引越し 2005.01.08 |
「俺だけの部屋だーっ!」 荷物が積み上げられた部屋の中で俺は力強く叫んだ。 仕送りの少ない貧乏学生にとって一人暮らしのアパートは例え小さな部屋であろうと立派な城だ。 大学に入って二年間コツコツとバイトで貯めた金で、やっと自分だけの部屋を手に入れる事が出来た喜びを噛み締めていた。 今までいた寮はタダ同然だったけど、相部屋だから何かと不自由も多い。 特に盛りのついた年頃の俺にとって自慰行為すら満足に出来ない環境は地獄ともいえる状況だ。 引越しは全て手作業だったから随分と時間がかかった。 先週から荷物を少しづつ新居に運び、やっと終わったと思ったらもう夜中になっていた。 疲れてはいたが、この一週間溜め込んだ欲望がドアを叩くようにズボンの前を膨らませている。 ローションとティッシュを荷物から探し出し、いよいよという所でチャイムが鳴った。 「おう正樹、引越し祝い持って来たぞ。」 予期せぬ邪魔者に不機嫌を露わにしてドアを開けると同級生の直人が大きな荷物を抱えて入り込んで来る。 「何だよ、もう夜中だぞ。」 「ああ、終電無いし泊めてくれ。」 「はあ?無理。」 「まあ、そう言うなよいい物持ってきてやったから。」 どこまで邪魔するんだと追い返そうとするが、直人の持ってきたダンボールの中に入っている大量のエロビデオを見て俺は何とか機嫌を直した。 知り合った頃は身長こそ高いが眼鏡をかけた優しい顔立ちから真面目な奴だと思っていた。 しかし中身は年頃の男らしく俺と同じでスケベな奴だ。 だからこそ早くから打ち解ける事も出来て、他の奴には言えない妄想をこっそり語り合ったりもしていた。 そう言えばローションを使ってやると気持良い事を教えてくれたのもコイツだった。 直人は少し酔っているようで、一杯お茶を飲むと風呂に入ると勝手に準備を始めた。 何で主人の俺より先に使うのかと少しムカついたが、コイツが風呂に入っている間に先程中断された行為を済ませてしまおうと浴室に向う直人を見送った。 風呂場からお湯が流れる音が聞こえると、直人から貰ったビデオをセットしてこの日の為に用意していたローションを取り出して既にガチガチに硬くなった下半身を剥き出しにした。 ヌルヌルと滑る冷たい感触に身をよじりながらも、先端を包みながら扱いてみる。 「ひゃっ・・・。」 経験した事のない刺激に声が漏れる。 くすぐったいような気持良いような不思議な感覚。 自分で触っているのに足がガクガク震えて上手く力が入らない。 なるべく敏感な部分に触れないように目の前のエロビデオに集中しながら刺激を加えていく。 直人が風呂から出るまでに終わらなければと思うと妙な興奮があった。 「ああ・・・。」 画面の中では男優が激しく腰を動かし恍惚の表情を浮かべている。 男優の腰の動きに合わせて手を動かし、頭の中で自分と男優を同化させた。 「おい正樹。」 戸惑いがちな直人の声で急に現実に引き戻されて血の気が引いた。 振り向くと泡まみれの身体で腰にタオルを巻いただけの格好の直人が立っている。 「なっ、何で・・・・?」 「シャワーの温度どうやって調節していいか解らなくて・・・。」 心の中で「それは反則だろう」と呟くが、この状況に対処出来ずポカンと口を開けたまま呆然と直人を見上げる。 静まり返った部屋の中にビデオから女の喘ぎ声だけが小さく響いていた。 「正樹すげぇ硬くなってんじゃん。」 パニックになっている俺とは正反対に冷静な笑みを浮かべた直人が慌てて隠してもはみ出したモノを凝視しながら近付く。 恥かしさのあまり反応出来ずにいると、直人は痛いくらいに硬くなった俺のモノを軽く握って上下に手を動かした。 「ぁっ・・・。」 俺は小さな悲鳴を上げて身体をくねらせると、もう一方の直人の手が俺を逃がさないように腰を抑えつけた。 自分の手とは違って予想も出来ないタイミングで締め付けられ、自分でする時は避けていた敏感な先端のくびれを刺激される度にビクリと身体が震えてビデオから流れるAV女優に負けないくらい切ない声を出してしまう。 直人の悪戯に驚きつつも、経験した事の無い快楽に抵抗すら出来ずに俺は直人の指に身を任せた。 気が付くとあれ程見たかったエロビデオより直人の裸に興奮していた。 普段は眼鏡をかけているから貧弱そうなイメージがあったが、筋肉が程よくついた意外と逞しい身体に釘付になってしまった。 ちょっと見ただけでも俺より大きいであろうモノは硬くなって腰に貼りついたタオルを持ち上げている。 「んっ・・ぁぁっ・・・直人・・・もう勘弁してくれ・・・。」 気持が良過ぎて頭が変になりそうで、身体の反応とは裏腹の言葉で直人の暴走を止めるように頼んでみるが、うるさいと言わんばかりに開いたまま唇に舌をぶち込んで塞がれた。 直人の舌が俺の口の中で暴れている。 考えてみればこれが初めてのキスだったのにムードも何も無い。 先端をくすぐる刺激にも少し馴れてきたのに、直人の指先は遊ぶように肌を滑り俺の敏感な部分を探しあてていく。 唇を離れた舌が首筋を通って胸に辿りつくと吸いつきながら歯を立てる。 「んんっ直人・・・もう止めろ・・・ぅぅっ出そう・・・ぁっ・・・ぁぁぁっ・・・。」 直人は俺の声など聞こえないかのようにビクビクと痙攣し始めたモノを握った手の動きを加速させる。 堪らずに叫んで身体を震わせると溜め込んでいたものが噴き出した。 「気持良かったか?」 「すげぇ・・・。」 呆然としたまま恍惚の表情を浮かべるだけの俺に直人はもう一度唇を重ねる。 「もっとキモチイイ事も出来るんだぜ。」 いつの間にかタオルが剥がれ落ち、露わになった直人の中心は驚く程に反り返っている。 それを見てゴクリと喉を鳴らした俺に気付いた直人の指がまだ硬さを失っていないモノから滑り後ろの入口を塞いだ。 「試してみるか?」 俺の出した白濁した液体で汚れた顔が柔らかい笑顔に変わると、放心状態の俺はただ頷く事しか出来なかった。 Top Index Next === サイト移転の記念に引越しをテーマに短編を書いてみました。 現在はアダルト可能な有料サーバーなのでエロ全開で頑張ります。 直人の最後のセリフはその意気込みを表してみました。 |