LIFE 3
2004.10.15
=ごほうび=

弾みで身体の関係になってしまい拓斗の機嫌を損ねた健一だが、数日も過ぎればすっかり元の関係に収まっていた。
しかし健一は高校生くらいにしか見えない子供顔の拓斗に抱かれた事がどうしても納得出来ずにいた。
"どう見たって抱くのは俺の方だろ"
良くなかったと言えば嘘になる。
と言うより、あれだけ声を上げ感じてしまったのは今まででも初めての経験だった。
その事実が余計に健一を悩ませ、なんとしても拓斗を抱いて、あれ以上の声でイカせたかった。
健一が邪まな野望を抱いているとも知らずに拓斗はゲームに熱中している。
何とか自然に拓斗を抱く方法が無いものかと思案していると、バタバタとうるさい音を立て、ノックもせずに吉本が上がり込んできた。

「おいっ拓斗、春先に出したコンクール作品、お前入選したぞ! 」

「コンクール? 」
健一が不思議そうな顔で吉本を見ると、吉本も同じくらい不思議そうな顔で健一を見返した。
「えっ?小林君、拓斗と同じ建築だろ?知らないのかよ、コイツ何回か大型建築の設計デザインで結構デカイ賞とか取ってんだよ」
優秀だと噂には聞いていたが、そんな凄いとは知らなかった、健一は日頃の拓斗とのギャップに驚いてた。
「へー知らなかった……先輩凄いじゃないですか、初めて先輩の事、尊敬しましたよ」
健一が微妙な賞賛を浴びせると拓斗はエヘへッと可愛く照れた。
「おい、よく考えてみろよ、ちょっとくらい成績が良くたってスゴイ賞でも取らなきゃ、こんなヤツ学校だってとっくに退学にしてるだろ」
「それもそうか」と健一が頷く、一瞬拓斗のパンチが飛んでくると身構えたが拓斗は全く気が付いていない。
「馬鹿。物事はよく考なきゃ駄目だぞ健一」
それどころか言葉尻に乗って偉そうに振舞っている拓斗は吉本の言葉の意味に本気で気付いていないようだ。
「先輩……先輩こそよく考えなきゃ、今の吉本さんに馬鹿にされてるじゃないですか」
拓斗は大きな目を開いて一瞬考えると、閃いたように飛びあがり吉本に蹴りを入れた。
吉本と拓斗がバタバタとじゃれ合っている中、健一は「じゃあご褒美あげなきゃな……」と一人呟いた。

少し豪華な夕食を平らげ拓斗は満足そうにソファにもたれかかってテレビを見ている。
後片付けをしながら健一は頭の中で「ご褒美」の作戦を練っていると思い出したように拓斗が声をかけた。
「そう言えばさー、いつご褒美くれるの?」
健一は心の中を見透かされたかと思い、洗っていた食器を思わず落としそうになった。

"地獄耳……。"

都合の良い事だけは聞き逃さない拓斗にゾッとしながら残りの洗物を片付けにかかった。

片付けを終えた健一が拓斗の横に腰掛けると「ご褒美ぃー!!」と拓斗が足をバタバタさせる。
「そんな慌てないで下さいよ、今ご褒美あげますから……」
期待に溢れたキラキラした目で見つめてくる拓斗のTシャツをめくると小さい乳首を舌先でくすぐる。
「んっ・・・こらっ、健一っ!」
健一が上に乗り、全身で羽交い締めにすると拓斗は抵抗しようにも身動きが取れなくなってしまった。
指先で耳元をなぞられると、拓斗の抵抗する力がふっと抜けていく。
「それ、やめっ……ろって。」
拓斗が頭を振り健一の攻撃から逃げようとすると、健一は全身で拓斗を押さえつけ、両手で頭を押さえながら舌を使って耳元をくすぐる。
「ぃっ……。」
顔を真っ赤にして小さく声を上げ、健一の足にあたった拓斗の股間が徐々に硬くなっていく。
「嫌じゃないでしょ?先輩、もう硬くなってるよ。」
反対側の耳を舐めながら足を押し付け股間を刺激する。

「……っ…」

拓斗がたまらず歯を食いしばるが、唇を合わせ舌を絡ませながら閉じた口を開かせた。
ズボンのファスナーを下し、なぞるように手で刺激をすると先端が僅かに濡れ出し、そのまま先端を掴みながらグリグリとくすぐると拓斗は声を上げ先端の染みを広げる。
絡まる舌と先端をくすぐる股間からクチャクチャといやらしい音が漏れる。

「先輩、駄目じゃないですか、こんなに濡らしちゃ……誰が洗濯してると思ってるんですか」
「ばっ、ばかっ、離せっ。」
大きな目を潤ませ、拓斗が健一の手を払う。
「そうですね、早く染み抜きしなくちゃ」
健一がニヤリと笑い、下着ごと濡れた先端を咥えて吸いだす。
「おいっ……」
拓斗は健一の頭を押さえ引き剥がそうとするが、舌先で裏筋を舐め上げられると、抵抗が出来なくなり泣くように喘いだ。
「パンツの前がこんなに濡れてる……」
股間から口を離し首筋に舌を這わせ、拓斗の先走りと健一の唾液でぐっしょりと湿った股間をなぞる。
「お漏らし? 」
耳元で囁いて頬をペロリと舐める。
「このっ……」

健一の執拗な攻撃に拓斗は屈辱と快感で潤ませた目で睨むが、先端を強く扱かれると声を上げ腰をくねらせた。
下着を脱がせようと健一が手をかけると、拓斗も必死にトランクスのゴムを掴んで抵抗する。
そのまま引っ張り合うが、健一が強引に剥ぎ取ると下着が破れる音がして、その音がさらに健一を煽りたて力任せにTシャツも脱がされてしまった。
靴下だけ残して丸裸にされた拓斗が股間を手で押さえながら身体をくねらせて逃げようとするが、健一は拓斗の足をがっしり掴んで開く。
「いやらしいな先輩、手で隠しても大きいのがハミ出してますよ。それに後ろも丸見えだ。」
健一の舐めるような視線に拓斗は真っ赤になった顔を背ける。
「こんなのやだっ……離せよ変態っ!」
さらに拓斗の足を広げ、後ろに口を付けると舌先で扉を開く。
「っ……ばか…やめっ……けんいちっ……」
そのまま、じっくりと先端に向かって舌を這わせ、零れる程に濡れた先端に舌を絡ませると一気に咥え込む。
「だめだって……けんいちっ……ぁっ……」
健一の口がさらに大きくなった拓斗のモノでいっぱいになる。
そろそろかなと唇で扱きながらも、しっかり用意していたオイルを拓斗の後ろに染みこませようとした瞬間、健一の口に大量の精液が放たれた。
突然の発射に健一は咽るが、拓斗が頭を押さえ喉の奥まで押し付けてくる。

本来ならばこのまま後ろをほぐしてから健一のモノを挿入する予定だったが、今はそれ所では無い。
ゲホゲホと咳き込みながら、涙目で拓斗を睨む。
「……っ……この早漏っ……」
予想外の展開と、拓斗の吐き出したモノを受け止めきれなかった不甲斐なさに、ついカッとなりつい暴言を吐いてしまった。
まだ咳き込みながらも喉の奥に残った精液をティッシュに吐き出していると拓斗に顔面を思いっきり殴られた。
「……ってぇ……」
衝撃と痛みで涙がこぼれた、無言のまま健一の後ろにオイルを塗ると、前戯もないまに硬いモノを押し付ける。
「ちょっ、やめろってっ……ちゃんとほぐさないと……。」
健一の言葉を無視したまま拓斗のモノがめり込む。
「たくとっ……んっ……」
裂けるような痛みに叫びながら、また涙がこぼれ、激しく後ろを突かれると、健一の顔は涙と涎でグシャグシャになっていた。

叫び続けていた声が枯れると共に、痛みが疼きへと変わり、健一は前もさわられないまま射精していた。
健一が果てたすぐ後、拓斗は激しく腰を動かし健一の中に放った。
繋がったまま健一の上に倒れこんだ拓斗の顔も汗と涙と鼻水でグシャグシャになっていた。
肩で大きく息をしながらも睨み続ける拓斗の視線が健一の胸に突き刺さる。

乱れた呼吸のまま口を開くが声にならず、健一はまた涙を流した。
「ひっ……せっせん…ぱい……うっ……ごめんなさい……」
拓斗は子供のように泣き出した健一の頭を撫でながら「しょうがない奴だな」と優しく微笑んでキスをした。

しばらくの間、繋がったままで抱き合っていると健一の中が徐々にキツく広げられ、2回も出したすぐ後なのに拓斗の硬くなったモノで健一の中はいっぱいになっていく。
先程の痛みと共に奥の方が疼き出し、それを掻き出すように拓斗が深く腰を沈める。
「うわっ……あぁっ……たくと……」
「健一……はっ…んっ……」
お互いの名前を呼び合いながら何度も何度も激しくぶつかり合う。
健一はたまらず、自分のモノを激しく扱き、失いつつある意識の中で二人は同時に果てていった。

翌日、健一は激しい痛みに立ち上がる事すら出来なかったが、拓斗が買って来た弁当をベットの上で食べさせてくれたのが嬉しかった。
作戦は失敗したがまぁ良しとしようと自分に言い聞かせたが、拓斗に担がれトイレに行くと、あまりの痛みに叫びながら、またもや拓斗に抱かれてしまった事を少しだけ後悔をしていた。

Top Index Next