〜東武のクリスマス 大師と宇都宮と高崎〜

「・・・ん?東武のチビだ」
「おや、本当だ。何をしているんだろうねぇ?」
「なんだかカードみたいなのいっぱい並べてんなぁ・・、おい!大師!」
「!あ!宇都宮と高崎だ〜」
「お前、一人で遊んでたのか?伊勢崎は?」
「いささきはまだお仕事中〜!だから大師、待ってるの」
「ふぅん?何して遊んでたんだい?」
「これ!」
「これって・・?ソレなんだ??」
「クリスマスに貰ったの!カルタ!」
「・・・カルタ?」
「カルタってあれだよねぇ?
 百人一首みたいにカードを並べて読み手が呼んだのを奪い合う・・」
「ああ・・・、でもあれがカルタ??」
「本人がそう言っているんだしそうなんじゃないのかい?」
「これね〜、いささきやにっこー、野田とかの手作りなの!
 越生の分も作ってくれたんだって!
 お正月にとーじょーと越生がきたら一緒に遊ぶの!
 だから大師は今練習中なの」
「・・・・手作り・・・牛乳パックで?」
「うん!うちはビンボーだけど牛乳だけは買おうねって前にいささきが言ってたよ!」
「・・・身長きにしてるからな、伊勢崎は」
「だからって牛乳を飲んでも変わらないと思うけど」
「それにしてもカルタくらい買ってやればいいのに・・・、所々誤字脱字があるぞ、これ」
「ま、手作りだからねぇ・・・・」
「??宇都宮?」
「なに?」
「どうした?なんか今、遠くを見てなかったか??」
「・・・あー・・・ちょっとね・・・、僕は結構冷たい性格だと自分でも思ってるんだけど」
「・・・・思ってたのか!?」
「自分を知らなければ他人を知ることなんて出来ないからね」
「・・・なるほどな」
「で、そんな冷たい僕だけどなんだか世の無常を感じてしまったよ」
「・・・・宇都宮?」







「宇都宮?お前なんでこんなトコきてんだ?」
「こんなトコって玩具売り場?」
「ああ、お前、玩具なんて興味ねーだろ?」
「まぁ、ね。でも高崎、僕はさっき言ったよね?世の無常を感じたって」
「・・??ああ」
「東武はライバルの1つだけど、子供には冷たく当らないよ、僕は」
「は?」
「カルタくらいきちんとしたのを使ってあそんで貰いたいじゃない?」
「・・・宇都宮・・・お前・・・」
「・・・ねぇ、高崎?どんなカルタが良いのかな?」
「(お前の氷の心も溶ける事があったんだなぁ)・・・そうだな・・・これとか?」
「コレね・・・。動物がいっぱいで可愛いね・・・」
「だな!それにすれば?」
「そうだね・・・・、ふふっ」
「・・・・宇都宮?(なんか嫌な笑い方だな)」
「ああ、ごめん。これを大師にあげたときの日光の顔が思い浮かんでね・・楽しい!」
「!!!!・・・・あ、そ・・・(やっぱ宇都宮は宇都宮だよな)」
「高崎?どうかした?」
「いや・・・なんでもねー。それよりレジに行ってくれば?」
「そうかい?なら行ってくるよ」
「ああ・・・(ああ、東武はライバルだけど日光や伊勢崎には同情するぜ)」

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