**副都心×有楽町で、東上×西武池袋だけど西武池袋×東上です**





熱い吐息が首筋にかかる。
欲情を滲ませた熱い吐息が耳を掠め、
薄く筋肉のついた身体に抱きしめられる。
後ろ頭を片手で抱きしめ、片手は背中に回されている。

舌と舌を絡めあう深い口付けを繰り返し受け止めながら、
ズン、ズンと腰を進め、内部の敏感な部分を力強く抉られていく。

西武池袋が達しそうになると、
「もう少し待て」と上に圧し掛かる相手の手が張り詰めた性器の根元を縛めた。
達せない苦しさに咽を背を仰け反らせば、
首筋に噛み付かれ、あやす様に何度も軽い啄ばむようなキスを与えられた。

もう限界だ、と圧し掛かる相手の背中に爪をたて、
途切れ途切れの声で訴える。

「いかせてくれ・・・!」

涙に濡れた目を何度も瞬きしながら相手に訴える。
すると相手はうっとりと黒い目を細めて、

「じゃ、一緒に・・・」

と、西武池袋の腰を両手で押さえ腰使いを小刻みなものに変え、
何度も何度も西武池袋の中を抉ってきた。

限界は近い。

もうすぐ迎えられる最高の時。

西武池袋は相手の背中に腕を回し縋りつく。
黒い髪に手を絡ませ、絶頂の時に自分を犯す相手の名前を叫んだ。



「・・・・・東上・・・・!」











〜正夢と悪夢〜



「・・・じゃ、そのタンコブはベットから落ちたときのなんだ?」

場所は池袋にある西武の休憩室。
今、この場所には西武池袋とメトロ有楽町、それから副都心がいた。
池袋で出会ったときに池袋のおでこにおおきなタンコブがあったので、
心配性の有楽町は副都心とともに尋ねてきたのだ。
けれどまさか西武池袋の口からアダルトな話を聞くハメになるとは思いもしなかった。

「・・・そうだ!変な夢を見たおかげでベッドから転げ落ちたのだ!!」
「変な夢って・・・、その・・・東上と・・ベッドインした夢ってことか?」

有楽町が遠慮がちに聞けば西武池袋は忌々しげに頷いた。

「それ以外に何がある!?会長ならまだしもこの私がなぜ東武なんかと・・・!
 しかも私が犯される側だったのだぞ!?」

夢でも納得できないのか、西武池袋は不機嫌な顔のままお茶を一気に飲み干した。
するといままでだまって様子を窺っていた副都心が面白そうに口を開くのだった。

「でも、それ案外願望の混じった正夢かもしれませんよ?」
「・・・なに?」
「副都心!!(お前はまた余計な・・・)」
「夢ってたまに願望の世界を見せてくれたりするでしょう?
 僕もたまに見ますよ、先輩を押し倒している夢とか・・・・。
 すごく幸せなのに、目覚めると先輩はいないんですよね〜」

HAHAHA!ととんでもないカミングアウトをしてくださった後輩に、
有楽町はあわててその口を塞ごうとしたが、そんなことで副都心が止まるはずもない。

「つまり副都心・・、貴様はこう言いたい訳か?
 この私が東武に犯されたいと思っている、と・・・・」
「犯されたいかどうかは分かりませんが、東上さんを気にしているってことなんじゃないですか?」
「なに?私が・・・・?」
「まぁ、確かに喧嘩すればするほど仲はいい、っていうけど・・・、
 西武と東上はそれ以前のような気が・・・・」
「そうだ!私と東武は相容れない間の・・・・」

西武池袋が眉間に皺を寄せながら副都心にいいわけ宜しく言うが、
副都心はそれをシレッと跳ね除ける。

「西と東が馴れ合ってはいけないって法律はないですよ?
 西武さんは本当は東上さんが気になって仕方なくて見た夢でしょうし?
 案外、東上さんも西武さんが歩み寄ってくるのをまっているかもしれませんよ?」
「・・・東武が?」


そうなのだろうか?と考え込む西武池袋に副都心は絶対そうですよ、と背中を押している、
が、有楽町は背中に冷たい汗を垂らしながら、

「・・・いやいや、東上にかぎってそれはないって言うか・・・あの、もしもし??」


と、副都心の言葉を否定した。
けれどすでに自分の世界に入り始めている西武には聞こえていないし、
それを後押しする副都心のお尻に悪魔の尻尾のようなものが見え、
有楽町はさらに震え上がった。

「(一体なにを考えているんだ、副都心ーーー!!)」

と、有楽町がもう一度言葉を発しようとした時だった。
急に西武がスクと立ち上がり、ブツブツ何かを言い出し始めた。
この人、危ない・・・?と有楽町が思ったが言えなかった。
とてもじゃないが言える雰囲気でもない。

「・・・そうか・・・あの東武は私を待っているのだな?」
「きっとそうですよー。ここは西武さんが折れて東上さんを・・・」
「ふむ?私から折れるのはいささか納得いかないが、これも会長のお導きかもしれん。
 だが、私が犯されるのは納得いかないぞ、副都心?」
「夢は夢ですよ、西武さん!犯されるのが嫌なら先に犯せばいいんです!」
「・・・・なるほど!だがそれでは強姦になるのではないか?」
「最初は強姦でも最後に和姦になれば結果オーライですよ!」
「・・・つまり東武をメロメロにすればいいわけか」
「そういうことです☆」

なんだかヤバイ会話をしているんですけどこの人たち、と有楽町は思ったがいえない。
っていうか強姦は犯罪です、と言いたいが、
とてもじゃないが言える雰囲気でもない。

やがて西武池袋がニヤリと笑ったかと思うと、スタスタとドアに向かって歩き始める。

「・・・あ、あのー?西武池袋??」

有楽町が声をかけると、彼は幾分かスッキリした顔でにこやかに言うのだった。

あの西武池袋がにこやかな顔・・・、
嫌な予感が脳裏を過ぎり彼が行くのを止めようとするが、副都心に腕をつかまれ阻まれる。

「・・・営団・・・、貴様達のおかげで私は吹っ切れた。
 今から私は東武東上のところへ行ってくる・・・・」

行ってどうするんだ?と言おうとした有楽町の言葉は途中で遮られた。
西武池袋が颯爽と部屋を後にしたのも理由の一つだが、
いつの間にか副都心の顔がまじかに迫っていて、
濡れた感触がしたかと思うと、濃厚な口付けによって言葉を塞がれたからだ。

「・・・んん・・、んんん〜???!ぷはぁ・・」
「西武さんがこの部屋使っていいそうですよ?相談にのってくれたお礼だそうです」
「・・・は?」

いつの間にか副都心の腕が腰に回り、身動きが取れなくなっていた。
ニコニコ笑う副都心の後ろには先ほどよりもはっきりと悪魔の尻尾が見て取れる。
有楽町はダラダラと嫌な汗を全身にかき始めた。

「今日はもう戻ってこないそうですから、先輩!僕たちも愉しみましょう!!」
「愉しみましょう、って・・・、げっ!!こら!!なにネクタイを解いてんだ!!」
「・・・だって裸にならないと始められないじゃないですか〜」
「何をはじめる気だ!!うわっ、わわわっ!!こらーーー!!ふくと・・んぐっ」

再びキスをされて抗議の声を塞がれる。
そしてその隙に近くにあったソファーに押し倒され、
あれよあれよと服を剥かれていくのだった。
大きな手が胸の飾りをかすめ、擽るように嬲ってくる。
その間にもズボンのジッパーは下ろされ、副都心の手が無遠慮に中心を掴んだ。

「西武さんと東上さんがくっついてくれればこういうコトできる時間が増えますからね。
 だから僕、東上さんには悪いですが西武さんを焚きつけちゃいました☆」
「お前・・なんて・・・こ・・・っ、・・・・」
「大丈夫ですって!少しも好意を抱いていない相手にだったらああいう夢はみませんから!」
「西武池袋・・がそうでも・・東上が・・・ぁっ・・・く・・・・」


中心への直接的な刺激に有楽町は声を飲み込んだ。
副都心の目が愛しそうに細められていくのをまじかに見つめながら、
それでも何とか逃れようと懸命に足をバタつかせ、手で胸板を押すが副都心は動じない。

「まぁ、そうですよね〜。まぁ、東上さんは流されやすそうですから大丈夫ですよ。
 それより先輩・・・、そろそろ本気出していいですか?」
「・・・は?本気・・・?げ!!お、おま・・・何でそんなに興奮して・・・」
「先輩を前に冷静でいられるわけがないでしょう?じゃ、いただきまーす♪」

副都心の「いただきます」と同時に身体は返され、尻の狭間に熱いものを感じる。
自分の置かれている立場にむしゃらに暴れ、有楽町の顔は蒼白になる。

「いただきます、じゃねーよ!!こら!!どけ!放せ!!副都心!!あ?あぁっ!!」













一方の東武東上線は・・・・。




「ぎゃーーー!何だってんだよ!?」


場所は東武池袋駅の詰め所。
東上が一人で書類を整理していたら西武池袋が突如現れ、
有無を言わさぬ速さでその場に押し倒され、つなぎを剥かれた。
キスで呼吸も言葉も塞がれ、体中に西武池袋の手が這い回った。

「大人しくしろ、全ては会長のありがたきお導きだ」
「はぁ?さっきからなにをわけのわかんねーことを!!」
「わけの分からないことではない、会長のお導きだ。
 会長が貴様とこうせよ、と夢で教えてくれたのだ・・・、
 ま、まぁ夢では逆だったが問題はないだろう・・・」
「どんなお導きだよ・・・!は、はな、せ・・・って、げぇ!!」
「・・・なにが『げ』なのだ?」
「気色悪いもん見せるからだろーが!!」

半裸に剥かれた東上と同じく上半身裸になっている西武池袋。
西武池袋はズボンから自分のぎらついたイチモツと取り出し、
東上に見せ付けていたのだ。

「気色悪いとはなんだ?コレはこれから貴様の体内に入り、貪る道具だぞ?」
「勝手に人の身体に入れようとすんなよ!?ぎゃーー!!握らせんな!!」
「貴様を可愛がる道具だ、しっかり形を覚えるがいい。
 ・・・そのかわり私も貴様の形を覚えてやろう。」
「覚える必要はねーよ!!あ!さわんなって!!やだっ・・、ぁ・・あぁっ」
「やだ、と言うわりには反応しているぞ・・・?」
「んなの生理現象だってわかれよ!!」

確かに西武池袋に触られ耳にはいやらしい濡れた音が聞こえてきている。
でも東上としては男なら誰もが示してしまう反応を示してしまっただけで、
西武池袋に触られるのは本当に嫌なのだ。
けど、東上の必死の訴えも西武池袋には届かない。

「ひぁっ!!やだ、やだ、やだぁーー!!秩鉄、助けてーー」
「あの男がここにいるわけないだろう?」

フッと笑って東上の足を大きく開かせると、
自身の高ぶりでヌルヌルと小さな入口を撫で、東上は蒼白になる。

「ぎゃーー!!ケツに擦り付けんな!!やめ・・やめろ・・、あ?あぁぁ!?」









翌日、ゲッソリしている有楽町と東上に対し、
スッキリルンルンな副都心と西武池袋を見かけたJR埼京と山手、メトロ丸ノ内は首を傾げたという。


有難う御座いました。 ごめんなさい〜(><) ギャグを書こうとしたら起承転結がないただの「文」になってしまいました。 それはいつものことなんですが・・・、難しいです。 もっと精進しなければいけません。 2011/4/23 戻る