〜つなぎのでどころ〜
「・・・あれ?武蔵野?」
「ん?・・・よぉ!京浜東北」
「珍し・・・くもないのかな?最近はよく君と会うよね、売店で」
「ん〜・・?そうかもねぇ・・・」
「で?」
「ん?」
「・・・また、何かに悩んでいるみたいだったけど?」
「・・・あ、やっぱわかるぅ〜?さっすが京浜東北!」
「それはどうもありがとう。褒めてもらって嬉しいよ」
「なんだか棒読みだぜ〜?」
「気のせいだよ」
「そうかぁ??ま、いいけど・・・」
「・・・・・・」
「そうそう、でさ!ご指摘どおり俺、今悩んでるんだよね〜」
「・・へぇー・・・」
「またTシャツの時みたいに相談にのってくれねぇ?」
「・・・Tシャツ??」
「そ、東上にあげたTシャツ!」
「!ああ・・・、あの時の・・・、ってことはまた彼がらみなのかい?」
「おおよ!てか聞いてくれる?この前さぁ・・・」
「うん?」
『よぉ!とーじょー!!何してんの??』
『!武蔵野??お前、何しに来たんだ??』
『え?ヒマだったから遊びに?』
『あ、そ!俺は今忙しいからお前に構っているヒマはねーよ!帰れ!』
『忙しいって・・・、繕い物してるだけじゃーん?・・・ってアレ??』
『なんだよ?』
『とーじょー?それなにやってんだ?』
『あ?・・ああ、これか・・・。これは越生へのクリスマスプレゼント』
『あ、そー。プレゼントね。ふぅん・・・、って・・えぇぇぇぇっ』
『うわっ!!急にでっかい声出すなっていっつも言ってんだろー!!』
『・・・わりぃ・・・。でもよ、とーじょー?』
『なんだ?』
『それ、東上のつなぎじゃないの?』
『・・・そうだけど?』
『そうだけど?って・・・、お前さ、今は越生へのプレゼントっつったよな?な?』
『あー・・、まぁ、な。でも、俺ら東武には新しいプレゼントを用意する余裕はねーから』
『はぁ?』
『だから毎年、越生へのプレゼントは俺の古くなったつなぎを越生用に直してあげてんだよ。
手足の先の部分は擦り切れてるけど、その部分を切り落とせばまだまだ使えるしな』
『マジ??』
『嘘ついてどうすんだよ?』
『そーだけど・・・・、なぁ、東上?』
『?』
『因みに自分自身のつなぎはどこで買ってんだよ?』
『・・・・古着屋』
『はぁ!?』
『古着屋でオレンジのデザインが似たいいのがあればそれ買ってる』
『・・・・・(マジですか?)』
「ってことがあってさー」
「・・・・なんというか、やっぱり毎回だけど聞いているこっちが寂しくなる話だね」
「だろーー!?俺、それ聞いたらなんか無性に寂しくなってさー。
その後に食べた東上の飯にさらに悲しくなったんだよねぇ」
「・・・・今回はどんなご飯だったわけ?」
「スカイツリー建設で給料はカットされて、ボーナスもなかったらしくてさぁ・・」
「うわぁ・・、悲惨だね」
「ああ、悲惨も悲惨だね。白米と、具のない味噌汁と、たくあん漬け」
「・・・・は?それ本当??」
「本当だよ、本当!
や、東上は料理が上手いけど、そこまでいくとそれ以前の問題だよな?
つなぎの話を聞いた後だけに俺、涙流しなしながら食べたよ」
「・・・・僕でも涙を流すよ、それ」
「上越上官でも泣くんじゃねーの?」
「そうかもね。それで?今回は何に悩んでいるの?」
「ん?ああ、それね!俺ってよく振り替えしてもらってるのは知ってるよな?アイツに」
「そうだね・・・」
「だろ〜?」
「(少しは反省してくれないかな?)・・・それで?」
「でさぁ・・・、今回もそのお礼に東上に何かプレゼントしちゃおうかなって!」
「・・・・ふーん・・・・」
「あ、東上にはもう決まってんだよね!真新しいつなぎ!もちろんLサイズ!」
「・・・L?やっぱり彼はLサイズだったのかい?」
「ん?いんや〜??わかんねー。TシャツのLはでかそうだったかな?」
「・・・・ならMサイズにしたら?」
「いや〜・・・、それで小さかったらヤだし、Lでいいじゃん?」
「・・・・君がいいならいいけど・・・・、あれ?なら今回は何に悩んでるの?」
「そうせかすなって!東上のトコには越生ってガキがいるんだよ」
「・・・・そうだったね」
「東上にプレゼントあげるならアイツにもあげなきゃだろ?」
「そうだろうね」
「だろ?でさー、京浜東北」
「うん?」
「最近の子供って何が好きなんかな?」
「・・・・は?」
「いや、だってよ、折角あげるなら越生にも喜んで欲しいじゃん?
越生が不機嫌だと東上も不機嫌になるし、
将を射るにはまず馬からとも言うじゃん?」
「将を射るにはって・・・、ねぇ?武蔵野」
「あ?」
「前から思ってたんだけど、きみ、さ、東武東上が好きなの?」
「・・・・・・!」
「・・・・武蔵野?」
「はぁ〜〜???」
「はぁ?って・・・違うのかい?」
「なに恐ろしいこと言っちゃってんの??俺が??あの凶暴な東上を??」
「そうだけど?」
「・・・・ぷっ!!ないない!それはないって!」
「ふぅん?」
「第一に俺、男より女が好きだもん!俺、ホモじゃないんだよねぇ?」
「そう?・・・じゃあさ」
「?」
「きみ、東武伊勢崎とも接続してるよね?」
「??ああ、まーねー」
「伊勢崎も東上と同じくつなぎはきっと古着屋だよね?」
「・・・・まー、同じ繋がってないとはいえ同じ東武だし・・・聞いちゃいないけどそうかもねぇ」
「きみ、伊勢崎にもプレゼントあげるのかい?」
「????は?なんで???」
「・・・・だって東上にあげるんでしょ?」
「???それとどういう関係が??」
「・・・・きみ、実は鈍いのかい?」
「はぁ?」
「ま、いいけれどね・・・」
「????なんだよ、スッキリしねーなぁ・・・」
「あれ?東上、今日のつなぎはおニュー?」
「!よく分かったな」
「まぁね・・・まだ全然汚れてないし、生地もくたびれてないからわかったよ」
「・・・いつもはくたびれた生地で悪かったな・・・・?」
「え!?いや、決して悪気はないっていうか・・・」
「・・・・・」
「本当だって!!・・・あ、でもなんだかでかそうだね〜??ははは・・・」
「・・・相変らずよく見てんな、お前。確かにちょっとデカイんだよな・・・、
まぁ、もらい物だし、贅沢は言わない」
「ふーん・・・。もらったんだ・・・、って・・、え?貰った!?」
「うわっ!ビックリした・・・。急に大声出すなよなぁ、有楽町」
「だ、誰に??」
「は?」
「東上!誰にもらったんだ???」
「・・・何が??」
「つなぎ!まさかまた武蔵野!??」
「・・・あ?・・あぁ・・・そうだけど?」
「なんで??」
「さぁ・・・?よくわかんねーけどクリスマスプレゼントだって。
越生にもくれたぞ?最近流行の携帯ゲーム機とそのソフトとかいうヤツ」
「・・・越生にも?」
「ああ」
「それだけ??本当に???」
「?何がだ」
「男が服をプレゼントするのは・・・」
「・・・・脱がせる為だっていいたいのか?」
「!!そ、そうだよ!わかってるならなんで・・・」
「あいつがそんなこと考えるかよ。ハメハメハ大王だぜ?
もし仮に考えてたとして、襲われたとしても俺は返り討ちにする自信があるから平気だ」
「それはそうだろうけど・・・!でも油断してたら分からないだろ??
東上は可愛いんだからもっと気をつけなくちゃ!」
「・・・・お前、寒さで脳が凝縮したのか?」
「俺は正気だ!と・に・か・く!
前回、プレゼントはホイホイ貰わないって約束しただろ??」
「・・・・・・」
「と・う・じょ・う?」
「(・・・だから有楽町のくせに目が怖いんだよ)あ、・・う、うん・・・、忘れてた」
「こら!忘れたらだめじゃないか!」
「あ、あぁ・・うん・・・ごめん・・・」
「よし!次からは気をつけるんだぞ?」
「わかった・・・(なんか有楽町の目が怖し)」
「ああ、そうだ東上」
「?」
「クリスマスケーキを貰ったんだけどいる?
ちょっと貰いすぎちゃってさ(本当は東上用に買ったんだけど)」
「・・・・プレゼントはホイホイ貰っちゃダメなんじゃねーのかよ?」
「プレゼントは、だろ?これはおすそ分け」
「ふぅん?」
「で、どうする?いる??貰ってくれないと捨てるようなんだけど・・・」
「捨てるのかよ!もったいない!」
「・・・なら貰ってくれる?」
「・・・たく、仕方ねーなぁ・・・」
「決まりだな。仕事が終わったら寄ってよ」
「わかった」
2010/12/23
ありがとうございました。
以前のTシャツの話の続き?です。
なので所々、コピペがあります。
あ、気づきましたか??そうですか・・・・(^^;)
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