「リー!! よけろ!!」
「え? うわ!!」
「リー!!」

「………………あーあ」



「まったく、間抜けめ。間抜けすぎる。一直線に飛んできた術を回避できないなんて…………。ガイ、貴様との鍛練が、ただの遊びになってるんじゃないのか?」
「なんだとぉ、ネジ!! お前があそこで余計な口出ししたから、リーが躊躇してしまったんだろうがぁ!!」
「ふん、弟子が間抜けなら、師匠も間抜けだな」
「なんだとぉ!!」
「ちょっとー、二人ともうるさいんだけど。まだ、敵の陣地にいるんだから、静かにしてよー。…………リーは眠ったまんまでいいかも知れないけど」
「…………起きそうにないか? テンテン」
「無理。つねっても引っ叩いても、握っても擦っても、反応なし」
「握る? 擦る? おい、テンテン、なにを…………」
「なに、変な想像してるのよ、ネジ」
「………………別にしていない」
「と、とにかく、木ノ葉の里まで三日はかかる。リーを担いで行くにしても、若干、分が悪い。テンテンもわき腹に怪我をしてるし、ネジも白眼の使いすぎて消耗しているし……」
「ガイは敵に突っ込んでいって、両腕を負傷しているしな」
「む…………。だから、下手に動けば、敵の残党に見つかる可能性もあるしな。だから……」
「あーあ、また野宿の日々かぁ。どっかに川とか池とかあるかなぁ? 水浴びしたい」
「地図を見る限りでは、敵陣地を大きく迂回するしかないな。まったく、間抜けが班員だと、苦労も多いな」
「よっく言うわよ、ネジ。術を食らったリーを見て、一番怒ってたの、あんたじゃない」
「………………」
「まあ、相手が放ったのが、単に眠るだけの術で良かったじゃないか。さて、そろそろ寝るか……」
「…………で、なにをしてるんだ、お前は?」
「あん? 単にリーに添い寝しているだけだぞ? なにをそんなに顔を顰めてるんだ、ネジ?」
「おれが言いたいのは、なんでリーに腕枕をしてやってるんだ、と言うことなんだが?」
「添い寝も腕枕を変わらんじゃないか? だから、なにをそんなに顔を顰めてるんだ、ネジ?」
「…………最強、最低の師匠だな、貴様。そんなにリーが大事か」
「なに言ってる。おれは、ネジもテンテンも、リー同様に愛しているぞ。お前らもこっちで一緒に寝るか?」
「………………」
「じゃ、おやすみ、ネジ」
「…………テンテン」
「なに?」
「なんでリーに添い寝するんだ」
「えー、別にいいじゃない。リー、寝像悪いし、勝手に転がって行かれちゃたまんないし」
「…………そして、なんでリーに顔を近づけて寝るんだ」
「…………そんなに近い?」
「おれが言うのもなんだが、近いぞ、テンテン。それじゃ唇と唇が…………」
「えー、別にいいじゃない。リー、木ノ葉に帰って術を解除するまで寝続けるだろうし」
「…………言っておくが、おそらく排泄もなにも、垂れ流しになると思うぞ」
「あ、そっか。まあ、いいんじゃない? 排泄くらい。全然、平気。任務で垂れ流さないといけない時だって、あるし」
「まあ、気にせんでいいんじゃないか? 川なり池なり見つけたら、リーを放り込めばいいだけだし」
「…………そういう問題なのか?」
「えー、そういう問題なんじゃないの? っていうか、あたし、本気で眠い。ネジ、見張りするんだったらしててよ。交代の時間になったら起こして」
「悪いな、ネジ。いつも、見張り一番手で」
「…………貴様ら…………」



「ちょっと! ネジ! いつまで寝てんの!!」
「う、もう、出発の時間か…………」
「なにが出発の時間か、よ! 結局、あんただって、リーに添い寝してるじゃないの!!」
「…………これは…………、不可抗力だ…………」
「不可抗力でリーを抱きしめる奴も、そうそう見ないがなぁ」
「………………」
「もー、とっとと、ご飯食べてよね!!」
「………………」
「ネジよ、今後はリーとは離れて寝ろ」
「…………貴様ら…………」

強制終了!!(2009/07/06〜)