彼の太陽 3
2004.12.08
=告白=

「・・・友紀、なぁ、聞いてる?」
夕食後、哲也はソファに寝転がって本を読んでいる友紀にしきりに話かけるが、すっかり活字に集中している友紀の反応はいまいち薄い。
気を引こうと友紀の足の裏をマッサージしながら話しを続ける。
「だからさ・・・。」

「ん・・・あぁ・・・。」
気の無い返事を一つ返すとそのまま友紀の耳から哲也の声が通り過ぎていく。
こうして哲也と過ごす夜が何よりも安らぐようになったのは、やはり愛されている充実感だろう。
少し前までは男同士で結ばれる事なんて考えもしなかった。
それが今では哲也が残業で少しでも遅くなると何となく落ちつか無くなるくらい哲也にハマってしまっている。
足の裏を揉む哲也の指が心地良く眠気を誘い、身体の力がふっと抜けていくと本の文字がぼやけて見えた。


「やっぱり聞いてない・・・。」
目を見て出来る話でも無かったからずっと伏せていた顔を上げると、当の友紀は半分目を閉じて今にも眠ってしまいそうな顔をして、吸いかけの煙草が指から落ちそうになっている。
気が付いて足を揉む指に力を入ると友紀がピクリと反応して返事を返す。
「ん?聞いてるよ・・・。」
哲也は少しむくれながら友紀をじっと見つめる。
「友紀、俺の事好き?」
「んー。」
「タバコ辞める?」
「ん。」
「車買って。」
「ん・・・。」
「たまには俺の舐めて・・・なんちゃって、ははっ。」
「うん・・・。」

「やっぱ聞いて無いじゃんっ。」
思いきった告白だったのに、友紀との温度差に恥かしさと怒りが込み上げて、思いっきりクッションを投げつける。
いきなりの衝撃に驚いた友紀は火が点いたままの煙草を落としそうになり慌てて飛び起きる。
「えっ?あぁ、ごめん・・・何?」

「もーいいよっ!」
「何だよ怒んなよ。」
ふくれて横を向いた哲也は友紀の伸ばした手を振り払って下を向く。
友紀の態度から自分を受け入れてくれている事は感じて入たが、始めは無理矢理に結んだ関係だったから、こうして一緒に過ごしていても、つい不安になってしまう。
まだ若い哲也は真っ直ぐな愛情表現しか知らない。
相手の気持が自分に100%向いていないと思うだけで涙が滲んでくる。
「馬鹿みてぇ・・・恋人だと思ってたのに俺ばっか好きなんだな。」

「おい、拗ねんなよ。」
「知らねぇよっ。」
哲也の愛情に甘え過ぎていた事を反省しながら、後ろを向いて涙を流す哲也を背中から抱き締める。
「ごめん・・・。」
初めて友紀の方から唇を重ねる。
「んんっ・・・友紀・・。」
「なっ、怒んなよ・・・。」
舌先で唇をなぞり、胸の先端に指を忍ばせて軽くつねると哲也は抵抗もせずにピクリと身体を反応させる。
「誤魔化したって・・ぁっ・・・。」
首筋から徐々に舌を這わせながら、哲也のベルトをカチャカチャと外し、硬くなり始めたモノに指を滑らせた。
「俺だっていつもヤラれてばっかじゃな・・・。」
いつも哲也にいいように弄ばれているから忘れていたが、友紀の方が6つも年上だ。
男との経験は哲也が初めてだったが、粗末ながらもそれなりに数はこなしている。
女を抱く時のように熱く火照った肌に痕をつけながら、普段はあまり見せる事の無い哲也の敏感な反応を楽しんだ。

「何だよ友紀っ・・・。」
「怒ってたんじゃないのか?ここ、濡れてるぞ・・・。」
自分に付いているモノとは種類が違う生き物のように見えるそれをぐっと掴んで唇を近づける。
改めて間近で見る哲也の張り詰めたモノは雄の臭いが漂いその迫力に息を呑んだ。
心臓の高鳴りを抑えながらそっと舌の先で濡れた先端を拭い、裏筋から丁寧に舐め上げていく。

「んっ・・・はぁっ・・・友紀・・・。」
いつも哲也にされているように・・・いや、哲也にされているより激しく唇と舌を使って声を上げてよがる哲也を攻めたてると、捕まえた太腿は熱を帯びて、早くも汗が吹き出していた。
夢中になってしゃぶりつくが、自分がされている時にはとっくに果ててしまっている頃なのに未だ終わりそうに無い哲也に不安になる。
「俺、下手?」
「ぁっ・・・良過ぎて・・・ぅぁっ困る・・・。」
見上げた哲也が歯を食いしばって耐える姿が愛とおしい。

「なあ、さっきの話しって何だ?」
「んっ・・・一緒に暮らそうって・・・ぅっ・・・。」
先端に舌を入れてくすぐりながら訊ねると哲也はあっさりと心に溜めて入た事を白状した。
今だって一緒に暮らしているような状態なのに、それをあれ程思い詰めて怒っていたのかと思うとふっと顔が緩んでしまう。
こうして伝わってくる愛されているという充実感を改めて噛み締めながら優しく唇を重ねる。
「いいね、一緒に暮らそう。」
今すぐに大好きだと叫びたいような昂揚感に酔わされていると、急に友紀の視界が反転する。
驚く間も無く、抑えきれない様子の哲也が上になって、友紀の敏感な部分を愛撫し始めた。
「やっ・・・ここでかよ?」
「俺・・・もう止まれない・・・。」
哲也の荒い息遣いに刺激されて、唇でくすぐられるだけでも溢れ出すような快感が込み上げてくる。
「おいっ、電気くらい消せって。」
震える身体で抵抗するが、こうなった哲也を止められる訳も無く、あっさりと裸にされてしまう。
幾分馴れたからと言っても、いつもは薄暗い部屋での行為だったから耐える事も出来たが、蛍光灯の白い光に晒されたまま抱かれるのには抵抗がある。
今までの恋人にすら見せた事の無い部分を見られながらの愛撫は友紀に別の扉を開かせた。
「駄目っ・・哲也ぁ・・・見るなよっ・・・。」

最大限に硬くなってもまだ半分以上皮の被ったままの先端から溢れ出した液体が、上から照らす蛍光灯に反射していやらしく光っている。
哲也は舌先で丁寧に皮を剥いて唇で包み込むと、溢れた液体をわざと音をたてて吸い上げた。
「友紀・・・すげぇな・・・もっと見せてよ。」
ピクピクと反応する友紀の後ろを舌でほぐしながら、視線は哲也の愛撫に共鳴するように痙攣しているモノを捉えている。
「ぅぁぁんっ・・・だめっ・・・でるっ・・・。」
指で少し扱いただけで、身体をくねらせると数秒もせずに友紀はあっさりと果ててしまった。

「駄目だろ、もっと我慢しなくちゃ。」
「ごめっ・・・ぁっ・・・。」
吐き出した液体を潤滑油にして先端を刺激すると、大きく身体を仰け反らせて震える。
最後まで搾り取るように扱いてから、泣いているような声を上げる友紀を後ろから抱くと唾液と精液で濡れた指で友紀の中を広げていく。
「見られて興奮しちゃった?」
「ちがっ・・・やめろっ・・・こんな・・・ぅぅぁっ・・・。」
「いやらしい格好だね・・・こんな風にされて感じるなんて、友紀はMかな。」

「哲也っ・・・はっ・・・ぁぁっ・・・お願いっ・・・カーテン・・・外から見えちゃう・・・・。」
カーテンを開けたままの窓には自分の恥かしい格好がぼんやりと写し出されている。
友紀の声を無視しながら哲也が中に入り込んで溜息をついて中を掻き回す。
深く入りこんだモノで充分に満たされると、いつもより激しく突き上げて窓に写った友紀の表情を哲也が嬉しそうに楽しんでいる。
「ホラ、友紀見てみろよ・・・んんっ・・・こんな顔されたら、俺たまんねぇよ・・・。」


「お願いっ・・・もっ・・・許してっ・・・。」
羞恥心と快感が入り混じり、友紀の瞳から涙が零れる。
激しく突き上げる愛情が徐々に鼓動を早くさせ、小刻みに痺れる快感の波で頭の中が真っ白になっていく。
「ぁぁ・・・友紀・・可愛い・・・大好きだよっ・・・。」
「あんっ・・・も・・・きっ・・・。」
「俺もっ・・・すきぃっ・・・哲也ぁ・・んっ大好きっ・・・ぁぁっ・・・はっ・・・ぁぁぁっ・・・。」


二人同時に果てた後も、汗まみれの身体のままで抱き合いながら、何度も何度もキスをした。
「友紀・・・俺、すげぇ幸せ・・・一緒に暮らしたら毎日しようね。」
「今だって毎日一緒にいるだろっ!それに毎日こんな事してたら俺が壊れちゃうよっ!!」
甘えた声で抗議をしながら哲也の胸に顔を埋めて友紀も幸せを分かち合う。
心も身体も溶けそうな気持に浸っていると哲也の指が再び友紀の中を広げ始める。
「壊れた友紀も可愛いかもな。」
「おいっ・・・んっ・・ちょっと・・・・ぁぁっ・・・ばかっ・・・ぁぁんっ・・・・。」
これ以上されたら哲也に溺れたまま抜け出せなくなる事を予感しながらも、友紀は込み上げてくる快感に逆らえずに2度目の情熱を受け入れた。


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気がつくと丁度一ヶ月くらい経っている本作品ですが、甘いSMみたいな方向を目指していこうかと思ってます。
通勤途中や職場にいる男前の仕事が出来そうな男性が、年下の恋人にいじめられて可愛い声を上げてよがる姿を想像しながら楽しんで頂けたら幸いです。