彼の太陽 1
2004.09.28
=first time=(1/2)

そんなに飲んではいないはずだったが目の前がグラグラと廻っている。
仕事帰りに後輩の佐野に誘われて飲みに行ったはいいが、俺も年かなと高瀬は一人笑った。
「28歳か・・・。」
そんなに変わらないはずなのに21歳の佐野がやけに眩しく見える。
コイツはパッと見ると今時の若者らしく、スラックスを腰で履き、女にモテそうな整った顔立ちから、チャラチャラした奴だと思っていたが、仕事はきっちりとこなしているようだった。
仕事での会話はあるが、こうして飲みに行ってじっくり話をすると、中々しっかりしていて話題も豊富だった。
分らないものだと思い、良い意味で期待を裏切られた高瀬はとても気分が良かった。

「高瀬さん、大丈夫っすか?」

終電も無くなり酔っ払って帰れなくなった高瀬を佐野はホテルまで担いでくれた。
足取りもおぼつかない高瀬をベットに放り出すと自分も泊まるつもりなのか、服を脱ぎTシャツとボクサーパンツだけの姿で水を飲んでいる。
「ああ、高瀬さんそのまま寝ちゃ駄目ですよ。」
「あー・・・。」
「しょうがないなー。ネクタイ外しますよ。」
まったくと言いながらも佐野は手際良く高瀬のネクタイを外しワイシャツを脱がせていった。
「やっぱり良い体してますね、ボート部でしたっけ?」
「うーん・・・。」
身体が熱い。情けないが全く力が入らず、されるがままの状態で返事の代わりに唸るだけだった。
「ズボン脱がしますよ、皺になるから。」
カチャカチャとベルトを外し、佐野がスラックスを一気に引き下すと弾みでトランクスまで一緒に脱げてしまった。
胸の手前までめくれたTシャツ、足首まで下されたスラックスとパンツ。
いくら男同士でもこんな格好は見られたく無かった。
「あっ、すいません・・・。」
言葉では謝っているが、佐野は露わになった高瀬の下半身をじっと見つめている。
思わぬ間抜けな格好に高瀬も身体を捻って起き上がろうとするが、佐野に軽く肩を押され再びベットに倒れこんだ。
「お、おいっ!」
「高瀬さん、イイ身体の割に、ココはかわいいですね。」
と佐野は微笑む。確かに高瀬は下半身には自身が無いが、大学時代、合宿で友人に見られからかわれたりもしたので慣れている。
しかしこの年になって6コも年下の奴に言われるとさすがにプライドは傷つく、早いとこパンツを履きたいが手で隠すのが精一杯だった。
「隠しちゃ駄目ですよ」
佐野が片手で股間を隠している高瀬の手をどけると顔をその部分に近づけまじまじと高瀬のモノを観察した。
「皮、剥いていいっすか?」
「いいわけないだろっ」
高瀬の言葉を無視して佐野は高瀬のモノを弄りだす。恥かしくて涙が出そうになる。
佐野にいいように弄ばれ、その指使いにズンと下半身に血液が集まっていくのを感じた。
ヤバイ。
必死に目を瞑り堪えていたが、指の動きに加え、覚えのある這うような感触、佐野の舌が絡むように高瀬の中心を舐め上げ、抵抗空しく高瀬のモノは完全に起立してしまった。
「おい、何やってんだよっ」
佐野の頭を両手で押さえ必死に放そうとするが、全く力が入らない。
「高瀬さん、大人しくして下さいよ、気持ちよくしてあげるから。」
「しなくていいってっ!やめろよっ!!」
力は無いがバタバタと暴れる高瀬が鬱陶しかったのか、佐野は先程外したネクタイで高瀬の手首を縛り上げると両手で太腿をがっしり掴み開いた。
股間だけでなく、後ろも丸見えとなった状態に高瀬は叫び声を上げるが佐野は構わず高瀬を咥える。
「許してくれ・・・。」
「なんで、なんでこんな事っ・・・俺が何したんだよっ!」
羞恥心と屈辱で高瀬が声を上げ泣き出すと佐野が優しく高瀬の唇を塞いでいく。
「高瀬さん、俺、高瀬さんの事ずっと好きでした。こんなマネして嫌われるのは分ります、けど高瀬さんが可愛いから・・・。スイマセン。俺我慢できません。」
真剣に見つめる佐野の目に吸い寄せられるように頭がぼうっとする。
"何で・・・?・・・俺が好き?"
俺はどちらかと言うと男顔だし身体も筋肉質だ。自分の事ながら可愛いとは思えない。
何でだよ。コイツくらい男らしく整った顔なら女だろうが男だろうが選び放題だろうに。”
優しいキスが徐々に激しくなっていき、首筋、胸、太腿、そして後ろにある扉、全身を這う舌に反応し、次第に高瀬も声を上げてよがり始めた。
「高瀬さん・・・。」
再び佐野が高瀬の中心を咥え込むとその下にある扉を指で開け始めた。
「あぁっ・・・さ、佐野、お願いだ、やっやめ・・・」
高瀬はもう、気持ちがいいのか苦痛なのか解らなくなっていた。
ただ激しく吸い上げる佐野の唇と今まで感じた事の無い指のの動きに反応して声を上げて身をよじらせるだけだ。
「はっ、あぁ、佐野、さのぉっ・・・・。」
佐野の唇と舌で全てを吸い尽くすかのように絡み付き、高瀬は徐々に上りつめていくのを感じた。
出そうになるのを必死に堪えながらも、イヤイヤと首を振り高瀬は限界が来ている事を知らせる。
「高瀬さん、もう、イっていいから。」
このままでは佐野の口に出してしまう、早く離してくれと腰をくねり抵抗するが、佐野唇は一気に高瀬を攻めたてた。
「ダメっ、離せ、あっ、あぁっ。」
たまらずに果ててしまった高瀬が放ったモノで口がいっぱいになり佐野はそれを飲み込んだ。
高瀬は口を開け、乱れた呼吸のまま喘いでいる。

数秒の静寂の後、佐野は泣きながら震えている高瀬の身体をそっと抱きしめた。


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