Pooh 2
2004.10.13
=ビデオボーイ=(1/2)

晃一が転がり込んできてから10日が過ぎていた。
仕事さえあれば晃一はフリーのライターをしているそうだが、勿論メシが食える訳でも無く、金が無ければアルバイトをしたりパチスロなどで日銭を稼いでいるようだった。
根っからのロクデナシ。
それでも、こうして生きていけるのは晃一が逞しいのか、周りの人間が放っておか無いからなのか……。

金さえ貯まれば晃一はあっさりと出ていくだろう。
恋愛の対象では無いから、俺だって未練は無い。
会おうと思えばいつだって会える。
しかし、あの身体を失うのは少しばかり痛い……。

俺は晃一を抱いたあの日から、来たるべき日に備え、ある計画を立てていた。

そんな俺の企みも知らずに、家に帰るとソファに寝転がった晃一がズボンと下着を膝まで下ろした格好で、自らのモノを扱いていた。
俺と目が合って気まずそうに「あっ……見られちゃった」と手で股間を隠す。
「なにやってんだよお前……」
「あー、俺性欲が強いからさ……」
照れて、エヘへと笑う晃一を呆れた素振りで小突いたが、視線はその瞬間を逃さないよう、半裸の晃一を隅々まで凝視していた。

中途半端に止めてしまった晃一が眠たそうな目で俺を見上げて「する? 」と誘う。
「まったく、帰って来たばっかりなんだぞ」と文句を言いながらも、俺の手は吸い寄せられるように晃一を弄り、唇を重ねて舌を絡ませていた。


「あのさ、ビデオ取らせてくれない? 」
晃一の唇をゆっくり味わった後、耳元に吐息まじりで囁くと、晃一はくすぐったそうに身をくねらせる。
「何の? 」
「お前の……その……」
キョトンとした顔で俺を見ている晃一の股間を指差すと、つられて自分の股間を見た晃一が「お前、スケベだなー。」と大きな口で笑う。
「駄目か? 無理ならいいんだ……」
強要はしたく無かったが、俺はその為にカメラを3台借りている、元々自分が持っていたカメラを合わせると4台、断られる訳にもいかない。

今回ばかりはあっさりとはいかず、晃一は「んー」と少し考えると「何でもするって言っちゃったしなー」と少し渋ったが結局「いいよ。」と軽い調子で俺の申し出を受け入れた。

その言葉を聞いた瞬間、俺は素早く閉まっておいたカメラを取り出し、計算し尽くした漏れの無いアングルにカメラを設置していく。
一台目のカメラを三脚にセットすると股間を手で押さえた晃一の全身が写され、そのまま録画を開始する。
二台目のカメラを晃一の股間のアップで固定し、三台目のカメラは顔のアップで固定した。
「おっ、お前……」
あまりの用意周到振りに、晃一も引き気味だったが、こうなったら俺だってもう止まらない。
我ながら完璧な仕事に一人、満足気に頷いた。

「そのまま自分でしてみて」
「……変態。」
晃一はニヤリと笑うと、軽く目を閉じて続きを楽しみ始めた。
俺は4台目のカメラを手に持ち、半分硬さを失ったモノを揉むように扱く股間をアップで写すと晃一のモノはすぐに硬さを取り戻していく。
「すぐ起つんだな」
さすがの晃一も苦笑になるが、中途半端のまま止めていたモノを扱き出した為、先端からツーと透明な雫が落ちる。
扱く度にクチャクチャと音を立てると気持良さそうに声を上げながらも照れて笑っている。
晃一の仕草や表情の一つ一つが俺の理性を簡単に奪い、たまらずに晃一のシャツのボタンを外し、中に着ているTシャツをめくった。
カメラに写りこまないように気を付けながら割れた腹筋から指をすべらせ乳首を刺激する。
「……んっ……」
身体が熱を帯びてきて、声を漏らし始めた晃一に、限界が近い事を感じた俺は、自分の手を使って晃一のモノを扱き上げる。
「もうイクっ……」
服に自分が出すものがかからないように、先端を押さえる手を「隠さないで」とどける。
「っ……あっヤバイっ……マジでっ……」

「っん……ぁぁー……」
懸命に我慢していたが、目を瞑って口を開けると身体を硬く震わせて飛び散らせた。
出た後も扱き続けると、そのまま声を上げて身体をくねらせていた。
「おっ……くすぐったい……ひゃっ……」
最後まで絞りだすと、一息ついた晃一が、自分の出したものがベッタリと全身を汚している事に気付いた。
「ごめん、かかっちゃったよ」と言いながら、俺の貸した洋服や顔についた精液を慌てて拭った。

タバコを吸いながら余韻に浸る晃一の服を脱がせ、ビデオカメラを持ったままシャワーへ連れて行くと「まだ撮るのかよっ?」と少しばかり呆れていたが、「ここが大事なシーンなんだからっ!」と勢いで押し切る。
ボディーソープを身体中に塗りたくり、手で泡立てさせると滑らかな肌がいやらしく照明に反射していく。
「んー、いいねぇ」
「お前はエロビデオのエロ監督かっ! 」
何だかんだ言ってはいるが、晃一も徐々に悪乗りしているようだ。
身体を洗う手つきが妙にいやらしい。
ビデオを固定して自由になった俺の手で、泡にまみれた晃一のモノを刺激してやると、ビクっと腰を引いて逃げる。
「ひゃっ……くすぐってぇー」
逃げる晃一を捕まえて、しっかり手で捕まえたモノを泡で滑らせる。
「おっ、おいっ……止めろってっ……」
出したばかりで、刺激に敏感になっている先端が少し膨らむと、裏筋から袋へ手を這わせて、後ろに辿り着いた。
「ちょっ、ちょっと……昭仁くーんっ!! 」
後ろを指で開こうとすると、晃一に頭を叩かれたが、負けずに指を奥へと侵入させていく。
「いってぇな、ちゃんとキレイにしなきゃダメだろ」
「くぅっ……」
歯を食いしばって耐える晃一の太腿が僅かに震えている。
充分に中をほぐした後、勢い良く湯を吹き出すシャワーのヘッドを外して熱くなった後ろにあてる。
「やっ……いいって……それは自分でやるから……ぁっ……ばかっ……」
晃一の中は熱い湯で満たされていくと、溢さない様に身を震わせながら必死に耐えていたが、限界が近づいて声を上げた。
「ぁっ…ぁっ……もうダメ……」
シャワーを外すと、腰を押さえつけた俺の手を凄い力で振りほどき、晃一は風呂場に備え付けられたトイレに座ろうとするが、その一歩手前で立ち止まってしまう。
「ぁっ……ヤバイ……見るなっ……」
寸前の所で間に合わずに、晃一はその場で中に溜め込んだ湯を吐き出してしまった。
「……あー……」
泣いているような掠れ声を上げて俺を見上げた晃一の情けない顔が、なんとも可愛いやら可笑しいやらで、たまらずに震えた唇にキスをした。

「見るなって言っただろっ! ……今の絶対消せよっ」
普段は飄々としているように見える晃一のこんな姿は滅多に拝めない。
俺は「はいはい」と適当な返事で頷いて、汚れてしまった晃一の身体と風呂場をシャワーで洗い流していたが、今のシーンは絶対消さない事を心に誓っていた……。


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