彼の太陽 1
2004.09.28
=first time=(2/2)

「高瀬さん・・・。」
先程までの痴態に戸惑いつつも抱きしめられながら感じる佐野の温もりが心地良かった。
唇が重なりゆっくりと深く舌が絡み、時折漏れる熱い吐息が高瀬の頭を痺れさせていた。
優しく肌の上を滑る手が後ろの扉を開いていく。

いつのまに用意したのか、たっぷりとローションを染み込ませた指で高瀬の後ろをくすぐった。
「これは特別製だから、初めてでもそんなに苦しくないです。」
指が奥へと進入し、これまで刺激された事の無い性感帯を弾く。
「くっ・・・。」
高瀬は顔を歪ませ堪えるが、奥の疼きはこれまでに経験のした事のないくらいに高まる。
「はっ・・・あぁっ・・・んっ」

「高瀬さん・・・いいかな。」
”いいかなと言われても・・・”
駄目と言った所で佐野は止められないだろう、ボクサーパンツの前は破れそうなくらいに張り、その先端が濡れていた。
ボクサーパンツを脱ぎ捨てると想像した以上に逞しいモノが上を向き、獲物を狙う雄のような眼で高瀬を見据える。

「力抜いて下さい。」
佐野のモノが入り口をこじ開けると激しい痛みが頭の先まで走る。

「あぁっ・・・いってっ・・・・。」

ゆっくりと奥まで侵入し、佐野のモノを全て飲みこむ頃には気を失いそうになっていた。

もう佐野は言葉を発しなかった。
ただ高瀬の中を味わうように腰を動かし時折高ぶる快感に声を漏らした。
言い様の無い痛みに高瀬は女のように声を上げ涙を流す。
もう限界かと高瀬が気を失いそうになった瞬間、痛みとは別のものが高瀬の奥で疼いた。

「んっ・・・やっ・・・あっ熱いっ・・・」

その僅かな感覚に頼りに痛みに耐えた。
高瀬の奥の疼きを掻き出すように佐野の動きが徐々に速くなっていく頃には羞恥心や痛みや奥に芽生えた僅かな快感で高瀬は訳の解らず、叫びにも近い声で喘いでいた。
激しく高瀬を突いていた佐野が微かに声を漏らし身を震わせ動きが止まる。
佐野が息を上げ顔を歪める。その表情を捉え、瞬間何かが高瀬を貫いていた。

佐野が後始末を終え、腕の自由を奪っていたネクタイを外した後も高瀬は身動きが取れずにいた。
「高瀬さん・・・。」
今にも泣き出しそうな顔で佐野がじっと見つめてくる。
「すいませんでした・・・・。」
高瀬が言葉をかけようとすると、遮るように佐野がもう一度「すいません」と謝った。
仕方が無いと解っていながらも、高瀬が発するであろう拒絶や侮蔑の言葉を佐野は恐れ、早口でまくし立てた。
「軽蔑されても仕方無いですっ。でも今夜だけでいいです、お願いです、今夜だけ一緒に居て下さいっ。」
高瀬は佐野が涙が出そうになるのを歯を食いしばって堪えているようにも見えた。

「帰りたくても足腰が立たねーよ。」
佐野を受け入れた訳では無い、動けないのも事実だ、自分でも何を言っているのか解らなかったが怯えている佐野にこれ以上の言葉が見つからなかった。

「寝るぞ。」

その晩、佐野に抱かれながら高瀬は久しぶりに深い眠りについた。


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