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魔女と騎士

ネタバレを禁止する(テスト版)
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 魔女の正体

我々の世界の魔女とFF8の世界の魔女では格が違う。
※引用
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FF8の魔女は悪魔の手先ではなく、創造主を受け継いだ人間だと伝えられている。ただ、FF8の世界では人類と創造主の仲が険悪なので、その後継者と目される女性も“魔女”と呼ばれて怖れられているわけだ。

 魔女のできること

創造主、すなわち神さまのを受け継いでいるだけに、魔女のは圧倒的だ。
  •  壁をすり抜ける
  •  相手の心を読む
  •  石像に命を与える
  •  民衆を洗脳する
  •  時間を圧縮する
  •  …etc
FF8の世界では物理法則よりも魔女の(=創造主)のほうが偉い。時間圧縮は人間が一時的にせよ神のを手に入れたことで可能になった特例中の特例だったりする。

 魔女のと引き換えに失うもの

一見“なんでもあり”に見える魔法。しかし、それが逆に魔女の弱点にもなっている。
人々は魔女を恐れている。嫌っている。
リノア「怖れられる前に、嫌われる前にいなくなりたい…」
魔女は強大な魔女のと引き換えに、平穏な日常や親しい人全てを失うリスクを背負う羽目になる。

 魔女のの限界

強大なを持つ魔女にとって最大の敵は“孤独”。こればかりは魔女のでは解決できない。
魔女は洗脳能を持つという。だから手駒の確保には困らない。しかし洗脳した人間を幾ら集めても孤独は癒せない。それどころか、かえって虚しくなるばかりだ。魔女のは一見すると“なんでもあり”に見えるけど、
こういったものは魔女のでは手に入れることはできない。

 魔女の騎士

イデアは言う。
イデア「騎士がいない魔女は多くの場合、を悪しき道のために使ってしまうのです」
これは一体どういうことだろう?
イデア「あのね、リノア。魔女でいることの不安を取り除いてくれる方法を教えましょう。それは…魔女の騎士を見つけることです。いつでも貴方のそばにいて、あなたを守ってくれる騎士」
イデア「騎士はあなたに安らぎを与えます。あなたの心を守ります。だからリノア。あなたの心の騎士を見つけなさい」
魔女は強大な魔法を持っている。自分の身を守るだけならば他人のを借りる必要はない。だが、魔女の精神的な強さは普通の人間と変わらない。
  •  親しい人が魔女のを怖れて離れていってしまうのではないかという不安
  •  その不安を誰にも相談できない孤独
  •  不安と孤独からくる強いストレス
こういった気持ちが魔女の心を蝕んでいく。そんなとき、魔女になってしまった女性の傍に寄り添い、荒みがちな心を支えてやるのが魔女の騎士(=心の騎士)なのだという。

となると、サイファーがやっていたことは……。悲しすぎる。

 シドの正体

一見すると普通のおじさんにしか見えないFF8シド。でも実は、
リノアイデアの騎士は…?」
イデア「もちろん、いますよ。今も一緒にいてくれて私を守ろうとしてくれています」
そう。シドの正体は魔女イデアの騎士。魔女になったイデアを孤独から守ってくれる心の騎士。

シドは戦士としては役に立たないし、商売の才能もない。そのうえ優柔不断。優しさ以外に何の取り得もない人物なのだけど、その優しさこそイデアにとっては掛け替えのないものだったわけだ。

 アルティミシアの目的

アルティミシアはどうして時間圧縮なんて暴挙を行おうと思ったのだろう? その理由、実はゲーム序盤、Disc1イデアの口を通して語られている。
「…薄汚れた愚か者ども。古来より我々魔女は、幻想の中に生きてきた。愚かな幻想だ。恐ろしげな衣装を身にまとい、残酷な儀式で善良な人間を呪い殺す魔女、無慈悲な魔法で緑の野を焼き払い、暖かい故郷を凍てつかせる恐ろしい魔女。…くだらない」
「ならば、愚かな者、おまえたち! こうするしかない。みずからの幻想に逃げ込め! 私はその幻想の世界で、お前たちのために舞い続けよう! 私は恐怖をもたらす魔女として、未来永劫舞い続けよう!」
抽象的な発言なんで分かりにくいと思うけど、要するに、
  1.  自分は邪悪な魔女じゃなかった
  2.  にも関わらず人々は自分に偏見を抱き迫害を止めなかった
  3.  そこまで偏見を抱くならもういい…お前らのお望みどおり邪悪な魔女になってやる、とぶち切れた
どうしてアルティミシアはこんな極端な考えを抱いてしまったのだろう? その理由はイデアが示唆している。
イデアアルティミシアは恐ろしい魔女です。心は怒りに満ちあふれています」
イデア「騎士がいない魔女は多くの場合、を悪しき道のために使ってしまうのです。アデルには騎士はいなかったと聞いています。おそらく、未来の魔女アルティミシアにも騎士はいないのでしょう」
アルティミシアには自分の不満や苛立ちを相談できる相手(=騎士)がいなかったらしい。人々が魔女に抱く偏見。その偏見に対する不安、不満、怒り、苛立ち、その他もろもろの負の感情が発散されることなく積もりに積もって、ついに爆発してしまったということか。

 時間圧縮の目的は?

なぜアルティミシア時間圧縮なんて行おうとしたのか。その理由、本人は答えないけどライブラで見抜ける
ライブラ文章
アルティミシアの目的は世界の再創造。先ほど引用した文章を再び引用するけど、
アルティミシア「みずからの幻想に逃げ込め! 私はその幻想の世界で、お前たちのために舞い続けよう!」
アルティミシア「恐怖をもたらす魔女として、未来永劫舞い続けよう!」
アルティミシアは、人間が魔女を虐げる世界をリセットして、魔女が人間を虐げる世界を作りたかったらしい。

 アルティミシアとサイファー

ゲーム序盤でサイファーは言う。
サイファー「オレは戦闘が大好きだ。怖いことなんて何もない。戦闘が終わっても生きてるってことは、確実にの実現が近づいているってことだ」
サイファー「いつか聞かせてやるさ! オレのロ〜〜〜マンティックなをな!」
サイファーは将来への憧れや目標という意味で『夢』という言葉を使った。

それに対して、
イデアの中のアルティミシア「幻想の中の恐ろしい魔女がガルバディアの味方になると知り、お前たちは安堵の吐息か? 幻想に幻想を重ねてを見ているのは誰だ?」
イデアの中のアルティミシア「自らの幻想に逃げ込め! 私はその幻想の世界で、お前たちのために舞い続けよう! お前たちと私。ともに創り出す究極のファンタジー。その中では生も死も甘美な
アルティミシアは現実逃避の幻想や妄想という意味で『夢』という言葉を使う。

2人の言う『夢』という言葉に大きな隔たりがあることを踏まえたうえで、2人のやりとりを見るとなんとも言えない気分になる。
アルティミシア「忠実なる魔女の騎士サイファーよ。魔女は生きている…魔女は希望する。海底に眠ると伝えられし、ルナティック・パンドラを探し出せ。さすれば魔女は再びお前にを見せるだろう」
サイファー「おおせの通りに。アルティミシア様」
アルティミシアはどういうつもりでサイファーに『夢を見せる』と言ったのか。サイファーアルティミシアのその言葉をどういう意味に受け取ったのか。
  •  最後まで魔女の信頼を得ることができなかった騎士
  •  最後まで騎士を信頼しようとしなかった魔女
どちらも悲しいね。

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