともっと遊んで欲しかったので)、
子供を本線においてくると東上は急いで自身の路線へと急ぐのだった。
〜謹賀新年〜
「はぁ〜・・・、そんなにたいしたことなくて良かった」
遅延は直ぐに解消し早々に振り替え要請も『もう結構』という返事が来た。
もう少し時間が押すかな、と思っていただけになんだか拍子抜けしてしまう。
けれど今から本線へ行ってもなぁ・・・、と東上は小さくため息をつく。
「(あ、でも越生向かえに行かなきゃ・・・、でも明日の朝一でもいいかな?
大師や亀戸、佐野となんだかんだで楽しそうに遊んでたしなぁ・・)」
4人が仲良く遊んでいた姿を思い出し東上は小さく笑った。
普段は大人ぶっていてもやはりたまには子供同士で遊ばせてやりたい。
越生は明日の朝一で向かえに行こう、と東上はそのまま和光市にある休憩室へ向うのだった。
和光市駅は東武の管轄とはいえメトロの職員も一緒に使っているので彼が居ても不思議ではないが、
彼は今頃メトロの連中とお正月真っ最中だと思っていたので驚いてしまった。
まぁ、有楽町も西武の振り替えをしていただろうからそれが落ち着いて休憩していたのかもしれない。
休憩室の入口で静止してしまっている東上に対し、
有楽町もまたまさかここで東上に会うとは思っていなかったのか、
入口に突っ立て居る東上を見つめながら固まっていた。
まぁ、有楽町が固まっていた理由は他にあるのだが。
そして見詰め合ったまま5分くらいたち、
ハッと我に返った東上が先に口を開いた。
「よ、・・・・よぉ・・・、あけましておめでとう・・・」
「・・・!あ、・・あぁ・・・おめでとう」
「・・・西武の振り替えか?」
「う、うん・・・あ、でも実は夕べからここに泊り込んでたんだけどね」
「へ?そうなのか?」
東上は有楽町が寝転がっていたソファーまで歩き、
有楽町は起き上がって、ソファーの片半分を東上のために空ける。
「副都心は年末年始は忙しいからな。何かあったときのために俺は和光市で待機」
東上が腰を下ろすと有楽町は苦笑しながら泊り込みの理由を教えてくれた。
副都心は明治神宮前<原宿>という駅があるし、
確かに年末年始は忙しいのだろう。
東上は一つ返事で納得し、同時にこの苦労性の『先輩』がなんだか不憫に思えてしまった。
確かに東武の本線も(もちろん自分も)年末年始はお参り客で忙しくはなるが、
このメトロのように『もしも』のために泊り込んだりはしていない。
それは社長が正月くらいは休みなさい、と言ってくれてそれに甘えていたわけだが、
自分たちは鉄道だし、本当はこの有楽町のようなほうが望ましいのかもしれない。
・・・・と、東上がそんなことを考えていたら、
有楽町が東上を見ながら少しだけ顔を赤くしていることに気がついた。
先ほどから自分が有楽町を見るとパッと目線を逸らされて下に俯いてしまうのだ。
そのくせ見えている部分、耳などが赤いから気がついたのだ。
「・・・・有楽町?」
「!!え?な、なに???」
「どうかしたのか?なんだか顔が赤いけど熱でもあるのか?」
「・・・あ、・・・あぁ・・・いや・・・その・・・」
「?」
しどろもどろの有楽町に、どうしたんだ?と有楽町との距離を縮めて彼により近づいた。
すると有楽町は東上が近寄った分だけ身体を反らしていく。
「・・・・有楽町?」
「あ、・・・だから・・・その・・・だから、さ」
「?????ああ」
「東上の・・・格好が・・・珍しくて・・・あー・・、だから・・・なんていうか」
「!」
真っ赤になっている有楽町の言葉に東上は自分の格好を思い出した。
西武の振り替え要請が来て急いで本線の宿舎を出、
そのまま仕事を始めたから着替えている暇がなかったのだ。
つまり東上は今、本線に新年の挨拶をしに行った時の格好のままなのだ。
「羽織に袴なんて珍しいね・・・」
「あ、あぁ・・・これな・・・、本線に新年の挨拶に行ってたから」
「そうなんだ」
「う、うん・・・そうなんだよ・・・でも、似合わねーよな・・?」
「そんなことないよ!」
頬を掻きながら苦笑いの東上の手を勢いよく両手で握り締めると、
有楽町は真剣な顔で、それも偉い剣幕で「似合わない」発言を訂正してくれる。
「・・そうか、な?」
「そうだよ!むしろすごく似合ってて・・・俺、照れちゃってたよ??」
痛いくらいに手を握られ今度は東上が身体を身体を反らしてしまう。
でも有楽町がそのままグイッと手を引っ張るものだから、
そのまま彼の胸に顔を埋めることになってしまった。
「いつもつなぎ姿が多いからすごく新鮮だよな」
熱い吐息とともに耳元で囁かれ東上は全身にカッと火がついた。
ドキドキと早く脈打つ有楽町の心音が直に伝わってきてなお更身体が熱くなっていく。
東上は抱きしめられた格好のまま上目使いで有楽町を見上げ、
そっと有楽町の顔を包み込むように手を伸ばし、
自分の唇を有楽町の唇へ近づけて、
有楽町をソファーに押し倒しながら口付けを仕掛けた。
「・・・・ん・・・・」
チュクチュクと音をさせながらキスをしていると、
有楽町の腕が東上の身体にまわって優しく抱きしめてくれたので、
東上は嬉しくなって夢中でキスを繰り返した。
有楽町の手が羽織にかかり脱がせようと動いたので、
東上は一旦、唇を離し真っ赤な顔で有楽町を見下ろす。
同じように顔を真っ赤に染めている有楽町だがスルリと羽織を床に落としてしまった。
赤い顔ながらも真摯な目で見つめられると東上はどうしようもなくドキドキして、
それはもう心臓が破裂するくらいドキドキして、
真っ直ぐに見つめられて身体は金縛りにあったように動けなくなってしまうのだ。
東上は震える手を懸命に動かして有楽町の少し緩めてあったネクタイに手を伸ばす。
「・・・・っ・・・、やっぱ外れない」
ムッと口を引き結んだ東上に有楽町は苦笑した。
普段はネクタイなど締めない東上はネクタイを結ぶのも外すのも苦手らしい。
有楽町のネクタイを外してくれようとするがいつも途中で断念して自分で外す羽目になっている。
「覚えれば外すのは結ぶより楽なんだけどね」
そう言って有楽町は自分のネクタイをシュルッと引き抜き床に落とした。
「俺は普段つなぎしか着ないからな、ネクタイは難しい」
有楽町のYシャツのボタンをプチプチ外し、そしてベルトにも手を伸ばした。
「そうかな?俺からしてみればこの袴のほうが難しいけど・・・、あれ?どうやって脱がすんだ??」
すでに有楽町のスラックスのジッパーを下ろし終え、
下着の中に手を入れようとしていた東上はズルッと滑りそうになってしまった。
まぁ、たしかに最近の若いもんは着物とかあまり着なくなったから分からないのも分からなくもないが。
「・・・お前、着物とか着た事ないのか?」
「そうだな・・・、うん、ない、かな?」
「じゃ、わかんねーよなぁ・・」
東上はニッと笑って有楽町の下着の中から手を出すと、
彼の手を握って自分の袴の紐へと導いた。
「袴は割りと単純だぜ?ここのコレを解けば後は簡単に脱げる」
「へー?そうなんだ・・・」
「ああ、だから時代劇みたいに『あ〜れ〜』はできないぞ?」
「帯がないもんな・・・、ちょっと残念かも」
「・・・・おい」
「ははっ!冗談だよ」
「目が本気っぽかったぞ・・・?」
「気のせい気のせい」
「ったく・・・」
有楽町の手から自分の手を離すと同時に東上は前かがみに倒れこむ。
下半身に手を伸ばし、再び下着の中に手を入れると、
半ば反応しつつある有楽町のものを直に手で包み込みそっと上下に動かした。
有楽町の顔が少しだけゆがみ、東上は再び自分の唇を有楽町の唇と合わせた。
すると待っていたかのようにヌルッと東上の口内に有楽町の舌が忍び込んできて、
優しく何度も擦りあわされていく。
擦られたり、甘く噛まれたり、時折唇で舌を吸われたりして東上が腰をモジモジ動かし始めた頃、
有楽町は袴の紐に手を伸ばし、東上から教えてもらったとおりにソレを解いていく。
シュルッという音とともに、有楽町と東上の上下が入れ替わったのは殆ど同時であった。
「あー・・・、腰が痛ぇ・・・」
「大丈夫か?」
ソファーの上で有楽町のYシャツを着た東上がグッタリと横になっていた。
ここは和光市の休憩室だし、東上も自分のつなぎがあると思っていたのだが生憎なかった。
さすがにこの腰の痛さで袴を着る気にもなれず、
仕方なく有楽町から少しだけでかい彼の服を借りてきているのだ。
少しだけでかい、この事実が少しだけ気に喰わず、おまけに腰が痛いので東上は少しだけ機嫌が悪い。
「大丈夫じゃねーよ。明日はいつもどおり仕事なんだぞ?少しは手加減ってもんをだな・・」
「ごめんごめん・・・」
とすまなさそうに(けれど顔はご機嫌で)謝る有楽町をジロッと睨む東上。
有楽町がもってきたミネラルウォーターのペットボトルを受け取ってキャップをまわしながら、
「・・・だいだいいつもより質量がでかかった気がするのは気のせいか?」
と、言ってきた。
当然だが『質量』だけでは意味が分からないので首を傾げる有楽町。
「質量?」
おまけに目を何回も瞬かせているので、
本当にわかってねぇな、と東上は水を飲みながら小さな声で答えた。
「お前のアレの大きさだよ。いつもよりきつかった・・・・、気持ちよかったけど」
「・・・・アレ・・って。・・・!!!?っ!!!」
ボンッと有楽町は一瞬で全身が真っ赤に染まる。
アレがいつもより、よりも『気持ちよかった』に反応したのだろうが、東上は気づかない。
東上はボンッと首まで真っ赤に染めながら、さらに話し続けている。
「お前ってコスプレプレイとかで燃えるタイプだったのか??」
「・・・・・・」
「ま、いいけど俺はっ、て、うわぁぁぁぁっ」
東上の叫びとともにペットボトルは床に落ち、
ブチブチブチと糸が切れる音がしてボタンが床にはじけ飛んでいた。
そして有楽町が東上にのしかかり、
「ゴメン!」
と、謝ったかと思うと首筋に噛み付くような口付け。
ギョッとして東上は手足をバタつかせるが、
すでに1度情事を終えているので身体はフラフラであまりいうことを聞いてくれない。
「有楽町!」
「だからゴメン!でも東上の嬉しい言葉でまた質量が増したっていうか・・・」
「はぁ!?質量が増したって・・・げっ!」
暴れる東上の手を取り、既にスラックスを身に付けていた有楽町のその部分にあてがった。
その熱さに東上はギョッとして赤くなり、
そして先ほどまでの行為でいまだ涙で潤んでいる目できつく睨むが、
何の効果も生まない。
「やめろって!俺はもうジジィだからこれ以上、は・・・っ!!」
「ジジィって・・・、でも東上のも質量が増してきたみたいだぞ・・・?」
「!!!あっ・・・く・・ぅぅっ・・・」
「東上・・・・」
「んんっ」
東上の頤を押さえ強引に唇に吸い付く。
口内を舐めながら弄りすぎて腫れている胸の飾りに再び触れると東上はビクンッと身体を震わせ、
静まり始めていた身体にもう一度熱がつき始めた。
「うぅ・・・、お前・・・、おぼえ・・てろ、よ・・」
「・・・だからゴメン」
「・・・しかもお前、・・・じぶ・・・の・・・しゃつ・・・やぶって・・しらねー、ぞ」
「ああ、それは大丈夫、・・・代えはまだ沢山あるし」
「はぁ!?モノを粗末にすんなよな!この営だ・・・、!!!」
「もう黙って・・・」
黙っても何も・・・・、何も言われることなく一気に熱いものに貫かれてしまったので、
声は喘ぎしか出せなくさせられていた。
東上は涙の浮かんだ目でギロッと睨んで、
せめてものお返しにと有楽町の首(Yシャツでは隠しきれない部分)におもいっきり吸い付いて、
キスマークを刻むのだった。
・・・翌日、それをみつけたメトロの同僚有楽町はさんざんからかわれたのは言うまでもない。
2011/1/1
ありがとうございました。
正月なので東上に羽織袴を着せ、
それを見た有楽町がムラムラして・・・という話です。
ま、元旦なのでただイチャイチャさせてみただけです。
当サイトはアンケートをとるほど栄えてはいないので(笑)、
謹賀新年のお相手は私の贔屓で決めました☆
ちなみに西武池袋は本当に遅れてました(^^;)
戻る
|