〜下着のでどころ〜
「よぉ!京浜東北!」
「・・・武蔵野?」
「また会ったな!」
「・・・そうだね。今回で三回目かな?」
「よく覚えていらっしゃる!さっすが京浜東北〜」
「・・・それはどーも・・・。褒めてもらえて嬉しいよ」
「言葉が棒読みだぜ〜??」
「・・・君の気のせいだよ・・・・、それで?」
「あ?」
「『あ?』じゃなくて・・・、今回は何を贈るのさ?」
「・・・・売店に来たからって贈り物を買うとは限らないじゃん?」
「違うのかい?」
「・・・ん〜・・・、ま、その通りなんだけどねぇ・・・、
なんでわかったんだ?」
「・・・なんでって・・・、二度あることは三回あるって言うじゃないか」
「なるほどねぇ〜。でも、ま、今回は俺一人でも決められっから平気だぜ?」
「・・・ふぅん?」
「あり?なんか残念そう?」
「そんなことはないよ。
ただまぁ・・・、今回は何をあげるのかには興味あるけれどね」
「お前も物好きだねぇ・・・?」
「2回もつき合わされていればそうなると思わないかい?」
「・・・まー・・、そうかな?」
「そうだと思うよ」
「・・・そうかぁ・・・、んじゃ、特別に教えるとしますか!」
「どうもありがとう」
「・・・だから棒読みだぜ〜??」
「・・・武蔵野の気のせいだよ」
「そうかねぇ〜??・・ま、いっか・・・。んじゃ話すけど・・・」
「うん?」
『よぉ!とーじょー!!何してんの?』
『!!??む、武蔵野??バッッカ!突然くんなよな!!』
『いいじゃーん?俺とお前の仲なんだしぃ?』
『どんな仲だよ!?』
『プレゼントをあげる仲?・・・って、あり??』
『・・な、なんだよ?』
『東上さぁ・・・、本当に何してんの?』
『何って・・・、絵の練習をしてる以外に何に見えるんだよ?』
『・・・何って・・・、まぁ、絵の練習以外には見えないけど・・、
でもなんで新聞広告の裏に赤いマジックペンで練習してんのよ?』
『・・・新聞広告なら練習に安上がりだし、
レンジャーものの隊長は赤色が定番だからに決まってんだろ!?』
『・・・はぁ?』
『ウチにはまともに買ってやれる余裕はねぇからな!せめて俺が描いてやるんだよ!』
『?????』
『と・に・か・く!早々にそれなりにまともに描ける様にならねーと・・!』
「・・・ってことがあったんだよねぇ・・・」
「・・・・・」
「ビンボーもあそこまでいくと悲しいを通り越して虚しいというか・・・、
お前もそうおもわねぇ?」
「・・・・武蔵野」
「んー?」
「・・・すまないけど、今の話だけじゃよく話が見えないんだけど?
だから『思わねぇ?』と聞かれても答えられないよ?」
「・・え?そぉ?」
「そうだよ・・・、
第一に東武東上が『何』を『何』に描くつもりなのかもさっぱりだよ?」
「あり??俺、言ってなかった?」
「言ってないよ?」
「そりゃ悪かった!パンツにだよ!」
「・・・は?パン、ツ・・・??」
「越生が今よ、レンジャー物にはまっているらしいんだよねぇ」
「・・・・子供はそういうの好きだからね」
「んー・・・、まぁねぇ・・、
あいつもなんだかんだいってまだまだガキってことだよな!
で、東上にさぁ・・・・、
レンジャーのイラストが描いてあるパンツが欲しいって言ったらしいだけど・・・」
「・・・・ああ、なるほどね・・・。
なんだか話が見えてきたよ」
「あ、そう?」
「うん。子供にねだられたけど、東武にはそんな余裕はない。
だから東上は自分でパンツにイラストを描こうと練習してたわけだね?」
「そーそー!」
「・・・・相変らず、やっぱり毎回だけど聞いているこっちが寂しくなる話だね」
「だろーー!?俺、それ聞いたらなんか無性に寂しくなってさー。
その後に食べた東上の飯にやっぱさらに悲しくなったんだよねぇ」
「・・・・今回のご飯は??」
「んー?今回は前回のつなぎの時よりグレードはアップしてたけど、
玉子焼きと、お新香と、玄米と、具が少しの味噌汁と、3人で鮭一切れ」
「・・・確かに前回よりもマシになった・・のかな?
でも三人で鮭一切れって・・・・」
「まぁ、東上は料理が上手いから、鮭もムニエルとか洒落たもんにしてたけどな!」
「・・・・料理の腕があっても材料がないんじゃ宝の持ち腐れだね」
「・・・あー・・、そうかもなぁ・・。
俺がたまに材料を持ってくとその腕を活かせてるけど・・・。
東上が作ったひじきの煮物とか、煮込みうどんとか、
あ、カレーもいちから作るから本当に美味いんだよねぇ」
「・・・へぇ?・・・・それで?」
「あ?」
「・・・君が今日、ここに来たのは下着を買いに来たの?」
「ビンゴ〜!わかっていらっしゃる!!」
「・・・・それはやっぱり、恋愛感情じゃなくて、
いつも振り替えをしてもらっている御礼、なんだよね?」
「もっちろん!だって俺、女の子が好きだもん!!
仮に男が好きでも東上みたいなめんどくさいヤツは願い下げだしぃ?」
「・・・・ふーん?」
「・・・お?信用してない?」
「いや・・・、別に・・・・。
まぁ、無自覚のうちが一番楽しい時期なのかもしれないし・・・」
「はぁ?無自覚???何に??」
「わからないならいいよ。
まぁ、何かと大変だろうけどがんばって。
それより武蔵野・・・・」
「なに?」
「ここに、レンジャー物のパンツはないと思うけど?」
「・・・・・ところがどっこい!あるんだなぁ!」
「・・・え?・・・あ、本当だ・・・(なんで???しかも子供サイズだ)」
「俺も不思議なんだけど、この前見かけたからさぁ・・、買いに来たわけ!
越生のパンツはコレで決まりっと!
あとは東上のパンツ・・・、やっぱLサイズかな???」
「・・・つなぎがLだから?」
「そーそー!ならやっぱパンツもLだよな?」
「でもつなぎもTシャツもLはでかそうだったんでしょ?」
「まぁねぇ・・・」
「・・・ならMサイズにしたら?
さすがに下着は大きいとずり下がってくると思うよ?
まぁ、彼のあそこが標準より大きくて、
下着が大きくないと大変だっているならLでも・・・、
・・・・ってなに?武蔵野???」
「・・・いや、お前でもそういうこと言うんだなって・・・」
「は?そういうこと?」
「・・・いや、アソコがでかいとか・・・、まぁ、下ネタ的なこと?」
「・・・・!!!???」
「京浜東北もやっぱ男っつーことかぁ・・・」
「い、いや・・その・・・だから・・・!!!」
「いやぁ・・・!ただの真面目な眼鏡だと思っていたら、
お前もムッツリすけべぇな男だったのね!」
「・・・ムッツリって・・・、だ、だから・・その・・・!!」
「だーいじょうぶだって!!誰にもいわねぇーから!」
「・・・・そうしてくれると助かるよ(不安だ・・)」
「おつかれー、東上」
「・・・有楽町?おつかれ」
「・・・あれ?その紙袋なに??スイ○ペンギンがいるけど」
「ん?これか?」
「うん・・・、他社の袋持ってるなんて珍しいね」
「・・・俺も嫌だったんだけど武蔵野に押し付けられてさ・・・」
「・・・え?武蔵野???」
「ああ、いつものお礼とか何とか・・・、
で?中身を見てみたらどうも越生のパンツなんだよなー」
「・・・え・・・えぇぇぇ??パ、パンツ???な、なんで??」
「・・・さぁ?あ、この前、あの現場を見られたからかも・・・・」
「・・あの現場って???」
「・・・・ん?
・・・ああ・・まぁ、その・・・・・」
「と、東上??」
「だから・・・、見られたんだよ・・・練習してるの」
「・・・練習???」
「その・・・越生が今好きなレンジャー物のイラストの練習」
「・・・は?レンジャーのイラスト???」
「ああ・・・、越生がその下着が欲しいっていうからさ。
でも、俺にはなかなか買ってやれないし、
だから描いてやろうかと練習してたら武蔵野に見られた」
「描いてやろうって・・・、まさか下着に絵を??」
「・・・そうだけど?」
「そうだけどって・・・・、だからって・・・、いや、まぁ・・・うーん??
・・・って、あれ??東上?」
「・・・・なんだよ?」
「・・・それ、越生の下着以外も何か入ってないか?」
「・・・あ?・・・ああ・・・そうなんだよな、俺のもくれたみてぇ」
「東上!!」
「うわっ!!びっくりした・・・、なんだよ・・急に大声だして・・・」
「何もされてないな??」
「・・・はぁ?」
「パンツ貰っただけだよな??変なことされてない??」
「・・・・・・・」
「男が服・・っていうか、下着を贈るのは下心があるに決まっているだろ??!」
「・・・あのハメハメハ大王がそんなこと考えてんのかよ?」
「武蔵野も男だからわかんないだろ!?」
「・・・男なら男に対してそんな気持ちは持たねぇんじゃねーか??
日光じゃあるまいし・・・・・」
「そんなのわからないだろ!?
日光っていう例もあるんだし!東上は可愛いんだからもっと気をつけなくちゃ!」
「・・・可愛いって・・・、お前さ、春の花粉にでもやられたのか??」
「俺は花粉症じゃないよ!!それに花粉症はそういう病気でもない!!
と・に・か・く!前回もその前も!
プレゼントはホイホイ貰わないって約束しただろ??」
「・・・・うっ!!」
「と・う・じょ・う?」
「(有楽町の目が今までで一番怖い・・・)
あー・・・、はは・・・忘れてた・・・なぁんて・・・・」
「・・・・・・・」
「(無言がこえぇぇ)うぅ・・・、ごめん(って、なんで謝ってんだ??)」
「よし!次からは本当に気をつけるんだぞ?」
「わかった・・・(有楽町の目がすっげー怖し)」
「よしよし!」
「・・・・(ほっ、目が元に戻った)」
「ああ、そうだ」
「?」
「東上はまだ休憩?」
「・・・そうだけど?」
「なら一緒にお茶にしないか?俺も休憩だから。
銀座がさっきクッキーをくれたから副都心も呼んで一緒に食べない?」
「・・・・・・・」
「・・・東上?」
「・・・あ、ああ・・・うん、そうだな。行くよ」
「そう?なら副都心を呼びに行こうか?」
「あ・・・、お、おう!」
「・・・・?」
「(本当は武蔵野ともお茶してきたんだけど、言ったら怖いから黙っておこう)」
2011/5/14
ありがとうございました。
以前のTシャツとつなぎの出所の続き?のようなものです。
この話では東上は誰とも付き合ってません。
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