**有楽町×東上が前提です。
〜親離れ、子離れ〜
「はぁ〜・・・、暑いですねぇ・・・」
「副都心!グテッとするな!まだ勤務中だぞ!?」
「・・・・いいじゃないですかぁ〜、今は休憩中ですし。
それにこう暑いのに節電節電で、疲れちゃいましたよ」
「節電は仕方ないんだろう?」
「今は協力する時ですからねぇ・・・・。あ、アイスコーヒーだ」
「・・・・お前も飲みたいのか?」
「先輩が作ってくれるなら飲んでさし上げてもいいです☆」
「・・・・自分でつ・く・れ!」
「えーー?冷たいなぁ・・・」
「冷たくなんかないだろ!?お前ももう大人なんだ。自分のことは自分でやれ」
「・・・先輩、冷たくなりましたよねぇ」
「お前には十分甘いだろ?」
「・・・そうですかねぇ??先輩は東上さんに一番甘いと思いますけど?」
「!!?・・・・そんなことは・・・ない・・・だろ?」
「無自覚ですかぁー?ま、いいですけど。それより先輩?」
「なんだよ?」
「僕に甘いって言うならそのアイスコーヒー、下さい」
「は?」
「先輩は東上さんだけでなく僕にも甘いんですよね?ならソレ、下さい。
まだ口はつけていないんでしょう?」
「つけてないけど・・・・、はぁ・・・、ほら」
「わーい!やっぱり先輩は優しいなぁ♪」
「・・・さっきと言っていることが違うぞ?」
「そうですかぁ?まぁ、細かいことは気にしちゃダメですよ?
でないと禿げちゃいますよ〜・・・・ね?」
「ね?じゃねーよ!!ったく」
「ふふ・・・、じゃあさっそく一口・・・・、あれ?」
「・・・なんだよ?」
「・・・・・・」
「まさかまずいとか言うつもりか?
お前ねぇ・・・、人から奪っておいてそんな・・・」
「・・・・甘い」
「はぁ?」
「・・・先輩ってブラック派じゃありませんでしたっけ??」
「・・・・好んで飲むのはブラックだったよ」
「・・・『だった』、ということは今は違うんですか?」
「どうだろうな?ブラックで飲むことも多いけど・・・、
この前、甘いのもいいなって思ってから時々甘くしてるんだよ」
「この前って?」
「うん?・・・・この前、東上のところでアイスコーヒー飲んだときから」
「東上さん?・・・あの東上さんがアイスコーヒーを出してくれたんですか!?」
「お前、驚きすぎだから・・・、まぁ、俺もあの時はビックリしたけど」
「ビックリしますよ〜。東上さんは冬はほうじ茶、夏は麦茶とかそういうイメージなんで」
「だよな〜。でもこの前、遊びに行ったらアイスコーヒーが出てきたんだよ」
「・・・・・そうなんですか・・・、それでそのコーヒーが甘かったんですか?」
「そう。だから東上に『シロップ入れてくれたのか?』って聞いたんだ・・・したら・・・、っ」
「・・・・なんですか??気持ち悪いなぁ、思い出し笑い」
「・・・っ、くくく・・・、悪い」
「『ウチにはシロップなんてない!』」
「は?」
「・・・だから東上の台詞。『ウチにはシロップなんてない!』」
「でも甘かったんですよね?」
「そう、それもかなり」
「・・・砂糖・・・、でもアイスじゃ溶けないか・・・?蜂蜜とかですか?」
「どれもハズレ」
「うーん??あとはなんだろう??・・・・あ、まさか」
「なに?わかったのか?」
「・・・・愛情の甘さだ、とかいうオチじゃないですよね??うわっ!寒いですよ??」
「!!??ちげーよ!!」
「それは良かったです☆じゃ、なんですか?」
「知りたいのか?」
「興味はあります」
「・・・・俺にアイスコーヒーを作ってくれる少し前に越生が帰ってきたんだ」
「越生君?」
「うん。暑い外から帰ってきた越生の開口一番が、
『とーじょー!アイス!』だったんだ」
「・・・アイス、ですか??失礼ながら東上さん宅にそんなものがあるようには・・・」
「俺もそう思って目を見開いていたらさ、
東上が冷凍庫からアイスを出したんだよ・・、手作りの」
「手作り??」
「・・・・しかも製氷機からだぞ?」
「製氷機・・・、って、まさか・・・・」
「うん。砂糖水を氷を作るトレーに入れて氷にしたみたいだ。
それを越生はアイスとして食べていたわけだよ」
「・・・・・うわぁ・・・、ちょっと悲惨ですねぇ」
「越生本人は美味しそうに食べていたし、いいんじゃないか?」
「本人が幸せなら誰も何も言えませんからねぇ・・・、
あれ?それじゃ先輩のアイスコーヒーが甘かったのって・・・」
「お前ももうわかっただろ?東上がただ単に間違えただけ」
「・・・越生君用の甘い氷を先輩のアイスコーヒーに使ってしまったわけですね?」
「そういうことだな。氷が6つ位入ってたから、甘くてさぁ」
「・・・(嵩を増す為に氷を増やしたのかな?)・・・はぁ」
「お前、なんでため息なんて吐いてんの?」
「・・・まさかアイスコーヒー1杯で惚気を聞く羽目になるとは思っていませんでしたので」
「・・・・!!?」
「やっぱ先輩は冷たいです」
「は?・・・なんでそうなるんだ??」
「むぅーっ」
「『むぅーっ』って、お前はまた子供みたいな・・・」
「先輩の前ではいつまでも子供でいたいんです!
でもそろそろ卒業しなきゃなんですかね〜・・・、寂しい」
「・・・・副都心」
「僕はお父さんとお母さんを一度に失った気分です」
「・・・それは俺がお前のお父さんとお母さんと言う意味か??」
「僕の世界は先輩が殆どでしたからね・・・、だから寂しいです」
「・・・・・」
「そんなこまった顔はしないで下さいよ!
大丈夫☆先輩の邪魔はしませんから」
「・・・・・邪魔って・・・そんな」
「それに先輩は僕の親代わりですが、好きな人ってワケじゃないんですよ?」
「・・・それは知ってる」
「好きな人は別にいます。僕も先輩と同じで個性的で扱いづらい人が好きみたいなんですよ」
「・・・俺と同じって・・・」
「子は親に似るんでしょうね☆
僕の好きな人は団体で『会長!』とか叫ぶちょっと変わった人です」
「・・・・お前、昔からアイツのこと綺麗、って言ってたもんなぁ」
「おや?ご存知だったんですか?」
「・・・・お前はわりと分かりやすいヤツだよ、『新線』」
「やっぱり貴方には適わないなぁ・・・、ゆーらくちょー?」
有難う御座いました。
有楽町と副都心が『×』になっているような感じですが、違います。
・・・違うのですよ???
あくまで親子的、兄弟的感覚なんです。
この話の副都心と西武池袋は、副都心→←西武池袋な感じです。
副都心×西武池袋も書きたいですが、それはまた別に機会にまわしました。
2011/6/25
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