〜指相撲・有楽町と副都心と東上〜



「おい！お前ら！！」
「おや、東上さん」
「・・・どうしたんだ？遅延？」
「違う！！ダイヤは順調だ！って、そんなことは繋がってるんだからわかってるだろ？」
「・・・・まぁ・・・（でもそれ以外でお前が来る理由があまりないんだよ）」
「この前さ、俺はお前達に腕相撲で負けただろ？」
「そんなこともありましたねぇ」
「（あの時の衝撃は今でも忘れない）・・・あったな」
「で、俺はそのことを珍しく本線・・・、伊勢崎に話したんだよ、会議のついでに」
「・・・・へぇ！随分と仲良くなったんですねぇ・・・」
「・・・まぁ、東上が嫌いなのは日光だけだろうから不思議じゃない・・（のかな？）」
「したら伊勢崎が『指相撲なら東上が勝てるよ』って教えてくれたんだ」
「指相撲？？」
「親指と親指で勝負するアレですね」
「そうだ！」
「・・・でもあれって指が長い方が有利なんだよな？
　俺や副都心に比べたら東上は手が小さいし不利なんじゃ？」
「（勇気あるなぁ、先輩。何気に失言してるんですが・・・？）
　確かに指相撲は指が長い人が有利ですよねぇ・・・。この中だと僕かな？」
「まーな！伊勢崎もそう言ってた。でも俺は伊勢崎からある技を伝授してもらってきたから負けない」
「技、ですか？」
「・・・・東上、その技って人差し指を使うんじゃないだろうな？反則だぞ〜？？」
「！！！・・・・・、っ」
「おや？図星っぽいですよ、先輩」
「おいおい、とーじょー？」
「う・・う、うううううるさいな！！違うよ！」
「へぇー？違うらしいですよ？」
「・・・・違うのか？本当に？？？でも他にどんな技があるんだ？？」
「・・・・、そ、それは・・・・」
「・・・・本当はないんだろ？（素直に認めればいいのに）」
「うぅ・・・！」
「まぁ、それは今から東上さんと勝負してみれば分かることですよ☆」
「・・しょ、勝負・・・・？」
「おや？顔色が悪いですよ？」
「（副都心・・・完全に遊んでるな）東上、悪いこと言わないから今ならまだ降参できるぞ？」
「う、うるさいな！降参なんかしねーよ！」
「だ、そうですよ？折角なので何かを賭けませんか？」
「賭博は禁止だぞ？」
「先輩は相変らずまじめですねぇ・・・？たまには力を抜かないとハゲますよ？」
「余計なお世話ですよ！！」
「心配しなくてもお金を賭けたりはしませんから大丈夫ですよ。
　それに東上さんはお金はあまり持ってないでしょうし・・・ね？」
「うっせーよ！」
「（東上、否定はしないわけか？）じゃ、何を賭けるんだ？」
「本人、なんてどうです？」
「は？」
「本人？？？」
「負けた人は１位の人の言うことを一日きく、とかどうです？？」
「・・・それじゃ、俺はお前の奴隷決定じゃねーかよ・・・」
「おや？東上さんは技があるんじゃありませんでしたっけ？？」
「うっ！！そ、それは・・・・」
「それに、僕が１位とは限りませんよ？先輩が１位になるかもだし・・・」
「そりゃ、そうだけど・・・・」
「では、早速はじめましょう」









・・・・１０分後。




「・・・・・やっぱ俺が最下位・・・」
「で、副都心が１位で俺が２位か・・・。指が長い方が有利、の典型的結果だな」
「ですねぇ〜。でも先輩とは結構いい勝負でしたよ？」
「まぁ、そうかもな・・・・（と、いうか東上があっけなさ過ぎ？）」
「・・・東上さん、手が小さいですからねぇ・・・」
「うるせーよ！越生よりはでかい！！」
「越生くんより小さかったら大問題ですよ？」
「（確かに・・・・、って、はやく副都心を止めないと東上がキレそうだな）」
「そういえば、技はどうしたんです？？
　ついに一回も見せてくれませんでしたが？」
「・・・・！！そ、それは・・・・」
「おい、副都心。それ以上は・・・・（あーあ、東上の目に涙が）」
「やはり技は人差し指をつかう反則技だったんでしょ？もう認めたらどうです？」
「・・・っ、う・・・うぅ・・・」
「東上さん？」
「・・・・そ、そうだよ！！文句あるか！？でも使わなかったんだからいいだろ！？」
「そこが東上さんのいいところなんでしょうね！」
「東上はなんだかんだで素直だからなぁ・・・」
「う、うるさいな！！」
「で、お二人とも、早速ですが１位の僕からの命令なんですが・・・」
「！！うぅ・・・・」
「（忘れてた）」
「そうですねぇ・・・、今夜は３人で飲みませんか？」
「は？」
「・・・・飲む？？」
「ええ、僕はお酒は先輩との１回しか経験がないんで。
　どうせなら先輩意外とも飲んでみたいし・・・どうですか？」
「どうですかもなにも、俺と東上に断る権利はないだろ？」
「ま、そうですね」
「なら決定じゃねーかよ・・・、本当にそんなんで良いのか？」
「ええ、構いませんよ」
「ふーん？ならいいけど・・・、んじゃ、俺はつまみでも作って持ってくよ。
　酒は確か正月のがどっかに・・・・」
「正月って・・・、いいよ、東上。酒は俺が用意するから」
「僕も用意しますよ。おつまみもお酒も割り勘にしましょう」




・・・・・さてさてどうなることやら・・・？

　


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