〜手料理〜

「・・・え?」
「だーかーら!お前は今、何が一番食いたいんだ?!」
「・・・・え・・?え・・・?えっとぉ・・・?」
「ハッキリしねーヤツだな!有楽町が今一番食いたいもんだよ!」
「・・・・あ、あの??東上??」
「なんだよ?」
「なんで急にそんなことを聞くんだ?」
「・・・・・」
「東上?」
「正月ってさ」
「うん?」
「お前達、メトロもそうだと思うんだけど」
「うん?」
「御節とか、雑煮とかばっかじゃん?」
「・・・そうだな」
「俺は毎年さ、簡単な御節とかあと雑煮を作るんだけど・・・」
「そういえばそうだよな。俺も毎年、もらってるし」
「・・・・つい、沢山作りすぎちゃうんだよな。
 本線とか、あと秩鉄にあげるついでだから気にする必要はないぞ?」
「・・・・ああ、そう・・・(やっぱ俺は秩鉄より後の存在なのか)」
「で、本題に戻るけど」
「うん?」
「御節とかって最初は美味いけど、やっぱ三が日食い続けてると飽きるだろ?」
「・・・・そうだな。美味しいけどあきるかも・・・?
 (実際にしばらく昆布や豆は見たくないし)」
「特に子供はそうなんだよなー」
「・・・あー・・・、なるほどな・・、越生?」
「うん、そう。
 あと今夜、大師が来るんだけど」
「・・・・まさか大師も?」
「うん。伊勢崎からの電話だと『飽きた!』って駄々捏ねているらしい」
「はははっ」
「笑い事じゃねーよ!」
「・・・っ・・・、ごめん」
「で、さ」
「うん?」
「お前は、今何が一番食いたい?」
「俺?」
「お前も今、御節は飽きたって言ってただろ?」
「そうだな」
「そんなお前は何が一番食いたいんだ?
 参考までに教えて欲しいんだけど」
「・・・・!そういうことか」
「・・・なにが?」
「い、いや・・・、こっちの話!」
「?」
「本当に俺の問題だから気にしないで!
 (ちょっとお呼ばれの期待してたなんて言えないし)」
「変なヤツ」
「うん、ごめん」
「まぁ、いいけど・・・。
 それでお前は何が食いたい?」
「・・・うーん・・・?そうだなぁ・・・」
「正月料理に飽きるとやっぱラーメンとか?」
「・・・ラーメンねぇ・・・、それもいいけど・・・」
「ああ」
「ハンバーグとか、カレーがいいかも」
「ハンバーグ?カレー?」
「そう!あとフライドポテトとか?
 なんかそういうのが無性に愛しくなるよな」
「・・・ハンバーグやカレーが、か・・・?」
「うん。それに東上は手作りするだろう?
 なら余計にハンバーグやカレーは美味しいだろうし・・・」
「・・・・ふぅん?」
「子供はその2つ好きだしね。どっちかにしてみたら?」
「・・・そうだな、それがいいかも。
 ちなみにお前はどっちが好きなんだ??」
「俺?・・・俺は・・・やっぱカレーかな?」
「カレー?」
「男は大抵、好きなんじゃないかな、カレー」
「・・・・そうかもな・・・、カレーが好物な男は多いよな」
「うん。それに正月料理の味付けとも違うし越生も大師も喜ぶと思うよ」
「だな!」
「お役にたてた?」
「ああ!」
「良かった!じゃ、俺は仕事に戻るな?」
「おう!サンキューな」
「どういたしまして」
「・・・・あ、有楽町!」
「・・・ん?なに?」
「お前も今夜、大丈夫だよな?」
「へ?」
「お前も喰いに来るだろ?」
「・・・え?え?えぇ??」
「だってお前のリクエストだぞ?それにお前も正月料理にはあきてんだろ?」
「・・・(リクエストっていうかただのアドバイスだったんだけど)」
「有楽町?来ないのか?」
「いやいやいや!!行きます行きます!・・・てか、いいの?」
「?ダメな理由なんてないだろ?」
「・・・ないの?」
「・・・・少なくとも俺にはない。
 お前にはあるのかも知んねーけど!」
「俺にもないよ!!」
「・・・・本当か?」
「本当!東上が迷惑じゃないなら喜んでお邪魔するよ」
「・・・迷惑なんかじゃない」
「本当?」
「本当だ!」
「じゃ、今夜お邪魔するな?ケーキかなんか持ってくよ」
「・・・・ケーキなんてもったいねー」
「もったいなくないよ。それに俺が持っていきたいんだから」
「・・・お前がそういうならそれでいいけど・・・、じゃ、今夜な」
「ああ」
「・・・遅刻すんなよ?」
「しないよっ」
「じゃ、楽しみに待ってる」
「うん。俺も楽しみに・・・、え?」
「じゃあな!」
「え?あ・・・、うん・・・・。
(東上、今確かに『楽しみに』って言ったよな?
 俺が思っている以上に東上も俺のこと想ってくれてんのかな・・?)」



有難う御座いました。 一応、正月SSの有楽町×東上です。 2012/1/7 戻る