15歳で
SeeD就任、17歳で教員免許取得…とエリートコースを歩んできた
キスティス。そんな
キスティスがはじめて味わった挫折が教員免許の剥奪だった。
傷心の
キスティスは、密かに好意を寄せていた
スコールを秘密の場所に呼び出す。ところが、そんな
キスティスに対して
スコールは、
スコール「壁にでも話してろよ」
傷口に塩を塗りこめるような仕打ちを施す。
たった1日で、
- 教員免許の剥奪
- 密かに好意を抱いていた元教え子に罵倒される
|
散々な目にあってしまった
キスティス。挫折経験のない彼女にはさぞつらいだろう……と思いきや、まるで昨日の秘密の場所でのやりとりがなかったかのように、普段どおりの態度で合流した
スコールや
仲間たちに接してくれる。
もう気持ちの整理はついたのだろうか? …いやいや、そんなことはない。彼女は口にしないけど、胸の中では大きな
混乱が続いている。必死で平静な態度を演じようとしているが、
リノアの行き当たりばったりな態度を見て、ついに感情が爆発してしまう。
文字では表現できないけど、このときのメッセージウィンドウの表示のしかたは物凄い。畳み掛けるように
リノアを問い詰める。お喋りな
リノアが項垂れて
沈黙してしまうぐらいトゲのある喋りかただった。
もしも
キスティスが、
リノアのためを思ってわざときつい口調で叱咤したのであれば、何も気を揉む必要は無かっただろう。だが実際は、
× | リノアのためを思ってわざときつい口調で彼女にお灸を据えた |
○ | イライラしてたので思わずリノアにぶつけてしまった八つ当たり |
そのため
キスティスは、
ゼル「どうしたんだよう、先生?」
キスティス「やっぱり言い過ぎたかな…」
リノアに申し訳ないことをしたと後悔してしまう。
そして、
キスティスは大きな判断ミスを犯す。
キスティス「やっぱり言い過ぎたかな…」
ゼル「言い過ぎたって?」
キスティス「私、謝ってくる。リノアに…」
世界の命
運を賭けた○○○○○○まで残り僅か。
リノアに謝るのは作戦が終わってからにするべきだ。しかしこのときの
キスティスはそういう冷静な判断が出来ず持ち場を離れてしまう。プロ傭兵としては絶対にやってはいけない恥ずべき行為だった。
普段の
キスティスだったらこんな初歩的なミスはしないだろう。何を優先し、何を後に回すかの冷静な判断が出来ないぐらい、このときの
キスティスは
混乱していた。今まで挫折を知らなかったからこそ、
キスティスにとって、教員免許剥奪から始まった一連の出来事は、それほど大きなダメージを心に与えていたわけだ。
慣れない挫折体験によって生じた
混乱は時間の経過とともに少しずつ沈静化していく。そして彼女は自分の為すべきことを見つけた。それは
スコールの性格的な欠点を改めさせることだ。
キスティス「ねえ、覚えてる? あなたがSeeDになった夜に2人で『秘密の場所』行ったこと。あのとき、あなた冷たかった。でも、今なら分かるんじゃない? 誰かに話したい。話を聞いてほしいって気持ち」
スコール(…分かるような気がする。でも…)
キスティス「私に話してみない? 少しは楽になるかもよ? それとも、壁に話す? どうする?」
選択肢→話したいかもしれない/一人がいい
スコール「話し…たいかもしれない」
キスティス「OK! じゃ、行きましょう。お茶でも飲みながらでいいわね」
キスティスはもう教官じゃない。
スコールの性格的な欠点を改めさせる使命も義務もない。どうして
キスティスは
スコールの面倒を見ようとするのか? 元教官として? 先輩
SeeDとして?
仲間だから? 好きだから? …この時点では
キスティスはどうして
スコールをそこまで支えようとするのか自分でも分からなかった。
ディスク2以降、
リノアが
スコールに急接近するが、その影にいたのが
キスティスだった。
リノア「なんでもいいの! そう、なんでもいいの。なんでもいいから、もっと私たちに話してってこと。私たちで役に立てることがあったら頼ってね、相談してねってこと。そうしてくれたら、私たちだって今まで以上に頑張るのにって、キスティスたちと話していたの」
※額に手を当てる癖をキスティスから聞いたというリノア
キスティスは同じ目的を抱く
リノアに対して助
力を惜しまない。ディスク1終盤であれほど
リノアをなじった
キスティスが、ディスク2以降は一転して
リノアの最高の相談役になってしまう。
結局
キスティスは
スコールに抱いていた感情はなんだったんだろう?
恋心? いや、それだと
キスティスが
リノアに助
力した理由が分からない。
元教官として? …だったら
サイファーのことも心配しなきゃ。
仲間だから? …
キスティスには
スコールを
仲間として扱う特別なエピソードがない。
では、いったいどういう理由からだろう?
キスティスが
スコールに抱いた感情…。それって謎でもなんでもない。
トラビアガーデンで
キスティスははっきり語っている。
キスティス「私、教官になってからもスコールが気になって仕方なかった。それは…恋だと思ってた。私は教官だから気持ちを隠して隠して…。でも違ったんだわ。子供のころの姉のような気持ちが残っていて…。な〜んだ」
キスティス(勘違いの恋…ってやつ? リノア登場ですっぱり諦めてたから、ぜんぜんいいんだけどね)
そう言われてみれば彼女の全ての行動が合点いく。1回や2回の暴言ぐらいで姉弟の縁は切れるものじゃないし、むしろダメな弟分を立ち直らせたいと思っても不自然じゃないだろう。
リノアに助
力を惜しまなかったのも、結局はそういうことなのだろう。
以降
キスティスは、
スコールの恋人ではなく、
スコールの元教師でもなく、
スコールの姉的な存在として振舞うようになる。
キスティス「なんの宇宙にまで行ってリノアを助けたのは、なんのためだったの? もう会えなくなるかもしれないのに、○○○に引き渡すため? ちがうでしょ? リノアと一緒にいたいからじゃなかったの?」「バカ」
最後の最後で
スコールに
リノアを助けろと助言したのも
キスティスだった。
キスティスが担当しているものは○○○○○とは違う形の『弟のような相手に対する愛情』だね。